君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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「宣伝なしでも伝わる価値」
スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「宣伝しない」と宣言し、宮崎駿監督はその言葉に驚いたことでしょう。私もこの決定には、はっとさせられました。そんな宮崎監督の一途な姿勢から生み出される素晴らしい作品が、なんの告知もなしに世界に届くなんて、考えただけで興奮します。
辞書で「興行」を調べると、それは観客を集め、料金を取って演劇、音楽、映画、相撲、見世物などを開催することを指しました。だからこそ、我々は映画を作る前から期待感を抱き、その映画が何を伝えようとしているのかについて予想をたてたりして楽しめる訳です。
ある意味‥まったく違う期待感を胸に、私はこの休日、朝一番で映画館に足を運び、10年ぶりとなるジブリの新作、「君たちはどう生きるか」を観ました。その映画を観て、宮崎監督の作品はやはり素晴らしいと再確認しました(ネタは、バラしませんよ)(笑)。これは絶対に映画館で見るべき作品です!
宮崎監督のように、私も年を重ねて世に豊かな感性を伝える作品を生み出したいと心から思いました。
ジブリの世界と鳥が好きな人におすすめ
宮崎駿を楽しむ
宮崎駿の好きが詰まった作品
宮崎駿監督は、起承転結のあるお話なんて、もう描きたくないのだそうです。
自分の作品の大衆性が低くなっていることは、自覚しておられるのです。
もう晩年です。好きなように描いたことがわかり、胸に迫ります。
(同時にこれまでの作品がやはり受けを意識して成功しているというすごさがわかります)
見ているだけで楽しいアニメーションは健在です。
素晴らしい映像でした。笑いどころもいくつもありました。(インコww!)
本当に、新作が見れたというだけで幸せです。
そこまで興味ない方も、米津玄師の曲を映画館に聞きに行くだけで、価値があると思います。
集大成
盛り上がりに欠ける・・・・
ジブリという箱庭でこう生きたのか
自分は高畑勲が少し好きなので冒頭で、おお!?となった。
全体的に見ても高畑オマージュ部分の力の入れようは一線を画するものだったと思う。
受けた衝撃を作画に表したのだとすれば、やはりいつまでも宮崎駿の中での高畑勲は特別なんだなと思えて嬉しかった。
それ以降はもう、そういう視点でしか映画を見れなくて、この人物は宮崎駿本人で、これは鈴木敏夫っぽく見えるな。あれって…もしかして俺ら(視聴者)のことか?この子は息子、ワンチャン庵野かもな?笑
というふうに辿って見てたら最後笑ってしまった。
自分はジブリをそこまで詳しく知っているわけではないのでその程度だったが、ずっと追い続けてる人ならもっと深掘り出来るんじゃないかと思った。
一族の私的な大冒険
先週公開された映画「君たちはどう生きるか」を鑑賞した。10年前に引退した宮崎駿が82歳になって製作した本作は、宣伝を一切行わないという宣伝を行ったため、自分は吉野源三郎の同名小説が原作と勘違いしていた。
吉野源三郎の小説は中学1年の時、地元の学習塾で小説家崩れの講師からプレゼントされ、夢中で読んだ記憶がある。あれから間も無く40年。映画はコペル君と叔父さんの交換日記ではなく、監督お得意の冒険ファンタジーだった。
宮崎駿が人生の最晩年に何を考え何を表現するのか、それはそれで興味深い。年寄りばかりが登場し躍動する本作は、過去の作品のオマージュと言うかパロディと言うか、集大成的な構成ではあるものの、次世代へバトンを託す意欲は感じられた。
また、舞台を戦中に設定しているが政治的・社会的な問題には踏み込まず、広大な宇宙空間や生命の死と再生を描きつつも、一族の私的な大冒険が最終的には子孫繁栄に収斂されているのも印象的である。
映画の評判は芳しくないようで「訳が分からない」とのコメントが目立つ。確かに訳が分からない。しかし、理解の容易な作品が好まれる昨今、あえて突っ込み所が多く、多角的で自由勝手な解釈を可能にしつつも、言わんとしている事は伝わる。
だから、自分は楽しめた。そして、これで終わりじゃないだろう。
宮崎駿らしさを楽しむ映画
ヘイお待ち!「駿の性癖詰合せ」だよ!
公開早々に周囲の知人友人諸々が観に行った!!との事だったのでネタバレ踏まないうちに焦って観に行きました!
率直に言って、かなり好きな作品になりそうです。
(と、言いつつ幼少期以来ずっとナウシカ、ラピュタ、紅の豚からランキングが塗り変わる事は無いのですが…。)
ただ、初見、予備知識無しでの直後の感想として、
(同僚に鳥がめっちゃ出てくる…とは言われた。確かに。めっちゃ出てきた…。)
宮崎駿やりたい放題!駿の「好き(性癖)」を詰め込んで作りました!元ネタは古事記だよ!!!
…なのかな?と思った次第です。
お母さんが亡くなったと思ったらお父ちゃんがお母さんの妹をいつの間にか後妻に据えて、あまつさえ既にご懐妊とは…いくら時代として珍しくは無いとはいえ、そりゃモニョるわよねぇ眞人君。。。
そして夏子さんだって明るく振舞ったところで、何も感じない訳でもなし。
(しかも妊娠中期~で体調もメンタルも不安定…。)
お母様のご実家はかなりの大きいお家(地主?)の様ですし、元々何かのお血筋だったのかな?など妄想を膨らませつつ…、
(駿さん母を神聖化させがち。)
塔の中で落とされた世界は「根の国」かな?
石の入口は死者の国…黄泉の国…って事は、夏子さんは天の岩戸に籠った伊邪那美神?
迎えに行く眞人君は伊邪那岐神?いや、失敗してたけどお父さんかな?
まぁ、配役的には叔父様が大国主神だろうから…って事は葦原中国を譲りたいので眞人君は邇邇芸命?「国譲り」のお話かな?
などなどなどなど…ひたすら連想に連想を重ねて忙しかったので、よくよく考えたらストーリーが好きと言うよりは、作中に出て来るシーンやモチーフを愉しく、忙しく、目ん玉ガン開きで追っ掛けていた気がします(苦笑)
今後、有識者達の考察を読みつつ、もう1回位は落ち着いて腰を据えて鑑賞したいです。
まぁ、なんにせよ知識と教養がある方がエンタメもより愉しい!って事だな。
たとえそれが偏ったオタク知識でも…。
(「すずめの戸締り」然り)
7/26追記⬇
本作に直接関わる追記では無いけれど、上記に書いた「知識と教養」と他の方の様々なレビュー(感想)を読んで。
「知識と教養」というのは所謂「賢さ」に根ざすものでは無くて…「センサー」みたいな物だと私は思っていて。
そのセンサー(ろ過装置だったり、リトマス試験紙だったり、エコーかもしれないけど)そういった色々なものを幅広く検知出来る機能が知識であり教養なのかなと。
だからどっち側(右左上下…)により感度の良いセンサーを持ってるかによって、みんな捉え方や分析・解析結果が違う。
何を見聴きしてどう感じるかは、結局自分というろ過装置に掛けてみたら何が検知されたか(もしくは何も検知されなかった)って事だと思ってる。
王道ジブリ作品
宮崎駿の期待に応えられなかった我々
悲しい。ごめん。私たちは間違っていた。
宮崎駿は、人の良心というか、悪意に犯されていない意志があることを信じていたし、愛し慈しんでいた。けれど奪いあい貶めあう酷すぎる社会、ますます酷くなっていくこの社会にあって、絶望の底にいる。
空から突如として飛来し、誕生した塔。その中は全く別の時空間となっており、天国、地獄、あの世、彼岸、ニライカナイ、何とでも呼んでいい場所で、死んだ人も生まれる前の命もいる。何より、この酷すぎる現世とは異なる、ここではないどこかである。大叔父様として登場する宮崎駿は、そこが尊い場所であると悟り、すぐに保護した。そして現世を見限った宮崎駿は、広い集めたほんの少しのきれいな石=悪意に犯されてはいない石を積み上げ、世界とした。現世とは関わりを断った場所で積み木をして何十年、年老いた自分に代わり積み木をしてくれる(美しい心だけの世界を継続していってくれる)人を見出だし、あとを託そうとした。
しかし若き眞人は、自分は悪意を知っている、自分はあとを継ぐことはできない、と断る。墓石を墓石と見分けられるような目を持った君ならできる、と食い下がるが、結局短期なインコの王の癇癪によってジブリは、間違えた、異世界は崩壊してしまう。そしてそれが戦前の話であり、宮崎駿が青年期以降生きた戦後から今の時代は、実はすでに素晴らしきもの=美しい心の世界は崩壊していたんだ…
宮崎駿の孤独を埋められるような、同じ世界で会話ができるような人間はついに現れませんでした。彼は伝統とも血統とも何の関係もなく、落雷のように飛来して、美しい心を慈しむという活動を続けてきた。彼の世界を構成するエネルギーは、宇宙からやってきた謎の高エネルギー岩石。結局誰とも繋がれず、後にも遺せず、宮崎駿の活動はいずれ喪われていくのでしょう。
現世のシーンなんて、ホントにちょっとでしたね。酷くて醜いだけのこの世界なんて見たくも描きたくもないのかも知れない。
不甲斐なくてみっともない我々に怒ってくれていた時代もあったんでしょうが、今はただ空しい悲しみとともに死を思っているのでしょうか。
彼に希望や期待を持たせて送ることはできそうにもない。ごめん。ほんとにごめんなさい。宮崎駿。
終わった。
とにかく最後まで観て!
ジブリ版不思議の国のアリス
考察厨に見て欲しい
かなり色んなことを考えさせられる作品だと思うのですが、難しいという感想だけで終わるのは余りにも悲しいので、人生で初めて映画のレビューを書きます。出来れば、最後まで読んでいただきたいです。
この映画の主題は、人間がやっていることを動物(インコ)がやっていると怖いと感じることの人間側の矛盾、おかしさだと考えました。
人間は鳥や動物に対して本能で生きていて言語も火も使えないという点で人間のほうが上だと考えています。けれど、鳥が喋れたら?道具も火も使えたら?人間が動物にしているように相手も道具(包丁)を持って集団で取り囲み、自分の食欲を満たそうとしてきたらどうでしょうか。人間は、恐ろしい、怖いと感じるでしょう。でも、人間がこれまでやってきて、これからもやって生きていく事です。この映画を観て、鳥が怖くなったという人、たぶん毎日肉を食べていると思いますが、自分のことは怖いと思わないのですか。漁師さんや、養豚場の人には怖いと感じるのでしょうか。「お腹に子供がいるから食べない」と言ったインコの方がまだ優しいと思います。だって、人間は卵も食べていますし、食べるためだけに育てていますから。
他にも、食物連鎖についても描かれていました。誰かの味方をしようとしても、相手にも相応の理由があるので、どちらか一方の意見だけ聞いて味方をするのは良くないという事を観ながら考えていました。
最後に、私も世界を作りたいと思ったし、一瞬出てくる怪我を負っているペリカンが好きです。
大好きな宮崎駿へ、愛をこめて。
我々は映画を観るのではない。宮崎駿を観に来たのだ
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