「劇場版ならではのスケール、さすがの高橋一生」岸辺露伴 ルーヴルへ行く あぶるさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場版ならではのスケール、さすがの高橋一生
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高橋一生、飯豊まりえともにいつもながらのクオリティでとてもよかった。
終盤に露伴が言い放った「人間の手に追える美術館じゃない」がとても印象に残った。
人間が作り、コントロールしていたはずなのに、いつの間にか全容がわからなくなり、誰も知らないことや説明のつかないことが生まれていく。
それは人の人生そのものであり、我々自身もいつのまにか忘れてしまった、忘れさせられた物事によって大事な部分が形作られているのかもしれない。
芸術は見る人によってさまざまな受け止め方があり、その受け止め方は感性(≒過去の蓄積)によるものである。
鏡は光を反射して現在を映すが、絵は感性を、つまり個々人の過去を暴くものとも言えるのかもしれない。
そう考えると過去が襲ってくる「最も黒い絵」とルーブル美術館そのものは似た存在とも思える。
荒木飛呂彦先生はルーブルでそんなことを感じたのかなぁ、と想像を巡らせるのも楽しい。
1点だけ残念だったのは過去の露伴のキャストと演技。
あまりにも幼く不安定で、岸辺露伴たるものを感じなかった。これはおそらく公式と私の解釈違いだろうけど。
デビュー当時だからそんなもん、という解釈もあるのだろうけど個人的には露伴先生にはあの頃から不遜でいていただきたかった。
メタ的な余談だが、ジョジョではなく岸辺露伴の血脈の話になっていたのはスピンオフならではだと感じた。
今回がんばって制作したやろうから今年の年末に新作はないやろな、残念だけど次回作を楽しみに待っています。
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