「ありがちな物語ではあるが、香水のメッセージと努力経過が魅力を引き立てているとは思われる」魔女の香水 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがちな物語ではあるが、香水のメッセージと努力経過が魅力を引き立てているとは思われる
主演の黒木瞳氏の舞台挨拶を二列目の席を予約して観る。顔の比率が非常に小さく、斜め上からの照明にために顔に影ができていたのが残念だった。この日二度目の挨拶で、一度目のときの黒い衣装から白い衣装に着替えてきたという。隣席の二人は一度目も観に来たと手を挙げていた。進行役が、どうして肌が綺麗なのかと問うと、洗顔をしていない、化粧水で洗っていて、それは自分も若い頃、年配の先輩から教わってずっとしているという。八女高校で演劇を始めて、八女弁で発声練習をして、宝塚でも関西弁でやっていたので、共通語が身についていないという。八女から毎週薬院近辺に様々なレッスンで通っていたという。売店で準備していた香水が完売されたことを聴き、ネットで買えるのではないかとの黒木氏発言に対して、進行役は、また取り寄せて、観に来てもらいたい、と言っていた。
映画の内容は、桜井日奈子氏演じる派遣従業員の恵麻が、男性正規従業員の様々な嫌がらせに直面しながら、主として黒木瞳氏演じる魔女の弥生の癒やしと助言によって立ち向かっていく物語で、夫のモラルハラスメントに悩む女性の姿が並行したり、恵麻の派遣先で出会った小西真奈美氏演じる理解ある女性上司と後に意気投合する動きもみられる。ただ、途中に出てくる一見頼りになりそうで、だめ男だった平岡祐太氏演じる蓮の役柄が興醒めだった。弥生と恵麻に隠された血縁が明らかになるかと予想されたら、意外な人物との縁故関係が明らかになった。弥生の若い時分の姿は、黒木氏が素のままで演じていると言っても過言ではない。監督が「この映画で魔女さんが恵麻に伝えるメッセージはどんな方にも当てはまります」と言っているように、ありがちな物語ではあるが、香水のメッセージと努力経過が魅力を引き立てているとは思われる。
退席に時間をかけなかったと思われるが、二度目の挨拶回とはいえ、後部座席のかなりの部分が空席だったようである。一週間前の光石研氏の舞台挨拶上映が午後と夜の二回とも満席になっていたのに対して、残念なことである。