「悲しみが少女を覚醒させる!」THE WITCH 魔女 増殖 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
悲しみが少女を覚醒させる!
理論的に納得出来た前作に較べてより感覚的になり
超能力アクションに特化した続編の「増殖」
前作の主役キム・ダミがラストに数シーンだけなのも、残念です。
「増殖」とは、「魔女プロジェクト」で培養される特殊能力者「土偶」が
かなりの数いる設定。
つまり増えたのです。
冒頭で社員旅行のバスから拉致されたのが、主人公の少女の母親。
彼女は既に妊娠中の身です。
「魔女プロジェクト」のペク総括(チョ・ミンス)は、
「子供は双子、そしてもっともっと増えるわよ!!」と言う。
そして生まれたのが超能力者の少女。
17歳になった少女は「アーク」と言う研究施設のひとつ
「上海ラボ」から、逃亡する。
その時、ラボの施設は完全に破壊された状態。
少女は記憶喪失で何も覚えていない。
組織は必死で少女を追う。
危険は超能力者だから。
前作だとキム・ダミは農場の優しい老夫婦に子供として大事に
そだてられた。
「増殖」で少女の味方になるのは心優しい
牧場主の女性・ギョンヒとその弟のチョ・ヒョン。
2人との交流が少女に人間味みたいなものを加味させるのが、
この映画の共感ポイント。
だがしかし少女には名前がないし、
その破壊的能力・・・と言えば、
車を投げ飛ばしたり、建物の屋上から何フロアも飛び降りて
怪我ひとつしない。
一瞬にして敵をメッタメタに殺す・・・
結果、焼け焦げたような死体の山が築かれている・・・
などなど結果が示されるだけ。
映像は中央アジアなどの大自然が美しい。
そしてそのアクションはCGとVFX多用の瞬間芸。
少女(シン・シア)1400人の中から選考を重ねて選ばれた
逸材らしいが、
私にはアクションは突っ立っているだけにしか見えなかったし、
演技もピザやパスタを頬張る嬉しそうな子供らしい表情、
後は宿命を背負った儚げな表情、この2パターン。
確かに存在感はスターぽいけれど、演技力うんぬんの評価は難しい。
ペク総督も「X -MEN」のプロフェッサーの向こうを張って車椅子。
ハリウッド映画を意識しているのは明らかだが、
3部作の2作目がどうしても中弛みと結論を先延ばしするので
どっち付かずになる難しさを、この「THE WITCH」の
2作目「増殖」でも感じずにはいられなかった。
ラストですっかり女らしく成長したキム・ダミが現れる。
終章となる3作目ではキム・ダミと少女の活躍が見られる事を
期待すると共に
「アーク」の仕組みや企み陰謀や黒幕がしっかりと明かされる事を
願っています。
乞うご期待‼️