「シリーズものの強みと弱みが同居した作品」ワイルド・スピード ファイヤーブースト おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズものの強みと弱みが同居した作品
人気を誇る「ワイルド・スピード」シリーズ第10作。今度はどんなアクションを魅せてくれるのかと期待して鑑賞してきました。
ストーリーは、家族と平穏に暮らしていたドミニクが、かつて彼に痛い目に遭わされた麻薬王レイエスの息子ダンテの復讐を受け、ダンテの陰謀により各地に分散させられたファミリーとともに対峙していくというもの。とざっくり書いてみたものの、正直言って理解できない部分が多かったです。
シリーズ10作目ともなると、これまでにかなりの人物が登場し、ドミニクを中心に複雑な関係が築かれています。本作では、そんな過去作の登場人物がたくさん再登場し、そこに過去の因縁が絡み、さらに各地で別行動をとっています。おかげで場面転換が目まぐるしく、展開を追うだけでも大変でした。ていうか、過去作を半分も観ていない自分には、とても追いきれませんでした。
最終章と位置付けされた本作は、シリーズを追い続けているファンにはたまらない作品だと思いますが、一方ではMCUに負けず劣らずの一見さんお断りぶりだとも感じました。そういう意味では、シリーズものの強みと弱みが同居したような作品だと言えます。
とはいえ、期待のカーアクションはさすがの一言です。ど迫力でぶちかましまくり、その心地よさたるや言葉では言い表せません。相変わらずの荒唐無稽なカーアクションですが、観客をそれを期待しており、その期待を上回る映像で応えてくれるのが、本シリーズの最大の魅力だと感じます。
キャストは、ビン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、サン・カン、ジェイソン・ステイサムらお馴染みの面々。そこに、シャーリーズ・セロン、ブリー・ラーソンらが加わる豪華な布陣。中でも、お茶目に狂ったダンテ役のジェイソン・モモアがいい!おかげで作品がぐっと締まります!