魔女の香水のレビュー・感想・評価
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成長の鍵は出会いと自分の中にある
香水との出会いにより人生を生き抜く術を見出す恵麻の成長と、香水を表現手段として人々を励まし続ける弥生が半生を賭して挑む作品作りの物語。
恵麻のサクセスストーリーはやや強引で昔のケータイ小説的なノリを思い出したが、終盤の彼女は自分の言葉でものを伝えることができるようになっており、少し危なっかしいながらも希望が持てる流れだった。
弥生のストーリーは、黒木瞳さんの陰陽の入り混じる表情の力によって短いシーンでも言外に沢山の感情が伝わってきて、ずっしりと重みが感じられた。
恵麻、弥生、舞と、劇中で成長したヒロインたちを「全てを手に入れた成功者」にせず、自分が選んだ仕事をメインに社会と関わり続ける自立したサバイバーにしたのは、こういったジャンルの作品では目新しかった。
「めでたしめでたし」だけで終わらない、まだまだどこかで彼女たちの物語が続くことを想像させるヒロイン像に好感を覚えた。
人生が変わる香りに出会える
わりとマイナーな映画なのかもしれない、と覚悟をしながら行ったけれど面白かったです。真面目に真っ直ぐに生きても損ばかりをしてしまう理不尽な世の中。自分の存在価値を疑いながらも好きなことにまっしぐらの若林恵麻は、職場を変わりながら初めて「天職」を見つけます。「人々を幸せにする香りを見つけていくこと」
香りという映像化できない世界観を1つずつ丁寧に表現していく事でこの映画は成り立ちます。どういう原料で、何を配合して、どんな香りがするか、香りをかぐとどんな気分になるか。香りに人は救われるし、懐かしさを覚えるし、忘れられない思い出にもなる。魔女と言うから魔法めいたお話か?と思ったけれど普通に感動のお話。やっぱり自分の世界を広げるためには周りが出来ないような努力を死ぬ気でしなければ始まらないよなぁ、と思うような納得のセリフがたくさんありました。
俳優さんたちの中に「魔法の絨毯」を歌われている川崎鷹也さんが俳優さんとして出ていました。演技上手だったわ。主題歌も作って歌って、俳優としても出てて、才能多い人で凄いですね。
僕の心は汚くて、スクリーンを観る目は濁っている。きっと。
コンサルあるある、自己啓発、引き寄せの法則などなどが、通奏低音のように気持ち悪く、潜められている。
一見、コンプレックス女子が啓発されて成功していく本筋に、魔女の過去の恋愛記憶が、オリジナル香水の形になって牽引剤となっていく。だが、この香水が自己啓発書の章立てのようになっていて、鳥肌がたつ。
規模的に難しいだろうが4DXで観たくなった
なかなか上映館が少なくて困りました。
黒木瞳で「魔女」と言われたらとりあえず観たくもなります…。
題材的に、キーアイテムである香りをどう表現するのか楽しみにしてました。サウンドが上手く印象を支えており、そこで与える印象を変えることで表現しているのは、とても丁寧に作り込まれているなと感心。
女性が社会で上手く行かず壁に当たるストーリーはよくあるものの、自分自身を変えることに努力するさまはやはりいいものです。
黒木瞳が鑑賞のきっかけでしたが、桜井日奈子の演技が非常に良かった。あの泣きは観客の心をつかむものがあると思います。
結構な良作だと思います。
こういうものこそ4DXやってほしい。
香水の匂いが漂ってきそうなほどでした
映像で匂いを感じさせる作品を初めて観たような気がします。素晴らしい作品でした。
魔女さんを演じた黒木瞳さんの見事な演技に観惚れていたら恵麻ちゃんを演じた桜井日奈子ちゃんもかなりなものでした。
全体的に作品としてのまとまりが良くテンポも絶妙。この手の作品は観せ方が難しいとは思いますが見事な出来映えだと思います。
是非映画館で🎦かなり上映館不足ですが?
70
指南するしないの選択は
魔女と呼ばれる女性と出会うことで人生を見つめ直し前向きに進む女性。その中で出逢う人々との関係を描く。
ただ主人公の選択というより魔女さんの指南により開ける道。そのためレールの上を進んでる様で、なんとなくゆるーい2時間ドラマを見てるようでした。
もう1人、選択により苦しむ女性が出てくるのだがこの女性を出す必要があったのか?また彼女に対してその時々で魔女さんは何をしたのか?は描かない。
攻めの桜井日奈子 「ピンチはチャンス」
香水をテーマにした恵麻(桜井日奈子)の成長物語ですね。現実的には、あそこまで登り詰めるのは容易ではないですが、めちゃくちゃいい話ですね。バックに流れる音楽も高貴で美しいです。
久々に見た桜井日奈子さんの成長ぶりに感嘆しました。演技の幅が広がったように感じました。
泣けるような場面や魔女さん(黒木瞳)の意外な事実も明かされ、大満足の作品でした。
ありがちな物語ではあるが、香水のメッセージと努力経過が魅力を引き立てているとは思われる
主演の黒木瞳氏の舞台挨拶を二列目の席を予約して観る。顔の比率が非常に小さく、斜め上からの照明にために顔に影ができていたのが残念だった。この日二度目の挨拶で、一度目のときの黒い衣装から白い衣装に着替えてきたという。隣席の二人は一度目も観に来たと手を挙げていた。進行役が、どうして肌が綺麗なのかと問うと、洗顔をしていない、化粧水で洗っていて、それは自分も若い頃、年配の先輩から教わってずっとしているという。八女高校で演劇を始めて、八女弁で発声練習をして、宝塚でも関西弁でやっていたので、共通語が身についていないという。八女から毎週薬院近辺に様々なレッスンで通っていたという。売店で準備していた香水が完売されたことを聴き、ネットで買えるのではないかとの黒木氏発言に対して、進行役は、また取り寄せて、観に来てもらいたい、と言っていた。
映画の内容は、桜井日奈子氏演じる派遣従業員の恵麻が、男性正規従業員の様々な嫌がらせに直面しながら、主として黒木瞳氏演じる魔女の弥生の癒やしと助言によって立ち向かっていく物語で、夫のモラルハラスメントに悩む女性の姿が並行したり、恵麻の派遣先で出会った小西真奈美氏演じる理解ある女性上司と後に意気投合する動きもみられる。ただ、途中に出てくる一見頼りになりそうで、だめ男だった平岡祐太氏演じる蓮の役柄が興醒めだった。弥生と恵麻に隠された血縁が明らかになるかと予想されたら、意外な人物との縁故関係が明らかになった。弥生の若い時分の姿は、黒木氏が素のままで演じていると言っても過言ではない。監督が「この映画で魔女さんが恵麻に伝えるメッセージはどんな方にも当てはまります」と言っているように、ありがちな物語ではあるが、香水のメッセージと努力経過が魅力を引き立てているとは思われる。
退席に時間をかけなかったと思われるが、二度目の挨拶回とはいえ、後部座席のかなりの部分が空席だったようである。一週間前の光石研氏の舞台挨拶上映が午後と夜の二回とも満席になっていたのに対して、残念なことである。
色んな出来事が満載で纏まりが無かったけど予想外に泣ける映画。 本年度ベスト級。
桜井日奈子さん目当てで鑑賞。
以前観た間宮祥太朗さんと共演した作品の演技が素晴らしかったけど、本作はそれ以上に良かった!
でも、ちょっと太った?(笑)
彼女が演じる若林。
契約社員で働くものの、理不尽な理由で契約解除の連続。
部下の手柄は上司の手柄みたいな、あるあるシーンもある中、若林が一念発起して行く感じのストーリー。
黒木瞳さん演じる香水店の白石が軸になって進む感じ。
登場人物達が白石のお店に頼って来て成長して行く姿と挫折しそうになる描写が良かった。
若林が自暴自棄になってから成長する姿が良く本作の見所って感じ。
予想外に小西真奈美さんの登場にテンション上がる(笑)
登場直後は悪役だと思ったけどメッチャ素敵なキャラクター。
自分にもサムアップして欲しい(笑)
危険な臭いのするラブストーリーも予想を裏切られた感じに涙か止まらず。
本作の着地点がどこなのか考えながらの鑑賞だったけど、終わってみれば伏線があった事に気が付く(笑)
桜井日奈子さんの演技が期待以上に良かったのが本作の収穫。
香水の臭いを嗅ぐシーンで顔のアップが多目なんだけど美しい。
終盤の思いもよらなかった繋がりは予想外で共感も出来なかっなけど満足度はソコソコって感じ。
本作は渋谷で鑑賞。
鑑賞後、渋谷のスクランブル交差点を歩き、アロマショップから匂う香りを感じながら帰る中、余韻に浸れたのは良かったです( ´∀`)
パフューミーなモルトは大好きです。
仕事にあぶれ夜の街でスカウトにも引っ掛けられなかった女性が、香水屋でお手伝いをすることになり変わって行く話。
魔女さんと呼ばれる女性に導かれ、来店する客と交流し、と成長して…ってえっ?もうやめちゃうの?
そしてまたまた派遣ですか!?
何だか魔女さんにおんぶに抱っこな他力本願を指摘されても理解できていない人をメインに描いていて、まあ今らしいって言えばそうだけど。
この流れにいりますか?な不妊夫婦だったり、そんなに尺使わんでも…な恋愛パートだったりと、魔女さんをみせたいのか、香水をみせたいのか、桜井日奈子をみせたいのか、とっ散らかってますね。
社長の仕事はうんたらかんたら熱弁されても超EASYマネーの虎だったし説得力がありませんよ。
しまいにはどうみても浮気もののクソ野郎の息子に、母親に対して超失礼なセリフ吐かせても感動なんかできませんて。
上っ面だけ見たら良い話しっぽいけど、これはちょっとムリがあるでしょ。
余計な感動みたいなもの排除すればそれなりには面白くなりそうな感じもあったけれど、ちょっと残念。
香りを映画にする難しさ
…香水には
その人が付けていた
香りでその人を思い出したり
懐かしく思ったりすることができます
香水を調合し香水を売るお店の
女主人黒木瞳の美しさに
年齢を感じさせない魅力的な
役がピッタリでした
そして
自分の価値がわからない恵麻役の
桜井日奈子がよかった
香水にもストーリーがあって
その人に合う香水をつくる
どんどんアイデアを出しあって
新たな香水を作り出す
という興味深いものでした
匂いや味などは直接感じることは
できませんが…
料理は見た目で美味しそうに
感じることができます
が・・
匂い香りは見た目は色の違い
だけなのでちょっとわからない
想像を膨らませて…ですね
感情豊かな恵麻役の日奈ちゃんが
とってもよかったです。
やられました。良い意味で。
皆が皆、何かで成功できるわけでもないし、
成功だけが幸福ではないと思いますが、
もうちょっと、自分のやりたい事を頑張ろう、
と思わせてくれる作品でした。
結末はそうくるのか、という感じで良い方の意味で期待を
裏切られました。あんたそこに居たのか、っていう。
なんでもお見通しの魔女さんもそれは見抜けなかったのですね。
最後の香料の一つは「キンモクセイだろう」と
勝手に思ってました(笑)
ただ設定に無理があるような気が、、、。
尊敬するとか言いながら父親が浮気していた点、
息子が父親の前のパートナーを訪ねていた点、
フランス育ちだからということなのでしょうか。
どうやって探し出したんだという点。
あと、中古のバッグ高すぎな件(笑)
(追記:知らなかったのですが、中古のバッグでも本当に高額なものも
あるんですね。驚き!)
残念ながら匂いは分からなかったけれど、
香水とかホットチョコレートとか、
心を落ち着けてくれるものがあるのは大切ですね。
黒木さんはさすがです。桜井さんはどうかなと思ってましたが、
良い演技でした。
見ごたえのある映画でした。
黒木瞳は美魔女
バンケットホールで接客の仕事をしてる派遣社員の若林恵麻は、正社員を目標に頑張っていたのだが、上司が同僚へセクハラをしてるのを目撃し、注意した事で契約解除になってしまった。生きるため、風俗のスカウトに声をかけたところ、魔女と呼ばれる白石弥生の香水店に連れてこられた。香りに興味のある恵麻は、しばらく弥生の店を手伝うことになり、ある日、金木犀の香りのする横山蓮と出会った。数年後、香料会社で働きだした恵麻は、営業先で蓮と再会した。仕事で頑張って自分の香りをお客様で社長の蓮に気に入ってもらえたのに、上司から妬まれ、再びクビになってしまった。その後、弥生のアドバイスで起業するのだが、さてどうなる、という話。
特に秀でた能力も無く、貯蓄もない恵麻が、あんなに簡単に起業できるものかい?って、薄っぺらな作品だなぁ、って感じた。
香水店の店主・弥生役の黒木瞳は、店主役の時は白髪で60〜70代くらいの役だったが、回想シーンで黒髪の20代?を演じてて、さすがの美魔女ぶり発揮で素晴らしかった。恵麻の先輩役の小西真奈美もカッコよくて存在感あって素晴らしかった。
なのに、肝心な恵麻役の桜井日奈子がイモ過ぎた。以前みた、死なない彼女、の時も酷かったが、あれからしばらく経つのにほとんど進歩がない。蓮が死んだ時に泣くなら涙くらい流せよ、なんて思った。なぜ主役級で使ってもらえるのか不思議。
それと、ストーリーが陳腐すぎだった。
6月3週に埋もれた超良作。おすすめ一作(特に女性の方)
今年199本目(合計850本目/今月(2023年6月度)24本目)。
私はどちらかというと高い点数は、どうしてもひいき目があるのかミニシアターで放映される映画につけることがあるように思われるかもしれませんが、ミニシアターであろうがなかろうが、作品としてよいもので、かつ、きちんとした主義主張が感じられる作品についてはどこであろうが(ミニシアターであろうがなかろうが)高く評価しています。
本作品もその一つで、6月3週はマルチバースもの2本あり実質「埋もれた」状態ではありますが、ここ最近で見た映画では飛びぬけてよく、「2023年上半期ベスト10」には来そうな一作品です。
展開としては理不尽な理由で契約解除をされてしまった女性の(元)契約社員の方が、香水という技術、知識を使って自立していき、無事に成功するか…と思いきや、実は彼女をとりまくいろいろな人に秘密があって、その自立(映画内では会社を設立)がどうなるか…という趣旨のストーリーです。
まず、映画のタイトル通り「香水」とあるので、「やや」女性の視聴者の方が有利なのかな、という点は感じられましたが、そこは男女あまり関係がない(ほぼ誤差範囲)と言えます。ここの配慮が感じられたのが一つのグッドポイント。
もう一つは、「理不尽な契約解除は許されるものではない」という労働法規一般についての問題提起が明確に感じられた点で、これ自体は社労士の法律系資格持ちの観点なのだろうとは思いますが、広く浅く扱える行政書士の資格持ちでもこの点は強く評価できます。
※ 映画内では間接的に描かれますが、派遣社員に女性の方が多いというのはリアル日本においてもそうであるため、「男女同権思想」を明確に想定できる描写、言動もあります。ここも極めて評価が高いです。
また、これらの問題提起がはっきりとしているため、無駄なシーンがほぼほぼ存在せず、また、描写飛びや説明不足等から生じる「いきなり何を言い始めるのかよくわからない」という点もまったくありません。今週はどうしてもマルチバースもの2本の勝負(というか、つぶしあいか…?)という要素が強いですが、こちらの作品、半年で200本ほど見るヘビーユーザーの私も納得の一作で超おすすめです。
なお、ストーリー(香水を扱う)展開の都合上、フランス語が突然出てきたり、香水用語(?)が出てきたりという部分は確かにありますが、ここも文句のつけようがないほどしっかり説明があり、これは納得の一作です。
今週はどうしてもマルチバースもの2本の見比べあい合戦になりそうな予感ですが、本映画、特に女性で香水に興味のある方などおすすめです。見た後の「すっきり感」もすっきりしていますし(時々、中途半端に終わってよくわからないという映画もありますので)、気持ちよく映画館を出たいなと思ったらおすすめの一作です。
採点にあたっては下記を考慮した上で、加算減算考慮してフルスコアにしています(ただし、減点要素には注意)。
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(加点3.0/男女同権思想の現れなど)
・ この映画、上記に触れた通り、男女同権思想の考え方がきわめてしっかりしていると同時に、現在リアル日本で問題視されている派遣切り等の問題を「正しく」扱っており(まぁ、契約打ち切りの理由が明確でない等はあるものの、それを言うと映画が始まらない)、これらの点に正面からぶつかった一方、香水文化といった、一般的な知識ではないことを扱った映画として評価できます。
(減点0.6/質屋営業法と古物営業法について)
・ こちらは、どちらも実際問題、行政書士の資格持ちとしては扱う法律ですので、描写不足(やや説明が足りない)は気になったところです。
まず、質屋に関しては、私人間どうしの質入れ行為には民法に「質権」がありますが、これが直接適用されることはほぼなく(純粋たる私人が質入れ行為をすることは通常ない)、通常はこの特別法の質屋営業法が適用されます。
※ この法の前身が「質屋取締法」で、これが出たのが「銀河鉄道の父」です。
ただ、映画の中ではもう使わなくなった「あるもの」を質屋に入れているシーンが見られますが、そうなりますと「古物営業法」の規制も受けます(つまり、質屋の中で実質古物買い取りも行う、という行為がその規制を受けます)。通常の質屋は両方の規制の元で、一般的な「質屋」だけの営業を行っていることも少なく(いわゆる質物の管理が面倒なので、買い取ったほうが早いという経営上の実際上の問題による)、この場合、古物営業法の規制も受けます。
ただ、映画内の描写は不足しており、どちらの法も弱者保護の観点(質屋に何かを質入れするというのは、一般的にはやはり見られませんので、どうしても顧客が弱者側になることが多いのです)と、「犯罪にかかわったような(主に盗品等)、捜査上勝手に取引されてしまうと困る」という理由からの「差止め」(質屋に流質などさせず保存を命ずるもの。古物営業法にも同趣旨規定あり)が主に規定されており、どちらの描写も不足しているのが、やや残念に思いました。
※ また、この2つは根拠法が違いますので、質屋営業法「のみ」で質屋を経営している方が古物買い取りができるわけではなく(逆も同じ)、この点の説明不足(エンディングロールに一言ほしかった…)は、まぁ行政書士の資格持ちは気にするのかもしれませんが、ちょっと残念なところです。
※ なお、「古物営業法」は、いわゆるゲームショップの「ゲーム買取」や「カードゲームのカード買い取り」などにも適用されるので、実はこちらのほうが身近です。
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