ヒッチハイカーKAI 手斧のヒーロー、その光と影のレビュー・感想・評価
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一躍人気者になったヒッチハイカーの奇妙な顛末。
カイと名乗るヒッチハイカーが、黒人女性に襲いかかった差別主義者の男を止めた。たまたま持参していた手斧で。かなりおかしなシチュエーションだが、カイはこの事件が報道されたことで英雄扱いされ、ネットやメディアでもてはやされるが、今度は別の事件の容疑者として逮捕される……。実話じゃなかったら、ヘンテコすぎて脚本会議で却下されそうなプロットだと思う。
映画の半分は、カイという複雑なんだか単純なんだかピュアなんだか善人なんだか邪悪なんだかよくわからない男についてであり、もう半分はネットミームにして消費する現代社会のいびつさについて。後者のテーマの方がより掘り下げる価値があるように思うが、結果的にどっちつかずになってしまっているはもったいない。獄中にいるカイ本人は「自分不在で勝手に作られたドキュメンタリーであり、Netflixの搾取」と非難しているようなので、前者のテーマについてはカイの協力を得られていないことが掘り下げ不足の原因かも知れない。
とはいえカイよりもヤバそうなカイの母親とか、うさんくさいテレビ番組のプロデューサーとか、モヤる要素には事欠かず、興味を惹かれるポイントは多い。現実に起きたヘンな話を聞いてもなにを持ち帰っていいのかよくわらずただただ当惑するしかない宙ぶらりん感が、この事件やドキュメンタリーから得られる最大のものである気がしている。
英雄であり怪物
マスコミが作り上げた英雄であり怪物。
おそらくKAI自身は変わらず生きてきたつもりだが
周りがもてはやしたり追い込んだりする。
世間の思いなんて180度向きが変わることは
日常茶飯事です。
今の時代、簡単に物事を決めては怖いですね。
胸くそドキュメンタリー
あらすじを読んで興味が湧いたので鑑賞しました。
たまたまヒッチハイクした車のドライバーが差別主義者で黒人に向かって車を突っ込み
さらに助けに来た黒人に危害を加えようとしたのを持っていた斧で助けたカイが、
一夜にして拡散された映像によって有名になるが、
その後、彼の正体が分かり始めると、、、
みたいなあらすじだったかな?
壮大なミステリーサスペンスのドキュメンタリーかなと思って
少し期待していたのに、結果、彼で稼ごうと企んだ人たちの
当てが外れたのでむりやり
有名人の転落劇という一般人が好きそうな内容で、
ドキュメンタリー風な映像を作って世界で公開した
というなんともさもしい内容。
カイという人物は初めから何一つブレていない。
言動も初めから一貫している。
アメリカあるあるの大麻好きの破天荒でお金に執着がない、
名誉や富や名声なんかにも全く興味がない
だから彼を利用としてる人たちが用意したレールなんて
最初から歩くつもりもないし、くだらないとさえ思ってる。
それを周りが勝手にはやし立て、ヒーローにし
一躍時の人にして、リアリティ番組の主役にしようと
一攫千金を狙った。
でもその敷かれたレールから自らの意思で外れていった彼を、ある事件を元に
今度は勝手に薄気味がり蔑み怖がり犯罪者に仕立て上げる。
この作品をみて一番怖かったのは
利用しようとしていたくせに善人のような顔して彼の素行を悪だと語り
決めつけるメディア関係者達だった。
特にリアリティ番組のプロデューサーだという女性には吐き気がしました。
メディアの闇を見たドキュメンタリー映画だった。
日本の副題のその光と影が暗にそれを指してるならとても秀逸。
でも多分違う。。。
こんなことに巻き込まれたカイをとても気の毒に思う。
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