「勢いは大事」ワイルド・スピード ファイヤーブースト 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
勢いは大事
派手にぶち上げまくって、フィナーレに向けて加速していくぞという勢いだけで乗り切ったような作品になっていた。このシリーズの場合、それがそんなにマイナス要因にもならないところまできているのがまたすごいというか、なんというか。
最後なんだから全部のせで行くぞ、ということだけは死守するみたいな作り方で、整合性は二の次に回している。それは優先順位を明確にしているということなので、破綻はしているんだが、姿勢としては一貫はしているとも言える奇妙なバランス感覚がある。
ジェイソン・モモア演じる悪役がよくしゃべる。こういう悪役、90年代のアクション映画でよく見た気がするなと思いつつ、いかにもなムーブでファミリーを翻弄していく。今回は完全に彼の映画で、一人でドムのファミリーを翻弄しまくるジェイソン・モモアが輝いているので、相対的にドムのファミリーが輝きにくいのだけど、次作で爆発する布石と考えれば、仕方ない。それにしてもハンがうっかりドラッグ入りのマフィンを食べて幻覚を見るくだりはなんだったろう。
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