君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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面白い
冒頭から塔に潜り込むあたりまでは全てのシーンが、一瞬たりとも目を離せないテンションの高い描写で、見ていて魂を丸ごと持っていかれる感じだった。
しかしそのあと、肝心の異世界に行ってからが乗り切れなかった。凄すぎるアニメーションクオリティだし、部分的にグッとくる展開もあったが、なんとなく主人公と一緒に推移を冷静に見守るような、妙な感触が最後までずっと続いた。
印象深いのはやはり鳥たちで、ペリカンがカワイイ奴らをパックマンみたいに捕食するところとか、インコ軍団の無表情で怖い感じとかがとても良かった。人間型キャラについては「ハウル」以降の宮崎作品では、あまり強い魅力を感じることがなくなった。今回もお婆ちゃん達だけ素晴らしかったが、それだけだった。
君たちはどう生きるか。
君たちはどう生きるか
なぜ鳥がこんなにたくさん、出てくるのだろうと思った。
鳥は神の使いといわれ、だから鳥なのかもしれない。
しかしこの作品に出る鳥は阿呆で無知で野蛮だ。これは即ち人間を宮崎駿が揶揄したモノでは。
大叔父様は、神様で、神が統治して来た世界を鳥の王、即ち人間が破壊してしまう。
大叔父の後継ぎを眞人がするか、この世に戻るかを選択するのだが。その時大叔父が世界は統治が歪んでからは火の海であろう。と言う。なんと悍ましい発言なんだろう。それでも眞人はこの世で友と家族と生きることを選ぶ。
きっとこの件は、これからを生きる子どもたちへのメッセージなのだと思った。
それからヒミは卑弥呼とかけているのかと思ったし、なつこがあの世に止まると言ったのは眞人でなく自分と生まれてくる子が盾になるという決心に思えた。
そして7人のババたちは白雪姫の小人を彷彿させたし、青鷺が嘘つきなのは人間がそうだからだ。
とにかくたくさんメッセージがあって。
私たち大人は、どう生きるか。
私たちの子どもは、どう生きるか。
それを考えるには、十二分に重厚な作品です。
学校で見させてあげてほしい。
それから、女性も印象的に出ていて、この作品に出る女性は、みな強く何かを背負いそれでも気高く生きていて、子も生み、何かを守るために生きている。
君たちはどう生きるか。
そこにも現代を生きる私たち、これからを生きる子どもたちへのメッセージを感じた。
アカデミー賞は功労賞、ハッキリ判んだね。
面白いシーンのパッチワークで「面白い」と錯覚
がっかり
熱量に圧倒される
恥ずかしながらジブリ作品を映画館で初鑑賞。昔は金曜ロードショー頼り、紅の豚より後はテレビですら観ていないものだらけだ。しかし今回は、ジブリらしからぬタイトルとアカデミー賞授賞という話題に押されて映画館で鑑賞した。
スクリーンで観るとやっぱり映画の凄さを感じる。冒頭の火事のシーン。炎の迫力や主人公の必死さはテレビではこれほどには伝わらないだろう。
観ていて気付いたのは、過去の作品群を彷彿とさせる様々なシーン。これまで、こういうシーンは無かった気がする。まるでこれが集大成であるといわんばかり。
母親を亡くした主人公、母の妹が父の再婚相手としていきなり現れる。自分と周囲の時間の流れの違いや、母の面影のある再婚相手への複雑な感情に内心戸惑う主人公。しかし、表情を崩すこと無く姿勢は正しく、所作にも子供っぽさがない。だらしないところを見せて母のせいにされるのを恐れているのか、甘えられる相手がいないのか。
そんな彼が父の愛を試すように、自らの頭を傷つけるシーンは観ていて辛い。本の中に母の筆跡を見つけて泣く姿、ヒミの焼いたパンを美味しそうに頬張る姿には目頭が熱くなった。
世間だけでなく自身の内面すらも理不尽で残酷な面がある。それでも、状況を受け入れて留まる事無く手足を動かして前に進む事で、状況が動き見えてくることがある。小賢しく生きようとせず、そうした泥臭い経験をもっと積めと言われている気がする。
『君たちはどう生きるか』というタイトルは、自分の人生に対する覚悟はあるのかという世間への問いであろう。今の世の中に対して抱えている怒りをエネルギーにしつつ、希望という自分のエゴを作品にする宮崎駿の創作に対する熱量に圧倒された作品だった。
アオサギ、特殊詐欺、フィッシングサギ
久しぶりの映画館鑑賞となりました。映画館は北陸初のIMAXシアターも増え、各スクリーンの扉も新しくなっていた・・・まるで別世界に迷い込んでしまった感覚に陥りましたが、映画そのものも別世界に。所々宮崎駿作品らしいというか、過去作へのセルフオマージュを散りばめられたような映像・演出部分(特に湯バーバ)にほっこり。ちいかわまで登場・・・笑笑
アオサギ、ペリカン、インコという鳥の世界。神隠しに遭った少女といい、生と死の狭間を彷徨う姿が生き方を問うかのような不可思議な感覚にさせてくれた。特に積み木なんてアイテムが考えさせられるのです。
ただ、ストーリーはキリコとヒミが現われた時点で読めてしまうのが残念なところでもあるし、グロテスクさも現実と不思議世界の対比で中途半端になってる気がしました。ドロドロの血とこぼれそうなジャムの色が似通っていたりして・・・
久しぶりの宮崎作品を観ただけで涙を流してしまいましたが、冒頭の火災シーンで輪島の朝市通りを思い出したり、キリコ(能登の祭りの切籠)やヒミ(氷見市)という名前が追い打ちをかけてきました。さらには落ちてきた塔とかで震災を思い出さずにはいられなかった。公開当時に観ていればそんな感情は湧かなかっただろうに・・・
戦争を扱った部分はあったけど、悲惨な被害は敢えて(?)描かず、少年眞人の複雑な感情中心だったと感じた。叔母さんからお母さんへと変化する夏子への想い。火災で死ぬことがわかっていても生きることの意味。もしかして大空襲や原爆被害についても予知していたかのような眞人の表情が気になるところ。なにしろ大伯父の顔がアインシュタインに似ていたし・・・
気持ちが溢れ出ました
とにかく心をまっさらにして宮﨑駿監督のアニメを楽しもうと事前情報を入れずに鑑賞。ロングラン上映に感謝!尚且つアカデミー賞のおかげで昼間の時間帯に観れました。
問答無用で宮﨑駿監督の描く風や光の描写、どこか懐かしい田舎の風景がとても好きで、登場人物の美しさ、細やかな表情や所作、可愛らしいキャラクター、やはり終始魅了されっぱなしでした。
これまでのジブリ作品のオマージュも散りばめられてて、これは宮﨑駿監督の集大成なんだと胸が熱くなりました。
エンドロールはシンプルだけど、作品中のシーンを思い出しながら「地球儀」が心に沁みて胸がいっぱいになりました。やっぱりすばらしい!大好きな映画がまた一つ増えました。
かしこすぎた男の生涯
ファンタジーなSFと感じた。
不思議な隕石の力で
世界を構築する術を得た男が
世界の複雑さを最期は理解して
やがて自滅を選ぶ。
若い頃、
世界の複雑さを汚れと感じ
美しい世界を
平等な世界を目指すことが
人々にとっての幸せだと
熱にうなされることもあるかもしれない。
不思議な隕石の力で
それを試みる機会を得た。
かしこすぎた故に
理想は実現可能だと
燃えた。
しかし
たかだか一人の妄想力には限界があり
もはや世界のバランスを取れなくなった。
この期に及んで、かしこすぎた男は
後継に純粋無垢さを求めたが
その少年は、
皮肉なことに
その妄想の世界で
現実を学び、
自らの卑怯さを自覚し
純粋無垢ではないと
継ぐことを拒んだ。
妄想の国の大王が継げるわけもなく
大王の稚拙な行動により
世界は崩壊、
少年は現実に帰っていく。
世界は複雑なのだ。
だから面白く美しい。
一生懸命に生きよう
時間が合わなくて見れていなかったのだけれど、アカデミー賞の影響で上映が続いていたので遅ればせながら鑑賞しました。
なるほど、この内容だと評価が分かれるのも納得です。
「誰でも、人生には現世を嫌悪したい時もあり、そういう時に逃げ場を求めたくなる時もある。でも結局は現世で一生懸命に生きていくしかないのだよ」ということ。それが、流されるままに鑑賞した私の感じたことです。でもこの映画から感じることに正解はないように思います。
おそらく、この映画は「絵画」や「ダンス」を見るように感じるままに見てくれと、そういうことを映画全体で表現しているのだと思います。そこには論理とか辻褄のようなものがありません。私は肯定的にとらえましたが否定的な受け取りをする方もいるはずです。ですから、評価も分かれて当然。表現者「宮崎駿」ここにありですね。
この世は一つであることを連想させる作品!
この作品は、宮崎監督の中にある創造の炎が散りばめられていて、見応えがとてもありました。とはいえ、私たちの生きている3次元の世界では、少々ストーリー無視なところがあるかもしれません。それでもあらすじはあります。少年の母が亡くなり、家族が引っ越して、父がその母の妹と結婚します。引っ越しした屋敷の周辺で、少年が青鷺に導かれ地獄と天国の世界を冒険するというものです。それでもかなりの抽象度ですから、見る人によってはまごつくのでしょう。それが、この作品の評価を下げているような気がします。地獄の世界、天国の世界、現実の世界を行き来する登場人物たちを見ていると、それぞれの主張が勝手に動いて言っているのですから、分離感は否めません。それでもジブリファンにとっては、10年ぶりの宮崎監督作品ですから、それぞれのシーンにリスペクトを感じないはずがありません。七人の使用人のお婆さんたちの動きを見ていると、かつてのジブリ作品を彷彿とさせてくれます。また、人間が現実世界に生まれる途中で、ペリカンが食べてしまって生まれないというシーンは、魂を食べているようで怖い表現だと思いました。さらに、主人公の少年に世界平和を託す異世界を創造する大叔父のセリフもかなり唐突ですが、監督の世界観の必然的な表現なのでしょう。海外でどうして高い評価なのかを考えますと、宮崎監督のこれまでの実績なのだと思います。あと、この作品にしかけられた東洋思想的(仏教)な生死感の秀逸さなのかもしれません。いずれにしても、宮崎監督の世界観をダイジェストで見ているような感覚に、感謝しかありませんでした。
集大成?
やはり難しかった...けれど
表情豊かなファンタジーアニメーション映画
ほとんど前情報無しで見に行きました。同名小説は読んでないので関連性のほどはわかりません。
基本的には表情豊かなアニメーションを楽しむ映画だと思いました。正直、物語としての完全さよりも作者が書きたいシーン(アニメーション)を優先して詰め混んだような印象があるので、その辺りで評価が分かれてしまってるのかなと思います。
よくわからない話だったみたいな前評判も見かけましたが、個人的には登場人物の心情が分からないということは少なくともなく、素直に解釈できる物語だったと思います。
一つ一つのシーンやキャラクターをなにかのメタファーだと考え始めると一貫した解釈が得られずに困惑すると思うので、素朴にファンタジー冒険譚として見るのがちょうどよい映画だと思いました。
「君たちはどう生きるか」
宮崎駿ワールドの爆発!
戦時中とは言え
母を亡くして、その母の妹と直ぐに結婚する父親。その妹のお腹に赤ちゃんがいて、困惑する息子に、能天気そう(に見える)父親。そこに反発を感じつつ現実を受け入れる少年。戦時中とは言え、この設定は納得いかない。痛みとしか感じない。
映像は期待していたほど感動的では無かったと思う。人物と背景の質感の違う絵と、屋敷のお手伝いさんたちがなんであんなに大勢いるのかとか、主人公の少年や父親などにくらべて、大きくデフォルメされて千と千尋の湯婆婆の系統のおばあちゃまばかり…そこに何か意味があるのかと思ったけれど、最後までその意味はわからなかった。
そして、なぜ幻想の世界に生きるのが鳥たちだったのかも、よくわからなかった。鳥が平和の象徴だから?それくらいしか思い当たらない。アオサギは良いとしても、インコはあまりにマンガチックでアタマが悪そうで、本物の賢いインコに申し訳ないと思わせるキャラ設定。
大変申し訳ないけれど、アカデミー賞はもっと以前の作品で貰っておくべきだったと思ってしまいました。
ちなみに、お隣のおばさまは寝ていました…分からなくもない…
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