「荒唐無稽なアクションを体感できる4DXScreenスゴかった。」ワイルド・スピード ファイヤーブースト 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
荒唐無稽なアクションを体感できる4DXScreenスゴかった。
非常に引き裂かれた想いをいだきつつ、星を4つにした。というのも、シリーズ中でも屈指の底の抜けた脚本に呆れつつ、大いに笑い、楽しんでしまったからだ。そもそもワイスピになにを求めるかはひとによって違うと思うが、自分はどれだけ荒唐無稽であっても、そこにエモーショナルななにかが宿っていれば許せてしまう派で、逆にいうと見せ場がただ見せ場としてしか提示されていないと、空虚な馬鹿騒ぎに見えてしまう。
今回は撮影開始から一週間でジャスティン・リンが降板し、監督がルイ・レテリエに交代したが、まさにバタバタがそのまま反映されたような筋の通らない脚本なのだが、にぎやかな見せ場とお祭り騒ぎ、ジェイソン・モモアら新規参入組の好演でカバーしている感がある。
とにかくモモアの可愛さは尋常ではなく、今回はシリーズ完結に向かう物語ということでヴィン・ディーゼルが終始神妙な顔をしているのに、モモアの陽性な魅力がデカすぎて、シリアスな話にはどうしても見えない。むしろモモア演じるダンテが楽しそうすぎて、もっとやれ!とすら思ってしまうし、実はダンテが直接殺害した人数が非常に少ないことも(たぶん4人でそのうち3人は悪人)、よくも悪くも最凶の敵なのか愉快な兄ちゃんなのかわからなくしている。
上映フォーマットでいえば、4DXとScreenXを合わせた4DXScreenが、作品のバカバカしさとあいまって最高に可笑しかった。もし近くで体験できるひとがいたら、ぜひ足を運んでほしい。追加料金は高いですが、あんなに4DXScreenが似合う映画もなかなかないのではないか。