君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
全1246件中、21~40件目を表示
宮﨑さんの妄想は楽しい
以前、ふた回りほど歳の若い人たちと一緒に絵画制作の仕事をすることがあったが、彼ら・彼女たちは口を揃えて「宮﨑駿の作品に影響を受けて育った」と語っていた。
僕ももちろん宮﨑さんの作品はいろいろと鑑賞したが、正直イマイチぴんとこなかった。そこまで評価されるものなのかな? と。
けれど、今回この作品を観て、――僕の鑑賞力が向上したのだろうか?――その偉大さが少しはわかってきたような気がした。
今回もジジイの、いや失礼、宮﨑監督の長大な妄想に2時間つき合ったわけだが、べつに不快でもなければ、苦痛でもなかった。
むしろ面白かった。ハッキリいって、何を表現したいのかよくわからない映画だったが、観ていて楽しかった。なにがいいたいのかわからなくても、観ていて面白ければそれでいいのだ。
吉野源三郎の著作がどれほどこの映画と関連しているのか、読んでいないのでよくわからないけれど、混沌とした物語の世界でじゅうぶんに遊ばせてもらった(なんか疲れたけど)。
それにしても毎日こんなことばかり考えて、よく頭がおかしくならないなぁ。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀 「ジブリと宮﨑駿の2399日」』でも、そういうことに少し触れていたように記憶しているけれど、なるほど、「あっちの世界」に行っちゃったら戻ってくるのが大変だろうなと思う。それから、ものを作るニンゲンはやっぱり面倒くさい人が多いな、という感想も番組を見て抱きました。
宮﨑作品におけるドロドログチャグチャの表現は、彼らの内面のあらわれでもあるのかな?
まわりの大人たちが優しく見守り褒める映画
ジブリファンとしてはぜひ観たいなーと思いながらも映画館で見る機会を逃し、ようやく鑑賞。
終わったあとに『やっちまったなあ』と笑うしかなかった。
突き詰めた結果、変な境地に到達してしまったと思いました。
眠くはない!
すごく考えながら観させられるから。
ただ、全力で丸投げしてくる。
『俺の人生(作品)はこうだけど、君たちはどう生きるか?(解釈してくれんの?)』
…と。
結果、観てる途中で、わたしの感情は以下に寄り始める。
『これは考えたら負けな作品だ』。
『なんか分かんないけど、感じとけばイイやつだ』。
そして、この感情を覆してくれるようなさらに強烈なメッセージをもしかしたら最後の最後に突きつけてくれるのかもしれない…
そんなことを思いながら見続けた結果、無事に何事もなく、想定内の最後を迎える。
つまんないとは思わない。
ただ、ズルイと思う。
例えば、
3歳の愛娘が
自由な感性で作った作品を、
まわりの大人たちが
『これはなんの絵だろうね〜。アリさんかな〜?えへへ。
なんかよく分かんないけど、○○ちゃんが作ったんだよね〜
可愛いねーすごいねー』
って口々に言ってる光景が…。
作った人がだれであるかを問わず、
少年(監督)のそのありのままの感性を
純粋に楽しめる人の為の
いわゆる芸術寄りの映画だなという印象でした。
『これはこういうことでしょ』っていちいち意味づけせずに、あの表現を楽しむものかなと。
ただ、それがズルイ。
この作品を、
他人の子ども(ジブリ以外)が作ってたら…
宮崎駿が作ったと言わなかったら、
宮崎駿の生き様を知らない人が観たら、
ジブリ作品だと言わなかったら(映像で分かりますが)、
…それこそ『君たちはどう思うか?』っていう。
わたし自身はそのレベルの高尚な芸術感性は持ち合わせておらず、
ズルイなーという感想が強く残るものでした。
過去に観た宮崎作品の中で一番面白い
宮崎駿監督の作品はあまり好みではないので観ていない作品もいくつかある。宮崎監督本人が語っているように彼の作品は基本的に「大人の鑑賞に耐えうる子ども映画」である。つまり、あまり面白くないのだ。大人がテレビの子ども番組を観ても面白くないように。
だからなのか、おそらく過去一番評価の低い本作に興味が湧いた。
そして、一部の人は最高傑作だとも言う。
結論からいえば、宮崎監督の作品で初めて「面白い」と感じながら観ることができた。
実際は、物語のまとめに入る終盤に少々飽きてしまったけれど、それでも自分が観たことのある宮崎作品の中でベストだったのは間違いない。
過去のジブリ作品や、「美女と野獣」「白雪姫」などのディズニー作品を想起させるような仕掛けの連続は、ストーリーテリングだけに依存しない、イマジネーションへの刺激に満ちた「映画」だった。
思い返せば、宮崎監督の過去の作品の多くは、アドベンチャー的な高揚感と、裏にちょこっと存在するテーマで構成されたものだった。
しかし本作は、宮崎作品の核ともいえるアドベンチャー的な高揚感を極力抑えているのだから、過去作のようなものを期待していた人たちにとっては駄作以外の何者でもないだろう。
逆に私のように過去作が好みではない者や、「大人の鑑賞に耐えうる子ども映画」から卒業しかけている人にとって最高傑作となるのも頷ける。
なぜならこの作品は「子どもの鑑賞に耐えうる大人映画」だったからだ。
かなり抽象的
公開当時、宮崎駿監督作品としては
かなり否定的な意見が多かったので観に行かなかった。
実際観てみたら、何故そういう意見が多かったのか分かった。
台詞も少なめで、かなり抽象的かつ哲学的な作品だった。
エンターティーメント性が乏しいので、
ライト層には響かなかったのだろう。
1度観ただけでは到底理解不可能だろう。
何度も繰り返し観て、自分なりの考察をしていくタイプの作品。
改めて宮崎駿の凄さを感じたのは、アニメーションの動き!
繊細かつ跳躍感があり、正確な動きの表現!
今のアニメーションと比べて観ると比べ物にならない!
本当に素晴らしい表現力!
宮崎駿監督の偉大さを再認識出来ました。
宮崎監督の頑固さの極み
正直意味不明で支離滅裂。
訳分からない夢を見た感じ。
鑑賞中に寝てしまったかと思った。
『風立ちぬ』鑑賞時も主役の声優の配役や効果音を人の声にした事でも感じたが、お金を払って観に来る観客の事を考えてるのか疑問に思う。
映画は芸術的な側面もあると思うがエンターテイメントである以上お客さんあっての物だと思う。
ジブリの看板で一部の映画通の人達だけが満足できる作品を作るのは青サギだ!
観客が製作者に寄り添うのは違う気がする。
自己満足な作品を作った上にキムタクや菅田将暉やあいみょんを起用して客集めもするのはちょっと違う気がするし、作中のシーンも過去作で観た事ある表現も多く、新鮮さも感じられなかった。
初心に立ち返ってもっとシンプルなエンターテイメント作品を作って欲しい。
宮崎駿なき世界をどう生きるか
令和6年7月3日に映像ソフト発売との事なので記念に書きます。
私は去年劇場で観てきました。
個人的には、もう活劇を撮らないならいいか…と、「もののけ姫」を最後に宮崎監督作品から離れていましたが、それでも今回劇場へ足を運んだのは、往年のプロレスラーかロックバンド並に引退と復帰を繰り返す監督のいよいよ本当の最後かも知れないと思ったからです。
映画は只々宮崎監督の衰えを感じて切なくなるものでした。そんな事は分かりきっていたじゃないか、それを覚悟のうえで看取るつもりで観にきたのだろうと自分に言い聞かせても、やはり溢れ出る「詰まらない」という感情。
導入部の母との死別、どこか軽薄でデリカシーに欠ける父や新しい母との距離感の描き方は流石という感じですが、疎開先の屋敷に何か人に対して意思が有りそうな青サギや大叔父が建てたという塔が出てきた時点で、あぁ異世界へ迷い込む話かと察しがつきます。
ところが異世界へ迷い込むまでにやたらと時間を掛けるのです。もうこっちは察しているのに、いつまで経っても行ったり来たりを繰り返して焦らします。そしてその焦らしが面白さに繋がっているように感じられないのです。
そしてようやく異世界へ行ったら行ったで、そこで描かれる殺風景でどこかで見た様なモチーフだらけの異世界の魅力に乏しいことと言ったらありません。
この作品を機に未鑑賞の宮崎駿監督作品を鑑賞していきました。特に「千と千尋の神隠し」は異世界に迷い込んだ少女がそこでの経験を経て少し成長する物語として、本作とも類似しています。こちらはとにかく腰が抜けるほど面白かったです。冒頭の掴みから異世界へ迷い込むまでのテンポの良さ、異世界とそこでの暮らしの魅力は本作とは雲泥の差ではありませんか!
ファンの中には今作と宮崎監督の少年時代のエピソードやスタジオジブリ内の事情等を照らして、私小説的な作品として評価している人もいる様ですし、作品のそういう楽しみ方があるのも分かります。しかしそういう予備知識のない、物語の上辺だけをすくう人でも楽しませる映画を作れたのが往年の宮崎駿だったんじゃないのか!?と思うとやはり淋しいのです。
ただ今回一番面白かったのは監督が次回作に意欲を示しているという報道が出た事。真偽は定かではありませんが、これまで残してきた作品で既に十二分に楽しませてくれた方なので、今後いかなる駄作を撮ったところで許されるはずです。我々はただ天才の所業を震えて傍観するのみ!
何より私は宮崎駿監督なき後の世界を生きる覚悟がまだできていません。例え誰にも理解できなくても妥協なき作品を完成させてくれる事を期待しています!!
見てはいけない他人の夢
よく分かりません
さすが宮崎駿
うーむ、難しい
宮崎ワールド
全1246件中、21~40件目を表示