君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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描写は賞賛、企画はやや不足
日本公開時には、内容がまったくわからずレビューは酷評ばかり。とゆう事で観るに及ばすでした。御多分に洩れず受賞理由を知りたくて観るはこびです。
よく出来てます。内容は好みで別れるところでしょう。宮崎駿監督作品で私の好みは、未来少年コナンや天空の城ラピュタです。なので今作はまあまあ中の上。まさに世界観の話。マトリックスとか。なぜ?を言い出したらキリがないので割愛。描写、表現は、いつも通り宮崎駿ここにありでした。わたしのようなSF好きからすると、プロットに新しさを感じない。展開にうねるようなダイナミックさが無い。などおもに企画、ストーリー的にやや不足でした。描写も慣れちゃったんでしょうね、宮崎駿テクニックに。つねに進化をつづけないと。
どう受け取るかは自由だけれど、かなり強烈な内容です。
アニメ業界に生きるクリエイターへ向けて、業界への痛烈な批判とともに、これからどう生きるのかを問うた、かなり強烈な作品だと思います。
若きクリエイターの卵であるワラワラは、同時に素晴らしい作品のアイデアの卵でもあり、大切に育てないと巣立っていけない、まだまだか弱い存在。
先人の作品からの影響でこの業界に入ってきたペリカンは、自分では食べる術がなく、望まないにしても、これから巣立とうとする汚れのないワラワラを食い物にするしか生きていくことができず、高くも飛べず、別の世界に行こうとしても戻ってきてしまい、いつしか遠くに飛ぶことさえも忘れてしまった悲しき業界の人々。
ボツになったアイデアやネームの墓場に群がり、ずる賢く自分は矢面に立たず、騒ぎ立て、誰か(眞人)を押し付け焚きつけ、無理矢理扉を開かせ、それに近づこうとする。
大半の人は生ける屍の、ただこの業界で働くだけの存在となり、眞人が礼をすれば、生気なく礼を返す、毒にも薬にもならない存在で、自分たちでは稼ぐことができないので、人が獲ってきた獲物の分前を静かに待っている。
規律正しく、団体行動もできる礼儀正しいインコは社会人の見本のような存在だが、迷いのない瞳で、自分たちの行いに一切の疑いを持たず、実社会では見かけよろしく糞を撒き散らし、この世界では、食べていくことが正義で、常に刃物を持ち、人を傷つけ飯の種にすることしか考えていない。
こんなアニメ業界で、君たちはどう生きていくのかと。
本来なら、夢や希望を与えるアニメーションを作る現場が、夢ある人を食い物にし、やる気のない人が蔓延し、作る人への批判や中傷が公然と許され、己が正義かのような振る舞いをし、平気でモノ作りの現場に土足で踏み入る、そんな悪意に満ちた世界で、どう生きるのか。
自分たちが去し後、この悪意に満ちた世界を、誰が立て直してくれるのか。
児童文学を愛し、わかりやすい、商業的な作品を作り続けた宮崎駿が、これまでの説明的な手法を一切排除し作り上げた、広告業界、制作現場、マスコミを含めたアニメ業界全体への警鐘なのでしょう。
自伝、自叙伝を文章ではなく、アニメーターらしくアニメーションで、業界への痛烈な批判とともに、自らの功罪をも認め、人間の強さや優しさ、弱さや狡さを描き続けた、宮崎駿の業界への思いの丈をぶちまけた、最後のメッセージに相応しい作品だと思います。
事前広告も、ポスターのみの特殊なマーケティングだと言われていますが、一般の人に向けたメッセージではないので、そうしなかっただけでしょう。
もう二度と映画を作ることはないのでしょうね。。
いや、それとも、石をひとつポケットに入れているというのは、まだアイデアがあるという暗示なのでしょうか。。
題名が全て、そこに尽きる。
アカデミー賞受賞と知り、久しぶりに映画館へ足を運びました。ジブリ作品は元々好きだが、大人になり仕事をし、手軽にサブスクで何となく面白そうな作品をダラダラ見る毎日を過ごす中。そういえば、映画を観る機会も減ったと感じた今日この頃。
予備知識ほぼ無し、少しの好奇心と観た後に何かを変えてくれるような期待の中いざ映画館へ向かう。
まず結論から言うと、明日にでもまた観たいと思える作品でした。考えが止まらないと言いますか。人生観にクリティカルヒットしました。
戦時中、幼い主人公が母親との死別から始まりますが、これはズルイですよ。
ええ、勿論すぐ泣きましたよね。(こういうの弱い人はハンカチ必須ですね)
とにかく、どのシーンで泣いたのかなんて覚えてないくらい何度も泣いてしまいました。
私的に印象深いシーンは、大お爺様の諦めの入った老人特有の瞳の色。(なんでやねんって聞こえる笑笑)
老ペリカンの瞳のドロっとした暗さ。
いやいや、人生って瞳に出るんですよね。ほんと。それが伝わるくらい描かれていると思いました。
あとは、母親の病院が燃えてると聞いた後の主人公が階段を降りる姿。もう、感情が先につっ走ってますよね。激しさだけで泣けましたよ。
炎の中走る姿は胸がギュッと締め付けられて苦しかったです。ハァハァ‥。
キリコが船で帆を操る躍動感も何故か印象に残ってます。最後の波?を越えたら静かになるよっていうキリコのセリフは、まるで人生を例えるかのような哲学的なものを連想しました。
主人公が父親の工場で作った特攻機のガラス枠?を見た時に、綺麗だと言ったセリフは恐ろしかったです。
石で頭を傷つけて親を動かし、登校拒否を叶える最短ルートを導き出せる子なので、理解した上での綺麗だという発言でしょう。
そして、色んな葛藤や矛盾が集約された瞬間が、夏子さんに大嫌いだと言われた時の主人公の気持ち。爆発的なあの一瞬で、頭の中で色んなことが巡って巡ってたどり着いたのが、お母さんという言葉。
すごいよ、少年。大きな壁を乗り越えたのね。私はまいったよ。
ああ、思い出したらキリがないくらい色々考えさせられる部分があって楽しいです。
そして、この映画で一番好きなところは、悪役がただの悪役じゃない所ですね。
人間の善悪、矛盾、多面性のあるキャラクターが本当に良かった。
特に、狡猾で傲慢で少しひん曲がっていて、臆病で少し抜けてて泥臭く、根は優しいけど現実的、お調子者で自由に生きている青サギがなんだかんだ1番魅力的だと思いました。
下の世界の住人なのか現実世界の住人なのか?
一見、綺麗な青サギかと思いきや、グロテスクな生き物に変貌し、曖昧で奇妙でなんとも不思議な生物。
でもそれは、私たち人間の事なのかもしれないですね。
主人公が現実世界へ戻って来て、向こうの世界の石を持っていたから記憶が残っていた。
でもいずれは忘れてしまうだろう。という最後の青サギのセリフが尾を引きます。
辛い事も良いことも、いずれは記憶が薄れて忘れていく。
心が引き裂かれるようなトラウマや過去の栄光が忘れられなく執着していると前には決して進めない。
そうして忘れられるからこそ人は前に進んでいける。
いずれは誰もが必ず辿り着く死へと続く道へ歩みを進めていく。
その死を迎えるまでに、私たちはどう生きるのか?
仕事と家事の繰り返しで変わり映えのしない日々。危機感のない贅沢な暮らしを貪っている日々。どうにかせんとなぁ。
少し考えたら気持ちがピシャンとなったような気が。
題名の通り考えさせられました。
また考察とかも色々巡って更に考えてみます。
宮崎駿監督、本当にありがとうございました。
ようやく鑑賞。映画館で観れてよかったー
アカデミー賞、長編アニメーション部門をあの、アクロスザスパイダーバースと一緒にノミネートされて受賞という大快挙。観るタイミングを逃していたが、再上映で最良の環境で鑑賞出来るチャンス。という事でようやく鑑賞。最初から最後までジブリ、宮崎駿祭りでとても楽しかったしワクワクした。コレを映画館で観れる幸せ。途中、置いてけぼりになってしまった箇所が何箇所かあったが総じて大満足。やはり宮崎駿の描く絵、描く世界は唯一無二なのだなーっと嬉しいやら誇らしいやら寂しいやらで最後のエンドクレジット、手書きで書かれた関係者達の名前の最後、宮崎駿 の名前を見た瞬間に落涙。一人の日本人が作った偉大な作品達の最期を見せて貰った様な気がした。この作品は何度も観てあーだこーだと好きもの同士で好き放題に語り合いたい。正直。スパイダーバース越えは無理だろ。っと思っていたがコレはコレはなかなか。凄く良い!アカデミー賞受賞も頷ける怪作、良作、感動作品でございました。そして鳥映画でもありました。インコ、キモかわー!
宮崎駿の集大成に思えます。
「よく分からなかった」という感想が多かったので、理解できるか少し不安だったのですが、結論から言うと私にとっては本当に素晴らしい作品でした。
観終わったあと、感情が昂っているうちに書き留めておこうと書きなぐった文なので、おかしなところがあったら申し訳ありません…💦
もし、真人が後任になっていたら
もしかしたらもっと平和で、良い世界だったのかもしれない。
けれど、真人はあえて元の世界で、「この世界」の「自分」が変えていくことを選んだ。
「真人」は「わたしたち」なのだと思う。私たちは、どう生きるか。そういう問いかけであり、次世代への宮崎駿なりのバトンなんじゃないかと感じた。
真人の世界(私たちの世界)は残酷で、辛い世界だけれど、真人自身が変えていこうと願った世界。
結局、誰かの力で世界が全て平和になるわけがなかった。真人と、私と、世界の全員とで頑張っていかなきゃならない。
世界のバランスを保つ『軸』は消えてしまったけど、それが無くても、どうしたって世界は存在してしまうのだ。だから、私たちが、「自分たちの手で」変えていかなきゃいけない、そういう映画なのではないだろうか。
構成についても。
最初は真人があまり喋らなくて、どこか浮世離れした世界に感じられたけど、どんどん真人が喋りだし、正体不明だった謎のアオサギも実は小物なオジサン(笑)だった事がわかり、何を考えているのかよく分からなかった夏子さんの本心も物語が進む事に判明した。
どんどん(段階的に)現実として考えられるようになってきて、最後はかなり真人に対して感情移入していた。すごい構成力だ。
別世界の物語が、どんどん現実世界の物語になっていった。だんだんと「私たちの物語」になっていくのが凄いと思う。
本当に、これが宮崎駿。宮崎駿感しかない映画だったなあと思います。
確かに、難しい部分や、「え?あれ、どうなったの?!」という所がいくつかありましたが、元々ジブリ作品はそういった難しい表現が多いので、私は深読みの材料として受け取りました。
本当に素晴らしかった。個人的にみんなにオススメしたい作品の上位でした。
は?
早く帰りたかったぐらいつまらない。
ストーリーのない映画程つまらないものはない。
今までのキャラクターや背景などを自己満足で幕内弁当的に入れ込んだだけのもの。
これやりたかったの?
図鑑的に自身のスキルを残したかっただけじゃないのか?誰が止めないといけなかったと思う。
もともとストーリーはないが、更にあちこち飛んでしまうところが息子さんのごろうさんの影響を感じる。
正直よく分からなかったが、紛れもない宮崎アニメ。
正真正銘、宮崎駿の最後の長編アニメだと思い
オスカーを獲ったこのタイミングで
ようやく鑑賞してみた。
同じような人が多いのか、
公開からかなり経つにも関わらず
朝イチでそこそこ席が埋まっていた。
内容については全く知らないままだったので
果たしてどう言うものか期待していだが・・
正直に言うと最初から最後まで話が
よく読めなかった。
私の読解力や感受性が足りないのか。
鑑賞直後も頭には「・・で?」と
ハテナが浮かんでいる。
どうにもモヤモヤ感が抜けない。
どなたかの考察で、
これは宮崎駿の世界を表しもの。
自分が今まで作ってきた世界の終わり。
積み木の数は今までの作品数。
息子には跡を継がず自由にと。
この世界を終わらせたくないインコの王(鈴木P)が
世界の再構築を試みるも崩壊(ジブリの終焉)
・・と言うものがあって、
なるほど腑に落ちた感じもする。
これは宮崎駿の自伝なのだ。
自分が描きたいように描いているので
他人が理解できるようなものではない。
ましてや商業的に売ってやろうと言う
つもりは毛頭ないのだろう。
アカデミー賞はもちろんすごいけど、
手放しに面白かったとは言えない。
それを言っている人は
ものすごく深く物事を見ることができる人か、
よく分からん高級な食べ物を褒めちぎるような
食通ぶった感じの人だろう。
・・と、いろいろ書いてみたが、
映像や演出についてはこれまでの宮崎映画の
まさに集大成といった感じで素晴らしかった。
人物や背景、小物の動きや表現一つ一つに
細かい演出がなされ既視感を覚える。
これぞ宮崎アニメだと思う。
今、この時代にラピュタやもののけ姫を
このクオリティで描けたらさぞすごい映画に
なるだろう。
主題歌の米津玄師「地球儀」は
とても良い歌だった。
それことドラえもんの映画のエンディングにでも
流れたら、多分涙腺崩壊する楽曲だった。
しかし、今作では終始「?」で感情移入が
全くできなかったので、ただのいい歌だなぁ
といった感じだった。もったいない。
子どもの頃から成長と共に宮崎アニメに
慣れ親しんできた。
好きな作品はそれことセリフを暗記しているくらい。
それが、本当に最後かと思うと
寂しいものはある。
宮崎監督には「今までありがとうございます」
そして「お疲れ様でした」と言いたい。
美しい
これまでとは異質な作品に感じた。淡い泡沫の夢の様な流れに、鋭く生々しい痛みが時折混じる。内包する暗さ・闇があり、長男を亡くした私の心が共鳴して、いつしか静かに泣いていた。そして慰めを得た。魂は巡る。美しい作品だった。受賞おめでとうございます
宮崎駿
この映画を見終えてまず初めに思ったことがあった、
どこか懐かしいと、そう思えたのは過去作品のノスタルジーに起因するようだ、過去作を鑑賞しないとこの気持ちは分かり合えないかもしれない、ラピュタ・もののけ姫・ナウシカ・火垂るの墓などの面影を感じ取れた気がした、
きっとこれこそが宮崎駿の作品だと、
誠に申し訳ないのだが、私は気持ちを言葉にするのが苦手なので、この文章も何が言いたいのかわからないと思う、
ただ一つだけ言えるのはこの「君たちはどう生きるか」は
宮崎駿自身の世界であり同時に私達の世界でもある
そう感じた
彼の世界を感じた 彼を感じた 世界が彼だ 彼が世界だ
この先この作品は見るたびに問うてくるだろう
君たちはどういきるかと‥君たちの世界はどうだと‥
その度に私は思う私はこう生きたと
『ナウシカ』漫画版をじっくり読んで、宮崎駿が描きたかった世界をよ...
『ナウシカ』漫画版をじっくり読んで、宮崎駿が描きたかった世界をよく知っている人なら、この映画も スっと理解できる。楽しめる。単に起承転結がハッキリした「売れるジブリ映画」を好んできた人なら、「もう結構!」となるだろう。
死生観、ヒトと動植物・モノとの関係、人間の深層心理、空や異世界への憧れ…。そういった宮崎駿がモチーフとしてきた世界を、思う存分、描ききった、という点で『ナウシカ』漫画版に通じるものがとても多かった。
今まで、時間の制約、「売れなきゃ、話題にならなきゃ」という制約、お金の制約などに振り回されてきたのに、鈴木さんに「いくら時間かけてもいいよ」と言われて作れた作品。逆に、宮崎さんが不安になって鈴木さんの予定より早くできたらしい。
アニメに全く詳しくないこちらにも「このアニメは手間かかってんだろうなー、フツーは作れないな」と思わせる映像の数々。それだけでも見る価値アリ
新しい扉を開いた作品
まずは宮崎駿監督、枯れたと思っていてごめんなさい。
正直、創る力が衰えているし評価が割れている点もあって微妙な作品だろうなと決め付けていました。全く期待していなかったです。
が、良い意味で裏切られ、改めて創作者として尊敬しました。
映像表現は現代風になりましたね。新しいクリエイターの力だと思いますが、面白い見せ方が多くて感動を覚えました。
シナリオ構成、時代が昭和初期と言うことで近代の価値観に染まっている頭の硬い方は唐突な展開になんでこうなるの??と置いてけぼりにされそうだなと言う印象を受けました。
柔軟に受け取って自分なりに咀嚼して味わえる方には堪らない逸品かと思います。
久しぶりに繰り返して鑑賞したいと思える作品でした。
亡き高畑監督も喜ばれていると思います。
音楽の久石さんはポニョあたりから個を消して作品に沿うような音作りを意識されてるような印象なのですが、今作も音楽が主役を取るようなシーンが無かったと思います。
個人的にはもののけ姫のような久石節の効いた音楽をもう一度、作品に落とし込んで欲しいなと思いましたが作品に馴染んで溶け込んだ音楽も良いですね。
宮崎監督のご年齢的に次の作品が作り切れるのか不安もありますが、ぜひ新作を作って頂きたいし観てみたいと思いました。
よくわからん
事前にストーリーが難解だという情報だけを知った状態で観に行った。
自分は理解できる側の人間だと思っていたが、残念ながら違った。
よくわからなかった。
観終わってからしばらくはこの映画のことを考えてしまった。
観て良かったと思う。
考え方次第で星1にも星5にも評価できる作品だと思う。
映画の内容は置いておいて、宮崎駿が他人を気にしずに自分の描きたい映画を作った事実があるだけで正直満足。
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