君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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今この映画を見ることができる幸運
日本人でよかった、と思えるのはどんな時だろう?
この映画を見て、日本人で本当によかったと、自分は思った。
言葉もそうだし、下地になっている歴史も、描かれている時代の空気も、そしてそれが今この現在の日本に向けて作られたのだという、その感覚も、ダイレクトに感じることができるから。
なんて幸運なことだろう。
なんかこう、こんな映画が作られるまで、生きててよかった。
内容は、とても説明できる気がしないし、見てない人に言葉で語っても無駄かもしれないと思う。
ファンタジーといえばファンタジーだけど、イメージが氾濫しているというか、普通にストーリーが展開していく感じではないので、ともすると行き先がわからずにイメージの中に溺れてしまいそうになるかも。。
ただそこで、主人公眞人のあの強い目が、あの視線が、我々を物語の先に連れていってくれる。
タイトルになっている「君たちはどう生きるか」の本とは、少し世間にも流れている情報のとおり、全く関係がないです。
ただ、本を読んだ人はそう感じるのではないかと思うけど、心に伝わってくる感じ、雰囲気は、よく似ているところがあるように思う。
これは、このわけのわからない時代に、まっとうな心で生きていくための道標のようなものを、しなやかに、したたかに示してくれる映画だと思います。
世界中のどこにも、歴史上のどこにもない、そして生涯二度と見ることのできないような、傑作かと思います。
日本人として、この国に生きて、今この映画を見れて、良かった。
考えさせられる?
考えさせられるような…意味深い作品なような…
映画に何かしらのメッセージを!っと思っているのか…
とにかく、自分には合わず、分からず、最初から最後まで「で?」「だから?」「は?」っといった言葉が頭の中を駆け巡っていました。
理解しようと集中して観ても、やはり理解できず、申し訳ないけれど退屈で睡魔に襲われ時間が過ぎ去るのを待ったというような映画でした。
ポニョで観た、老人ホームのおばあちゃん達?観たことがあるような似たようなキャラ…今までの作品を思い起こさせるのが狙い?なのでしょうか。
世の中や、自身を取り巻く環境の変化、様々な出来事から色々な葛藤があるのは、主人公を誰にしたとてあるでしょう…
それをあえてこの世界観で現代の人達に感じとってもらおうとしているのか?
変に小難しくする必要性はないように思います。もっとシンプルに、単純明快なストーリーにしてくれた方が変な謎のようなモノや疑問が残らず、鑑賞後スッキリできたでしょうに…。
「受け取り手によって、様々な捉え方がある」っというような「深い」「伝えたいことがある!」みたいに作らなくても映画は良いのに…。
ラピュタ、千と千尋、あの頃が好きでしたが、久しぶりの作品に期待してしまったのが失敗でした。
自分では理解できなかったことは、他の方の考察や感想を読ませていただこうと思います。
衰えを感じる
すごく面白かった。宮崎駿の新作が観られて本当によかった。
ただ残念ながら、あまり感動はなかった。
宮崎駿の無限の想像力には圧倒されるが、一本の作品としてはわかりにくかったりメッセージが伝わりにくいように思う。
天才宮崎駿とはいえ86歳の高齢、2時間の長編をまとめ上げる集中力や構成力が続かなかったのではないか。
とは言いつつ宮崎駿作品が観られて最高に幸せだし、映画でこんなにドキドキしたのはかなり久しぶりだった。
不思議なキャラとストーリー展開だが、嫌いではない
個人的にジブリ作品(特に宮崎駿監督作品)は好き嫌いが激しくなってしまう。好きだったのは昔の映画ばかり。最近はほとんどが好きになれなかった。「風立ちぬ」もそう。でも震災のシーンだけは印象に残っている。宮崎駿が大地震を描くとこうなるんだ!的な新鮮さがあった。
本作も序盤の火事のシーンが印象的。ジブリ作品でこんなシーン観たことない(詳しくないから正確ではないけど…)。なんか、新しい取り組みに見えて、年取ってもチャレンジ精神溢れてて宮崎駿やるな!って思ってしまった。
その後、東京を離れてからは一気にファンタジーに。不思議なキャラに不思議なストーリー展開。これは人を楽しませようとするエンタメ作品というより、監督の頭の中を映像化したとても内省的な作品に見えてしまった。でも、個人的に印象はそんなに悪くない。一人の少年の成長物語として観ることができたから。
ただ、色々と理解ができないことがたくさんあって戸惑う。最後も眞人が忘れてしまったのか、義母に生まれた子どもは実母と関係あるのか?ハッキリさせてくれなかった。さらに声の演技が明らかにひどい役もあったのは残念。いや、これはいままでのジブリ作品でもひどかったから通常運転と言えるけど。
これで宮崎駿監督が引退か。若干物足りないが、「風立ちぬ」で終わるよりはよかったんじゃないかなとは思う。
理解できた上でお金返して欲しい
ジブリ、宮崎駿、これらのワードを取り除いて映画と向き合っていただきたい。いったい、これ、何が面白いの。面白くないよなって話題にするために、俺はお金を支払ったのか…逆であってほしかった。とにかく不快。
世論への考え→①理解できるできないで面白いは決まるのは確実。こうやって話題にでてるわけだし。決まらないならまず論争にならない。②想像する、自分なりの解釈ができる映画→別にどの映画でもそうですけど?なんか"特別"が強くて笑える。③これはアート→知らんがな。こちとら総合芸術見に来てるんすけど。美術館でやってくれ〜。
ただ前情報なしで映画鑑賞できたのはよかった。でもそれは、この映画じゃなくてもできることだな。
子供向けではありません。
タイトル通り、お話の導入までの下積みが長く、またキャラクターや背景をそのまま受け取れないハイコンテクストな作品ですので、子供向けではありませんでした。
少なくとも、寝る前に読み聞かせていた絵本を勝手に読み進めてしまうとか、小説や物語を貪るように読むような子でないと厳しいと思います。
以下、ネタバレを含みます。
初見なのでキャラクターや背景が何を表しているのか、まだ掴めていない部分もありますが、少なくとも大叔父は宮崎駿自身で、隕石は想像力、積み木は宮崎駿自身が作り上げてきた映画、もしくはスタジオジブリではないかと思います。
塔の中の世界は宮崎さん自身(大叔父)がかつて美しいと感じて取り入れた物(海、帆船、鳥たち、魚たち、青鷺、ヒミ、キリコなど)を表しており、時間が経つにつれて自分の悪意や美意識と現実の捩れの影響を得てしまうのではないか、と解釈しました。
キリコは大叔父が見染めたんでしょうか、可愛らしい上等な(奉公に来る女の子には買えない)ワンピースが吊るされているそうです。
キリコやヒミが成長していないところを見ると、一度塔の中に取り込まれるとイメージ体だけが塔の中の世界を保つために取り残されるのかな、という風に考えています。
さらに言うと、本体が再度取り込まれるとイメージ体の、大叔父が美しいと感じ時の姿のまま動くことになるのではないか?とも思いました。
ラストで母であるヒミとキリコが元の時代に戻っていくシーンが?でしたが、本体がイメージ体として動いているので、本体を取り込んだ時期に戻してやらないと戻れないのだと思います。
インコ人間が楽園のセキセイインコを見て「ご先祖様」と言っていましたが、楽園が世界を生み出す場所なのだとしたら、世界はイメージ体が解き放たれる場所なのでしょうか。
青鷺はどういう存在なのか、インコたちは何を表しているのかなど、疑問が尽きませんので、もう一回見てこようと思います。
映画における要素の重要性
一切の情報を明かさず公開して賛否両論が渦巻く中での鑑賞。
物語は眞人という少年が地獄に迷い込む話、みたいなのが簡潔な物語のあらすじだ。
全て観て、大変驚いた。
伏線を全て回収せずに謎を謎のまま終わらせたのだ。
よく映画の中には「これはあなた達が考えて下さい」と投げ、皆が考察するみたいなものがあるが、これはマジで何にも言いようがない。
いろんな魅力的なキャラもいる。
だが、物語としてあまりにも破綻しすぎている。
これに★5を付ける人は、ジブリと宮崎駿というブランドを過大評価しただけだと思う。
しかし衝動的な感覚だけかもしれないので、今の状態ではこの評価。
難しい。
はいぃ?
つまらなくは無かった気がする。
が、サッパリ意味がわからない。
解らない事が多すぎて、何が解らないのかも解らなくなってきた。
とりあえず、タイトルに何の意味があるのか?
ラストはあんな終わり方? バッサリズッパシぶった切られたけどあのラストは唖然としたよ。 エンドロール後に何かあるのかと思ったよ。
絵はとても綺麗だった。さすがのクオリティ。 でもファンタジー世界で少年少女の冒険物語が観たかったな。
ヒミが可愛かったよ。
とにかく頭の中は『?』だらけです。
事前情報非公開は正しかったと思う。
観終わってこの作品だからこそ、一切の前情報を非公開としたのは正しかったと思いました。
適切な宣伝の伝え方も難しいなと感じることもそうですが、この作品は前情報がないフラットな状態で観るべきだと思います。
スタジオジブリの作品だからこんな感じだろうというような先入観も持たず、宮崎駿監督の一つの作品として、正面から作品を観るべきです。
(まぁそもそもの話、宮崎駿監督の近年の傾向から単純な冒険活劇が繰り広げられるような作品が出てくるとは考えない方が良いと思います。)
スタジオジブリの主な作品を観ている方は、是非一度観ていただくと良いと思います。
私は、面白い云々の前に観て損はなかったかなぁと思いました。
【最後に一言】
思ったより飲みやすい宮崎駿監督の原液だなぁと思わせて来るのは、監督流石だなぁと思いましたまる。
ただただ素晴らしい
予備知識なく観たが、評価が分かれるという噂だけ聞いていた。観てみて、いや、これは素晴らしい作品。宮崎アニメの創造性の極地。うれしくてニヤニヤがとまらない、あっという間の時間だった。宮崎駿の遊び心と毒々しさがふんだんに詰め込まれた、宮崎駿ぶっちぎり映画。宮崎駿の創造力を全身で体感できたことに感激している。
【生と死】【あの世とこの世】壮大な宇宙観の物語
◎ストーリー
戦時中、母を火災で亡くし、父の再婚を機に2人で継母・夏子の実家でもある立派な屋敷で暮らすことになる。ここは母の生まれ育った屋敷でもあった。真人が屋敷にやってきた時から不思議な出来事が度々起きるようになる。ある日、夏子が敷地内の森の中から帰って来なくなった。真人は、アオサギの仕業だと感じ、夏子の大叔父が建てたと言われる敷地内の不気味な塔に入り、夏子を探しに行く──。
その塔はあらゆる世界、宇宙を繋ぐ不思議な塔で、そこから真人の摩訶不思議な冒険が始まる。
◎感想
死の世界、動物との共存などのテーマを散りばめた宮崎駿らしい作品である。『千と千尋の物語』をはじめ、他の宮崎駿作品とも通ずるところが……。時間を忘れて夢中で見てしまった。だけど、見終わった後の余韻や高揚感は、過去作品と比べると劣る気がする。今作の評価が分かれる理由の一つに、スピリチュアル要素が大きく関係しているのではないだろうか。スピリチュアルや輪廻転生、あの世この世の話が嫌いな人にとっては、訳の分からん物語、あるいは白けてしまうかもしれない。だけど私のように、目に見えない世界を信じている人、興味関心のある人にとっては、とてもワクワクする世界観になっている。
そして、“君たちはどう生きるか”。
これからの未来を生きる若者へ──。というタイトルには、世界は君たちの手によって作られていくというメッセージが。平和な世界にするのも、不安定な世界にすることも君たちの手にかかっているのだと。
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⭐️⭐️以下ネタバレのレビューと考察⭐️⭐️
義母の夏子と真人の実の母は姉妹だったということだろうねど、真人にとっては複雑だっただろう……。
黄泉の国で出会う、火を魔法を使う女の子は実の母がの幼い頃の姿だったということか……!?
真人の窮地に彼女が現れ真人を助ける。そして、最後のシーンのセリフではハッキリとそのことを口にしている。
キリコさんはあの仕様人のお婆さんの生まれ変わる前の姿?
白いモフモフした物体(名前なんだっけ?)が、これから生を受ける人たちというのもなんだか感慨深い。
ちょっと謎が多かったり、話の筋が合わないことも多かったので★4つですが、それでも宮崎氏の強いメッセージ性を感じました。
美しさと汚さ
賛否あるけど、僕は感動しました!孤高の天才作家、宮崎駿監督の思考やイマジネーションそのものを覗き見ることができたんだから。封切り前からシークレットにされてきた内容は語れないけど、最後の作品にふさわしい秀作でした。
多分主人公は宮崎駿そのもので、彼の生み出す幻想のパワーが見事に映像化されている。ワンシーン・ワンショットに全知全能を傾けた、アートディレクションは美しく楽しい。宮崎ワールドを堪能しましたよ。エンドロールの声優陣に驚くから、お楽しみに。
映画作品で描いてきた様々な美しさの裏には、汚さがある。そんな悪意を排除せず、あえて描くことが最終章の目的だったのでしょうか。
君たちはどう生きるか?「僕は最後に自分が作りたいものを自由に作ったよ。」そんなほくそ笑む宮崎駿監督の気持ちが響いてきました。だから酷評もザマアミロなのかもね。僕もそんな粋な姿勢を見習いたい。宮崎駿さん、忘れられない素敵な作品の数々をありがとう。
ラストメッセージ
今伝えなければならない想いを最後に全部詰め込んでくれた。
そのメッセージをどれだけ受け止められるかで評価が分かれる作品。
まだまだ描きたい、伝えたい事がある中で抗えない老い。後継者の難しさ。残る世界の危うさへの不安。現実問題をも投影した宮崎駿の集大成としては最高傑作だと個人的には感じました。
印象的だったのは鳥たちの描き方。
欲を持てば人間のように醜くなり飛ぶことも出来ない。元の姿になれば自由に空を飛べるが糞を撒き散らす。
美しさと汚れと儚さこそが生命。
生命への畏敬の念が宮崎駿作品全体のテーマだった気がします。
終盤のセリフと描写には宮崎駿の想いが詰まっています。
主題歌も良かったです。
もう彼の作品が見れないと思うと切なくて自然と涙が出ます。
想いを引き継いで行きましょう、皆で
まるでわかりませんでした
今作、まるでわかりませんでした。
前半と後半でまるで別の映画のよう。
アニメーションがヌルヌル動くのはさすが。映像表現が進化しています。
しかし、内容がとにかくわからない。同じファンタジーでも千と千尋の神隠しのようなわかりやすさがありません。
わからないので評価は星3つとしました。
皆様のレビューどおり?
本日、ようやく観賞しました。
賛否両論…それもなるほど。
訳わからん…ふむふむ…集大成とも書かれてましたね。
宮崎監督は何を描きたかったのか、何を伝えたかったのか。
これまでの作品中で気に入ったところとか描ききれなかったところとかを盛り込んだ?オマージュを感じる部分がたくさんありました。
で、君たちはどう生きるか…と我々に問いかけているのか…
いろいろ不思議な内容が始めからてんこ盛りで、後にどう繋がって行くのかと首を傾げてたらエンディングでした。
個人的な感想は…難しいですね。
理由は監督の思い?が私には理解出来ませんでした。結果、不完全燃焼
ストーリーもキャラクタ関係もわかるんですが…なぜにここでこのキャラクタなのか?
いろんなキャラクタがワラワラ出てくるのは千と千尋の神隠しの八百万の神々みたいなんですが、表情はまるでポニョのキャラ!
う〜ん…なんと言ったらいいのやら
これが完成形なんでしょうか、監督!
ジャムパンのシーンに感じ入った。
宮崎駿監督は、ちゃんと汚いものは汚く、臭いものは臭く描くのが好きですね。千と千尋の神隠しに近いがあれほどエンタメしてなくてメッセージ性が強いと思います。
眞人は自傷も厭わないし、自分を汚物で汚すことも厭わない、あるいは何者かを殺傷することも厭わない。それだけ母の死が大きく自分をないがしろにした自暴自棄。
夏子は夏子で眞人の最も信頼ある人物、彼の父の様に裕福さや安心の暮らしを眞人にアピールして受け入れられたいのに、そもそも眞人は母そっくりな姿で現れた挙げ句父の様に振る舞い、母の愛した男と愛し合う夏子に心を開けない。
眞人には自分がやってる事への罪悪感が確かにあるのに意固地で表に出せない。これ見よがしに自傷して父に甘えても夏子は拒絶する。戦時中にしてはあり得ない位恵まれた生活を送れているのにそれも態度で反発する食事シーン。それでも眞人と何とか分かり合いたい夏子への酷いお見舞い。そこに垣間見える子供の未熟さ。
その結果として、あの世界に閉じ籠った夏子の吐き出した本音は眞人が初めて生で触れた己の罪深さそのもの。ここではまだ罪悪感や贖罪から夏子を母と叫ぶ。夏子は大人で、眞人へ酷い本音をぶつけた自分に思わずハッとして、何とか弱った心で姉の声に応えようとするところが私は好きですね。
あの世界で、人に助けられなければまともに生きることも出来ない眞人が己の小ささを思い知りながら周囲の人達の愛に気付きながら、自分を破壊して再誕させる物語に感じられました。夏子も眞人とは違う形で自身を再誕させている。
あの汚ならしいジャムパンの食べ方、母を相手に子供の純真な幼さがよみがえったんでしょうね。それにあの時、我が子へ口を拭うものを母が差し出してました。あれは眞人と夏子への愛に溢れるシーンなんだと思ってます。
あれ最後のシーンで夏子も眞人もインコの糞まみれになったのに、次の瞬間顔がキレイだったのは、母の愛と同じく拭ったんですよ、母から貰った愛を同じく母である夏子に返した事で親子になれたシーン。ここに生きてたシーンだと勝手に思ってます、あの汚ならしいジャムパンのシーンw
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