「よし!カーセンサーをダウンロードしよう!」ワイルド・スピード ファイヤーブースト Akio Yamamotoさんの映画レビュー(感想・評価)
よし!カーセンサーをダウンロードしよう!
先ず言っておきたいのは、これを楽しめない映画通がいたら、つまんないのはお前だ!という一言に尽きるでしょう。
そもそもこの映画はマイルドヤンキーの為の映画であり、休日に彼女とAEONに行かないヤツには観る権利などないのです。ましては美術館に行くようなヤツには高尚過ぎる映画なので理解するのも難しいと思われます。
この映画は車のCMであり、内容より見た後に売れ残ったアメ車が売れたらいいのである。過去作はスポーツカーよりデカい車や戦車、装甲車が出過ぎて日本のマイルドヤンキーがそれに似た国産のベルファイヤーを買いまくり、タイや東南アジアでも同様にベルファイヤーブームが起こり、アメリカの自動車業界が憤慨し裁判になったのは有名な話である。
なので、ラストの今作はアメ車やスポーツカーが街中を走り、悪党はベルファイヤーとプリウスに乗る構成になっている。今頃TOYOTAは株価が下がってるのは言うまでもない。
原点回帰とも言える街中での走行と、特に重要ではない作り笑いの練習をする為のアメリカンジョーク、登場人物の髪型の変化とシワを見て老けたよね!とかを盛り上がれる最高の仕上がりになっている。
これはマイルドヤンキーにとってはインフィニティウォーである。最終話の前に、キャプテンマーベルのようなサイドストーリーを公開するのだけはやめてほしいと切に願う。
皮肉でなく、これがワイスピなんだよね。
全世界のマイルドヤンキーがわかるストーリーって作るの本当に大変だと思う。分かりにくい伏線や深掘りや示唆やメタファー、わかりにくい演出や早すぎる解説的セリフを全て捨てなきゃいけない。
音楽は昔の曲のリミックスを含めすごくカッコ良くて、色んな場面でカレー粉みたいな役割を果たしている。
製作者の苦労を胸にぜひ劇場で鑑賞すべき。