「100億超となるか否か」劇場版 SPY×FAMILY CODE: White サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
100億超となるか否か
テレビアニメは1期の途中で挫折したものの、漫画はそれなりに見ていて、この作品自体は結構好き。ただ、紳士でスタイリッシュなものから、どんどん子ども向けになっていってSPY×FAMILY離れしていったのも事実。劇場版になってかなり気合いが入ってるみたいだけど、実際どうなの?と興味本位で鑑賞。結果としては、良くも悪くもいつものSPY×FAMILYでそれなりに楽しめました。
ストーリーとしては至ってシンプル。
ロイドが遂行しているミッションの一環である、星ステラの獲得が掛かったアーニャの調理実習。その審査員である校長の大好物、メレメレを求めてフリジスに行くこととなったフォージャー家が世界平和を揺るがす事件と関わってしまう!という、なんともらしい物語。「SPY×FAMILYなんてアーニャしか知らないよ」って人に対しても、設定やこれまでを振り返ってくれる親切設計。キャラクターの身振り素振りがアニメ以上に分かりやすくて、子どもたちも楽しめるようになっている。
だが、子ども向けを狙いすぎて、大人には物足りない&つまらないところも多々。私はこの作品に対してそれほど思い入れがあるわけではないから大丈夫だけど、ファンはガッカリするかもしれないし、本作を見て「もういいや...」と離れていってしまう人も一定数現れそうな、幼稚な展開だった。スパイ映画としても、家族愛を描いた人間ドラマとしてもかなり雑な作り。全くスマートじゃないラストも気に食わなかった。変わらない面白さもいいけど、せっかくの劇場版だからもっと飛ばして欲しかったな〜という気はする。
家族崩壊の危機を一応のテーマにしながら、緊張感はまるでない。あるのはアーニャの可愛さのみ。ストーリーに起伏があまりないのも残念。だけど、アニメーションのクオリティはこれまでとは段違いで、音楽も最高。アニメ映画のIMAXが当たり前になってあまり意義の感じられない作品も多くなっている最近では、ちゃんとIMAXの良さが生かされていて結構ワクワクした。主題歌、マジテンション上がったな〜。
それじゃあ、本作は100億円越えあるのか。
入場者特典の追加によっては十分考えられるかもしれませんが、作品自体のポテンシャルとしては100億超えは厳しいんじゃないかと思います。「呪術廻戦0」や「THE FIRST SLAM DUNK」のような何度も見たくなる、深いメッセージ性は無く、1度で充分というのが本作。いって80億が限界じゃないかな〜と読んでいます。ただ、ファミリー映画としては満足のいく出来で、冬にピッタリな暖かい作品だと思います。
同感です。面白かったらまた来ようと思ってたけどリピートは無いな。何でもっとハラハラドキドキさせて最後は泣かせる「普通の映画」が出来ないのか理解に苦しむ。