丘の上の本屋さんのレビュー・感想・評価
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贈り物
イタリアの美しい丘に竚む古本屋さんのリベロと本好き移民の少年エシエンを中心とした、本を通じ交流する人々を描いた作品。
本は好きだが買うお金が無いと言うエシエンに様々な本を貸出し、その感想を聞くことを楽しみにし始めたリベロ。しかしそんなリベロはある問題を抱えているようで…。
全体を通し、変わり者だが皆善人の登場人物達が織り成す、心温まるヒューマンドラマ作品。
昔は地元にもこんな古本屋があったよな〜、なんて思い出しつつ、今の日本じゃ希薄になった見知らぬ人との交流なんかも平和に描かれており、心が和む。
ワタクシ自身も、本は買ったらそれで満足してしまい中々読まない質なので(リベロに怒られちゃいますかね…笑)、改めて色んな本を読んでみたいなぁと。。
映画が趣味なワタクシですが、どの作品にも何かしらのメッセージがある所は読書も映画も一緒ですよね。
理解と考察…う〜ん深い。
たまには一度観た作品をじっくり見返してみるのもアリでしょうか。尤も、その時間があれば新しい作品を観てしまうのがワタクシの性ですが。
そんなことを改めて考えさせられた作品だった。
また、最初はコミックに始まり、段々と難しい作品になっていき…
心なしかエシエンの表情もそれに合わせて逞しく少し大人になったような気がしましたね。
強いて言えば、最後はちょっと急展開過ぎというか…エシエンがもうちょっとそれに悩まされたりする描写があれば印象は変わったかもだけど。。
90分もない短い作品なので、そういうのもちょっと見たかったかも。そしてこのロックバラード…。凄く良い曲ではありましたが…笑
とはいえ、終始ポカポカムードで進んでいくのが本作の良い所かとも思うし、ニコラを始めとする他のキャラも皆良い感じ。
本好きは勿論、そうでなくとも映画好きなら中々に感じるものがある作品ですかね。
とても面白かったです。
思ってたより薄っぺらい…
エシエンの人生に幸あれ!
ゴールイメージの共有。
知人のチョイスで知ったのがきっかけ。本屋さんが舞台というのが興味をそそられる。イタリアには数回旅行で訪れているが、この映画にはイタリアらしさが溢れ裏切らない。石造りの建造物と豊かな自然との対比、陰の輪郭線までくっきりと認識できるかのような強い陽光、人々の陽気さや軽妙さ、洒脱さ。
そんな社会に移民が紛れ込んでも、柔らかくそして程よい距離感で包み込む。現実では、このようにうまくいくことは、なかなか難しいのかもしれないが、一つのゴールイメージを地球人が等しく持つことは大事だと思う。
こんなおじいちゃんと小さい頃に会うことができたら人生変わってたかも、と思いつつ、子どもの頃はむしろこんなおじいちゃんが近くにいたら、ウザって思ってたかも(反省)
本好きによる、本好きのための映画
高1の娘と一緒に観たくて楽しみにしていた映画。
観終わった後に娘が「今までママと一緒に映画館でみた映画の中で1番好き。」とのたまったのを最初にお伝えしておきます。
とにかく優しい話だった。
ほぼ本屋さんとその隣のカフェしか映らないのに、やってくる人々がバラエティに富んでいて楽しいので物語が広がって深まる。チラチラ挟み込まれるイタリアの美しい風景もとても良くて、こんな国で生活してるから優しくなれるのかなとちょっと羨ましくなった。
読書量と本に対しての知識が半端ない古書店の主人が、移民の少年におすすめの本を貸して、彼を知識の泉に触れさせていく話なんだけど、人々の心の触れ合いが温かい。
主人も移民の少年も家族構成も何もかもわからないけど、愛されて育っただろなと思う優しい雰囲気。お隣のカフェの友人との交流も素敵だった。
お客さんがどんな人が来ても、きちんと話を聞いてその人が欲しているものを探そうとしてくれる店主を観て、こういう人が聞き上手っていうんだろうなあと思った。誰に対しても平等に対応していて、とても誠実な対応に心が温まる。
これは心からの本好きの人が、本好きのために作った映画なんじゃないかな。
めっちゃ帰りに本屋さんに寄りたくなった。笑
本を媒介として成立する豊かさと隠された反骨と
ゴミ箱から本をあさって売りに来る人、お金がなくて買えないけど本が大好きで医者になることを夢見る移民の少年、希少本を探しに来る大学教授、こだわりの本を探す人・・・・年老いた古書店主は、それらの人に対し、分け隔て無く接し、そのすべての人と、「本」を媒介として、そのそれぞれに応じた関係性を結んでゆきます。
つまり「本」と「自分自身」の1対1の関係で与えられた豊かさだけではなく、多くの人とその豊かさを共有することで得られる新たな豊かさとでも言ったらよいでしょうか。豊かさに広がりが出ている点がまた素晴らしいと思いました。あたかも本の言葉の種が伝播して、多くの実を結ぶように。
「ピノキオの冒険」「イソップ寓話集」「星の王子さま」「白鯨」を巡る少年との対話も良かったですが、面白いなと思ったのは、取り上げられている本が権威主義に反対しているものが多かったこと。ムッソリーニに反抗して監禁された詩人の著作やローマ教会から破門されたガリレオなどの「発禁本コーナー」だけでなく、ユダヤ教会から破門された反骨の哲学者スピノザや、マルクスの著作などなどの「哲学書コーナー」も(「誰も読まなくなったから多い」というのが笑えました)。
イタリアでは、その地理的な要因から、アフリカからの難民の窓口のようになっていて、不法移民問題が深刻となっているようで(外国人比率は日本の2.7%に対し10%を超えているそうです。)、昨年ついに、ムッソリーニにも肯定的な極右政党を中心とする連立政権が成立したようです。本作はその前年にイタリアで公開された作品ということになります。
店主が最後に少年に渡した本も、そう考えると意味深く感じられます。
すべての子供たちのための賛歌
本好きで良かった
時々は立ち止まってみるのも良いかと
リベロおじいちゃんと移民少年との
本を通しての心の交流が軸です。
それ以外にも本屋さんを訪れる人物への
リベロおじいちゃんの的確なアドバイスなどがあり
人の日記を見てニヤニヤしてしまうおじいちゃんの姿にも
古き良き時代のおじいちゃんを感じます。
リベロおじいちゃん役のレモ・ジローネ氏
いいですね。声がいいです。
フェラーリの会長さん役の方でしたか。
威厳があっていいです。
結末がまたいいです。
なんでもデジタルで便利になる時代ですが
時にはこんなアナログなホッとできる時間が必要です。
若い人も身体や頭を休める時間を大切にして欲しいです。
自分のように健康を損なってからでは遅いので。
娯楽性は無いですが、良き作品と思います。
本好きにはたまらない映画
とっても良かった。本好きなら尚更かと。本に興味がない人はもしかしたら退屈かもしれない。けれど、物語の奥深さを知ればきっと、子どもの頃に読んだ絵本や物語を思い出して、懐かしい気持ちになるかもしれませんね。本棚に陳列された背表紙を見るだけで興奮する人は否応なしにぜひ見るべき。
本を真ん中に挟んで語り合うリベロおじいさんと少年の微笑ましいこと。そして本を探しに来た友人、隣人、初顔の人たち、それぞれ性格は違うけど、本を愛してることはみんな同じて笑顔が見える。美しい町並みや風景も人の何気ない日常がうかがえる様子も、物語の一部で目に焼き付いています。
入場者特典があることを知らず、栞が貰えて嬉しかった
本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。
イタリア中部の風光明媚な村。丘の上の小さな古書店が舞台です。老店主のリベロ(レモ・ジローネ)は、店先で本が買えずに眺めていたアフリカ大陸西部に位置するブルキナファソからの移民の少年エシエンに声をかけます。
リベロはコミックから児童文学、小説、専門書と貸し与えていきまか。好奇心旺盛なエシエンは都度感想を述べ、知識やものの見方を身につけていくのでした。
本を通じて深まる老人と少年の友情が心地よいところ。またそれぞれの背景を持つお客さんがやって来る本屋を。優しく定点観測する視点もよかったです。
物語はシンプルで緩いけれど、本を読むことは素晴らしいこと、とこの映画は教えてくれます。本を読む楽しさ、本から学ぶこと、そして本を読んで考えることの大切さがストレートに響いてくるのです。
隣のカフェで働く青年とリベロの会話、古書店に本を探しにくる少し風変わりな連中からも人の営みやにおいが感じられました。リペロが読み進める本に挟んであった若い女性の日記も、物語のように人生の味わいが立ちこめます。
そしてリベロは、イタリア語で「自由(Libero)」を意味する自身の名の通り、エシエンに自由であること、誰もが幸せになる権利を持つことを伝えていくのでした。
終盤にリベロがエシエンに贈る本に驚き、すぐにうなずきました。本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。
物語の舞台となる “イタリアの最も美しい村”のひとつ、チヴィテッラ・デル・トロントの息をのむ絶景や、石造りの歴史ある街並みを味わえるのも本作の大きな魅力。石造りの歴史ある街並みが美しく、この村の日常をずっと見続けたくなりました。
そしてアップで捉えられた、移民の少年の未来への希望を感じさせるキリリとした表情が、鮮やかに心に残りました。
終盤にリベロがエシエンに贈る本に驚き、すぐにうなずきました。本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。
のんびりしたイタリアの田舎町の風景
気のいい本屋のおじさん
試写会で鑑賞。
相談を受けながら本を選んでくれる。時には貧しい子には無料で貸し出して教養を惜しみなく与えてくれる優しいおじさん。平和な日常のお話。
時々出てくる山の風景と、本屋周辺の風景が合致しなくて違和感あった。
リベロの優しさに癒される
イタリアで最も美しい村の一つ、チビテッラ・デル・トロントで、丘陵地帯を見下ろす丘の上にある、小さな古書店が舞台。店主のリベロはある日、店の外で本を眺めていたアフリカ・ブルキナファソからの移民少年・エシエンに声を掛けた。イタリアに来て6年、好奇心旺盛なエシエンを気に入ったリベロは次々と店の本を貸し与え、読書感想を聴くのを楽しみにしていた。エシエンもリベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾け、本の感想を語り合ううちに、2人は友情を築いていく、という話。
読書の素晴らしさを満喫出来る作品。リベロがエシエンに読ませていた本を読んでみようと思いパンフレットも購入した。たくさんの本が紹介されていて貴重なパンフレットだと思う。
最後にエシエンに贈った世界人権宣言の本は重要な内容が書かれているんだろうと思う。誰もが幸せになる権利がある、って事以外、移民の子供に勇気を与えるような。
店主リベロ役のレモ・ジローネの博学で優しい語り口が素晴らしかった。
エシエン役のディディー・ローレンツ・チュンブがイケメン少年だった。今後の活躍が楽しみ。
古本屋の訪問客もそれぞれ個性的で面白かった。
古本屋の有る丘からの風景が美しくて素晴らしかった。イタリアは何度も行っているが、ここは行ってないので、これから行きたい場所に追加しておこう。
その他、公園のベンチでカップルが人前でキスしてたり、平日の昼間に田舎のカフェでオシャレな女子が居たりと、イタリアの日常らしい様子も見れ、良かった。
家政婦のキアンは可愛かった。
広島で公開が無かったから岡山遠征して観賞したが、それだけの価値が有った。
フリー素材…??
やっすいBGM、フリー素材ですね??
あと、風景は綺麗だけど、いったいどこから撮ったの?
店先から見た感じでもないし…。
土地の全体像が見えない、取って付けたような切り貼り感。
まさか、これもフリー素材???
つーか、ここは本当に丘の上なのだろうか…???
おじいさんに向けられた、強めの女優ライトもナゾ。
最後にナゾの安安ロック…。
本への愛は伝わってきたが、人物描写が希薄で、
移民の少年の家族構成も、学校の様子も、何にも見えない。
そもそも、おじいさんは家でどう過ごしているの?
そんな事はきっとどうでもよくて、本屋が主役で、
本屋という場所を生命体として描いているのかな???
それくらい、各人物の詳細無視。
移民の少年は、別に差別されたり迫害されてる訳でもないのに
「世界人権宣言」とか唐突に渡されて、どういう気持ちになったのでしょう…。
本は人生のサポーター
自分が小さい時の小学校の教師が言いました。「本は心の栄養である」と。正直自分は活字に触れるのが苦手ですが、それでも本をたまに読むと「なるほどなぁ」と思う時があります。自分の考えを見直すきっかけになったりします。あの時の先生の言葉はあながち間違ってない。もう少し本に触れていたら、もう少し自分の考えの地盤が固くなってたかも、もう少し自分の考えの伝え方も変わっていたかも、レビューも良く書けるようになっていたかも(笑)。もし小さい時に本作の主人公:リベロと出会っていたらそうなっていただろうか?本作は少しそう思える、穏やかで温かみのあるイタリアのカントリームービーです。
ストーリーの舞台はイタリアの小さな町の丘にある小さな古本屋。老人店主リベロは、隣のカフェで働く陽気なニコラに手伝ってもらいながら静かに経営していた。時には本を買い取り、時には個性的な客が来て対応したり、暇なときは買い取った本の中にあった“日記”を読んだり。ある時貧しき移民の子:エシエンが店頭に並ぶ漫画を眺めていた。リベロは「貸してあげるから終わったら返しにおいで」と言ってエシエンに漫画を渡す。本が好きなエシエンは一気に読み上げ、すぐに返しに来た。彼が本好きだと気づいたリベロは、少しずつ読み応えのある本をエシエンに貸し、少しずつ交流を深めていく・・・てな流れです。
まず思うことは、この映画の穏やかさと絵的な美しさよ。
イタリアの中部に位置するチヴィテッラ・デル・トロント。ここの街並みはまさに息を呑むようなという言葉が当てはまるほど美しい。ストーリーの合間に現れる背景は穏やかさを感じ、観てて飽きない。また穏やかさはストーリー全般に広がっていて、変に盛り上がることなく過ぎていく。しかし水面下ではゆっくりと物語は動いていく。そしてじんわりと映画が身体に染みていくような感覚。この見せ方は自分的には大好物。イタリア映画でこのような手の作品はホント心地いい。惜しむらくはもう少し余韻に浸りたいと思わせる部分があったこと。ちと編集の面で残念な部分あり。
そしてもう一つこの映画を観終わってから思ったことは、
本は人生のサポーターなのかもしれないということ。
現れる珍客たちに対し、リベロは誰に対しても穏やかに相手と話し、様子を探って適切な本を勧めていきます。どのような内容でも気にしない。大事なのはその人に合った本を勧めることであるかのように。そしてエシエンには最初は漫画を、少しずつ読み応えのある本を勧めていきます。またエシエンに本の感想を聞き、本の教えを伝えていきます。リベロは、それが少年の糧になることを知っているかのように。
本というのは、ジャンルにもよりますが、行きつくところは道標のひとつになりうる。それをこの映画は伝えたかったのかなと、自分は思うんです。
しかし、この映画が強烈に伝えたかったことはもう一つあると思うんです。それは、なぜリベロは個性あふれる珍客たちにも穏やかに接したのか。ふれあいを大事にしたのか。それは少年に最後に渡した本にある。ラストを見た時、「あぁ、なるほどなぁ」と思いました。ラストの音楽はちと強すぎたのが残念やけども、これは大事。リベロの人柄の良さがあふれるシーンです。
この手の映画は大きく盛り上がらないし、人によっては退屈に思うかもしれません。しかし、こういうじんわりと染み入る感覚も悪くない。特にイタリアの映画にはこの手の作品は滋味な感じでホント良い。個人的には点数はどうあれ、オススメできる作品かと思います。
音読稲妻ボーイ
イタリアの田舎の村で古書店を営む老人と、店に出入りする客や友人の話。
店の前で本を見ていたアフリカ系移民の少年に声を掛け、マンガを無料で貸してあげたことが切っ掛けで交流していくエピソードを中心に、隣のカフェのチャラ従業員と奥様に頼まれた本を探す女性の恋愛話しや毎朝本を売りに来る男の金儲け話し、自分の著書を探す先生等々様々な人との交流をみせて行く。
誰一人悪人が出て来ないし、同じ様なことを繰り返して行くばかりだし、まるで某放送協会で放映していそうな外国のTVドラマの様な味気ないカメラワークやカット割りだったりとお堅いつくりだけど、優しく温かくなかなか面白かった。
ただ、チョロチョロとヘンな名前のおじさんは振ってはいたけれど、最後の本はそれまでそんな仕打ちを受ける様な場面がこれっぽっちもないのに急にぶっ込まれた様な感じだから白々しさも感じてしまった。
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