劇場公開日 2024年9月27日

「鈴木亮平に尽きる」シティーハンター BDさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0鈴木亮平に尽きる

2024年5月11日
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鑑賞方法:VOD

プロットにそこまで変わったところはない。ヒーローがいて、ヒロインがいて、悪がいる。謎があって、解き明かされる。続きもありそうな感じがする。王道。
コミカル×シリアスの切り替えや、トー横やコスプレと言った現代的モチーフのいい意味で解像度の薄い切り取り(深入りしすぎずエンタメに必要な部分だけを上手く切り取る)は踊る大捜査線的かもしれないと思った。
この大きな名前の実写化案件で、いわゆる「基本に忠実」を丁寧に遂行し切った制作陣に、まずは天晴れ。

しかしやっぱり突き抜けているのは鈴木亮平の凄みだろうと思う。再現度が高い、と言うのはあくまで表面に出てくる事柄。もし自分がシティハンターを知らなかったとしても、この鈴木亮平は、一つのことを偏執的なまでに突き詰めようとする人間のエネルギーそのものが受け手の心を動かす、という次元に達していると思う。

また、原作もそうだが冴羽獠のメリハリ感がシティハンターという世界観の全てなんだなと思った。この出来で、この映画は良作であり得るかあり得ないかが決まる。そしてこの映画は素晴らしい映画だった。

実写化モノは原作と比べられてここが違うとかあーだこうだ言われるからあんまり…という時代もあったと思いますがそれもいまは昔。良いモチーフがあって、それに作り手の情熱とこだわりを反映させた、名前負けしない良作が出てくるのは本当に素晴らしいことですよね。

あともう一点最高だったのはラスト、Get Wild引きシーンでハンマー持ってる香(森田望智)の笑顔!いいですよね、ちょっとしたカーテンコール感もあって。読後感もとても良かったです。

BD