君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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簡単につまらないと決めないで〜なぜ鳥か?
レビューの評価が分かれているが、つまらないと簡単に決めないで、私なりの考察を読んでほしいです。
なぜアオサギなのか?
アオサギは西洋で「見ると縁起が良い鳥」とされており その理由は、古代ヨーロッパでフェニックスの由来となる鳥「ベヌウ」とされており、神様のように崇拝されていたから。とある。
片や日本では、青鷺の習性には、真夜中に上空を飛びながら、不穏な絶叫を木霊させているイメージ、他にも浮世絵にも青鷺が妖怪のごとく描かれているとある。
住んでいる国、欧米、と日本では真逆のような意味をしているのだ。その象徴としてのアオサギ。
そして、アオサギには、スピリチュアル的には自立心という意味があり、誰かを頼ったり、依存したりせずに、自分の足で自分の人生を歩いていきなさいという意味を持っていて、もしアオサギに急に出会ったら、誰かの言葉に翻弄されることなく自分が信じた道を進んでいこうというメッセージが込められている、という。
まさに宮崎駿が伝えたい事のひとつがここにあると推察する。
そしてなぜインコなのか?
東京では昔ペットとして飼っていたインコが逃げ出し繁殖して、日本の古来種の鳥達を脅かしている。
ジブリのアトリエの小金井界隈はまさにそうで、インコは無責任な人間によって逃げ出し繁殖した外来種であると言う事。
そしてヨーロッパではローマ時代にすでにペットとして飼育されたことが記録されているとある。
インコは何を意味するのか?
インコ は欧米人、又は西洋化した日本人を意味すると考察、
そのインコを支配するインコ王は?
インコは、西洋では貴族が飼っていたと考えると?
最後にインコの糞をかけられ笑っているシーンがあるが、これの意味することは?
石は西洋、木は日本の象徴だとしたら。
宮崎駿は敗戦した戦後の日本を総括したい、そして、どっぷり西洋化した今の日本を、外国に飲み込まれていることすら気づいていない日本人に、このままでいいのか、君たちはどう生きるのか?と問うていると考えたなら…。
この映画は何重にもメッセージが込められていて、私はまだまだ理解できてないけれど、
宮崎駿は1人でも多くの日本人にこれからの日本のことを考えてほしいと思っているんじゃないかな。
ぜんぶが眞人
また一つの世界で眞人が成長していくのではなく、もう一つの世界そのものが眞人で、成長の過程は個人の中で何度でも訪れて、過ぎ去りて思い出せないだけで、忘れてしまったわけではない。
ということかと思いましたので、もう一回見てみたいと思いました。
あれは宮崎駿作品とは言え無い
世界観や、あらすじ、登場人物の背景は宮崎駿が作ったんでしょう。でも、作品全体をまとめあげる作業はしてないと感じました。人物の表情が死んでるのはあらすじからその場にふさわしい表情を読みとる想像力が欠けてるからでしょう。パンにジャムを塗り過ぎるのは良い食事が何か知らないからでしょう。美味しいと台詞を吐き、美味しそうに食べない。口の周りにジャムを付けすぎてあまつさえそれを拭き取った。相手が母と知って思春期の少年があんなハグをするのか?継母はあんな矢を射れる判断力や経験があったのか?何故あの世界を知っていたのか、何故帰りたく無いと言ったのか、何故妊婦は無条件に保護されるのか、門の先には何があったのか、巨大な船は遺体を埋葬出来るほど土の層があったのか、婆の人形、キリコは持ち込まれたから、いいとして、他の婆の人形はどこから調達したのか、数えるのが難しいほど納得出来ないまとまりの無い行動、回収されない伏線を残した。
宮崎駿は昔、「嘘のレベル感」と言う話をした。(殴って血を吹いても、次のカットで全快出来るギャグマンガであるとか。)あの世界の嘘のレベル感は、塔の中と外で分けられているかと思ったが、蛙の大量発生や人語を話してしまう青サギなどで十分に分けられていない。
鉄則や、大事にして来た丁寧な仕事を投げ出し、過去作から劣化流用した表現が散見される本作が宮崎駿本人の作だと本当に言うのであれば、もう今後の作品に期待する事は何もありません。
ありがとう宮崎駿
偉大な監督の最後になるだろう作品としては物足りないと言わざるを得ないです。
所々過去作品を彷彿とさせるシーンが散りばめられていたりと、完全にファン&監督の自伝的な感じの作品だったのではないでしょうか。
メッセージ性もなく、何を描きたかったのか、よくわからない作品でした。これなら人物を一切登場させずに美麗なアニメでの風景表現だけに注力したほうが良かったのでは?と、残念でなりません。
君たちはどう生きるか
この作品を見てまず感じたのは壮大なクエスチョンでした。話の中に必然性をみつけようとすると無理難題の迷路に迷い込んでしまいます。しかし、その中にあるすべての描写から力強いメッセージが伝わってきました。中でも印象的に感じたのが宮沢賢治との関連性です。要所要所で馴染みの賢治童話を彷彿とされるようなシーンがあり、とくにやまなしとの類似性は強く感じました。また、最後宇宙に帰結するところもとても考えさせられました。
今作品において正解を見つけることそれはとてもナンセンスであり、考え感じることが大切だと思います。何度も何度も見返したくなり、宮崎駿さんという人を知りたくなる。そんな作品でした。
わからなかった^ ^
老いてしまった宮崎駿
単純につまらない映画でした。
新・銀河鉄道の夜。人生は冒険だ、の集大成。
初日に観に行きました。が、整理がつかなかったので、頭の中でグツグツと煮えたぎってたものを吐き出したいがためにレビューします。
説教臭い映画との前評判。しかし、数々の名作を生み出した宮﨑駿監督、当たり前ですが、登場人物の背中で語らせるくらい朝飯前です。これからの方は、安心して観に行ってください。
ただ、行間の説明が少ないことや比喩的な表現に、頭が追いついて行かないので難しい。分かりやすくは無い映画ですが、観てよかった映画です。
さて、ここからが本題(ネタバレ)。
監督の他の作品である、千と千尋の神隠し、崖の上のポニョ、また他の作品と共通しているのが、異界への挑戦と冒険だと思います。
千と千尋の神隠しは、引越し→湯屋→銭婆、ポニョは嵐→海に侵食された世界→ひまわり園。他の作品も穿ってみれば似たような表現は見受けられます。トトロとかラピュタなど、涅槃や幻想郷とも言うべき世界への旅立ちは宮﨑監督の魅力的な所の1つ。
そこで表現されるのは、生きるための強さ。
今作もまさにそのパターン。
空襲、引越し、新しい家族、馴染めぬ新天地。その生きづらさは、現代でも共有できるものが少なからずあるのではないかと思います。
その環境の中、主人公は、行動力と知性に溢れ、自ら試行錯誤して弓矢を作成し、アオサギと対峙します。監督が求めているだろう、生きるための強さを持っているタイプです。タバコで屋敷の老人を買収する強かさもあります。
ただ際立つのは、独立独歩の精神であり、周りに馴染めぬ主人公の未熟さです。例えて比較するなら、パズーは採掘場やドーラ達大人の協力を得る必要性を理解していましたが、主人公は全部自分で解決しようとします。
そこで登場するのが、未知で不気味なアオサギ。
今作のテーマは、どう生きるかであり、人間が誰しも持つ問題である人間関係の象徴が、アオサギだと思います。物語を通じての1番の敵にしてテーマは彼。
彼は、未知なる他人です。
幼い母は、別れと産み繋ぐ喜びと、生への肯定。
新しい母は、絆を紡ぐことの難しさと、歩み寄ることの大切さ。
老婆は、見守られていることと、生きることの範。
大叔父は、問題提起と自らの失敗と継承。
それぞれ役割があるなかで、アオサギだけが直接、主人公と関わりを持っていない他人です。
見ず知らずの、どのような利害関係をもっているのかも分からない、ある種老獪な雰囲気を纏うアオサギは、現代社会の中の他人の象徴です。
異界に赴き、冒険を通じて、彼とどう向き合ったか。それが、自ら怪我を負った後に、母からの贈り物である本(タイトル)を読んだ彼の変化であり、物語の最後の答えに繋がってきているのだと思います。
そして、冒険からはいつか帰らねばならないと、ピリオドを打つように、終戦→思い出深い屋敷を後にするという新たな旅立ちがまっています。終戦後、どこも苦しい焼け野原の状態。そこで、どう生きていくか。屋敷を出た瞬間、それを問いかけられるわけです。新たな冒険です。
人生は冒険であり、生き抜く強さとは、そしてどう生きるのか、と、一貫して訴えかけてきているのでしょう。他の作品のことを思うと、まさに一貫してメッセージを送っているのだなと思います。まさに、集大成。
観てよかったなと思いました。
余談ですが、頭がグルグルしているうちに、ふと、宮沢賢治の銀河鉄道の夜に似ているなと、思いました。
あの作品も死後に類似する世界からの帰還と、本当の幸いの体現(生き方の追求)で、締めくくられています。
童話、ファンタジーの違いこそあれ、人が至る、どう生きるかという問いかけを、繋げたからこそ、新だなと感じました。
宮﨑監督と宮沢賢治の意図するところが同じかは分かりませんが、生きている時に、この作品をスクリーンで観られて良かったと思います。
充実した2時間
ジブリ節全開の映像美、過去のジブリ映画の名シーンを彷彿とさせる印象的なシーンの数々。改めて、宮崎駿の作品は何気ない仕草ひとつひとつにに本当にこだわりを感じるなあとしみじみ思った。CGを駆使したり光の描写にこだわったり枚数で攻めたり、美しい映像を売りにしたアニメ映画は今では星の数ほどあるけど、ジブリだからこそ・ジブリにしかできないが徹底されてて非常に満足できた。
ストーリーも、最近の宮崎駿作品の中では非常にテーマが分かりやすく、自分の中で噛み砕きやすい内容だと思う。泣くことはなかったけど、鼻の奥がツーンとなる瞬間は何度もあった。
思うに、この作品が「何が言いたいのか分からない」と賛否両論なのは、合理性のある脚本ほど賞賛される現在の風潮にそぐわない作品だからではないかな。巧妙な伏線を張り巡らしてそれを回収する脚本が素晴らしい。全ての描写は、壮大かつ納得感のあるラストのために存在すべき。そういう考えの人には全く合わない作品なので観に行くだけ無駄。あとは、正解の解釈が存在せず、観た人が抱いた思いに委ねる作品だから、感想や解釈に正解ばかりを求めてしまう現代の若者向きではない。この辺は過去のジブリ作品もみんなそうだと思うけど、昔の作品は考察され尽くして「この作品はこう視聴するのが正しい」みたいな定説が確立してるから、それに従って観ればいいからね。
断片的な描写から自分なりに色々考察してそれに満足できる人、瞬間瞬間の映像美や登場人物の行動に楽しみや感動を見出せる人、映画全体としての整合性を必ずしも重視しない人におすすめ。
こんだけワケわからんというのは奇跡
一回目何も前情報なしで見てきましたが、正直全然意味が分かりませんでした。帰ってきて考察や解釈を色々調べてみると、なるほどこういうことだったのかと分かりました。ワケわからん中で描いていたのは普遍的な人間の本質や悩みで、めちゃくちゃ共感する、感情移入する部分があります。
分かりにくくてワケわからんことに対して、かなり批判的な意見が多いですが、私はむしろワケわからんことが嬉しいですし、こんなにもワケわからん映画を作れることは奇跡のように感じます。ここまで分かりやすさよりも表現を優先するということは、作り手と受け手の信頼関係がないと成り立たないからです。
作り手は受け手が汲み取ってくれることを信じて、分かりにくくても面白い表現、美しい表現を選択する。受け手は作り手が全てに意味を込めていると信じて頭をひねって解釈する。こんなことができるって奇跡のようなことだと思います。ちゃんと分かりやすくしようとしたらいくらでも分かりやすく描く方法はあるし、恐らくそれだけの技量ももってらっしゃるのにそうしなかった。私達観客は信頼されているのだから、それに応えるべきです。実際にワケわからんだけだったものが、他人の考察を読むだけでもめちゃくちゃ面白い映画に変わります。
評価が二極化する理由は充分に分かります。しかしこの映画は誰でも楽しめます。評判でこれは分かる人にしか分からないみたいな事が嘯かれていますが、面白いと感じるのに教養や知識などは特段必要ないです。なんせ誰しもが悩むことについてかいてあるから。楽しもうとするか、それだけだと思います。少しググって考察みるだけでここまで素晴らしいと感じれるのだから、面白いものに出会いたくてこの映画を見た人は、それをしない手はないです。
ワケわからんかったという人は是非、考察や解釈などを調べたり自分の中で考えてから2回目を見てみることをオススメします。めちゃくちゃ面白いです。まじで面白い。このままワケわからんで放置するのは本当にもったいない!!!
吉野源三郎と勘違いする
ご老体が最近よく見る明け方の夢
……をそのまま映像化したんだよこれ。だって実家に零戦のキャノピーが置いてあったって半藤一利との対談集で読んだし。
過去に見たことあるようなキャラの総出演といい、少しづつ自身を投影したような主人公や大叔父といい、REM睡眠中に見た記憶の断片をそのまま商業映画に載せちまったとしか思えん。スタッフも?マークの中、帝王の言いつけ通り制作したんだろうなぁ。色んな解釈がなされてるようだけど、ご本人の夢の映像化だから考えるだけ無駄な気が。(まあ考えてみれば千と千尋もポニョもようわからん映画ではあったが)
我々中高年はそれでも表現の端々に共感を得ることもできるが、ものすごく楽しみで目を輝かせてた親子連れが終わって出て来る時の表情を見て、何だか罪なことするなぁと思ったのが結論。お父さんが解説に苦労するので家族で見に行っちゃいかん映画。
難しい
通常スクリーンで鑑賞。
★3つになったのは、
ストーリーが難解
声の役者の力不足
前情報が何もないのが裏目に出てる
主人公の年令と思考・行動がミスマッチに感じ違和感
あたりでしょうか。
知人からは現実の話だよね。と聞きましたが、全然ファンタジーですよね?
宮崎アニメの中で考えると、ハウルの動く城に雰囲気が似てるように思えました。
絵は素晴らしく、童話の絵本かと思えした。
ただ、次々と世界がとんで行くのに思考が追い付かない。
その他、声が有名俳優さんがたくさん出てくる割に下手くそ(誰かは書きませんが、前情報が無い様なやり方するなら、もっと純粋に本職声優さんや、昔の宮崎監督らしく何処から連れてきたんだろうみたいなはまり役を何故器用出来なかったんだろう)。
前情報が無いって事は、本編は誰もが物語の本題を押さえられる位の解りやすさにして欲しい、原作を読めば(未読です)解るのか知りませんが、映画として物語が成立していないと、と思うのは私だけでしょうか。
主人公の年令と思考のギャップがある事や、自傷行為をした理由などがいくつか思い当たるもその中のどれかわわかりませんでした。
この尺の中に収めるのに無理がある?
故に、勝手に推測すると、
晩年の宮崎監督は自身の描きたい物語と絵を描いて、年齢的にも丸くなってしまった為、細かい事は制作側に一任したら制作側の政治的理由などで物語のクオリティなど気にせず、どんどんダメな方に行ってしまった。
的な?
すみません、あくまで私の勝手な想像ですが。
素晴らしい所と、疑問ばかりの点と両極端が存在する作品という印象でした。
これは宮﨑駿の生き方を知っていればわかる映画
これは元々宮﨑駿が共産主義者として学生運動をしていた事と映画の内容が重なっていると思う。
昔の学生運動では、共産主義世界を実現した北朝鮮はこの世の楽園とうたっていた。ところが現在では共産主義世界の理想は崩れ去り、次の世代は競争社会である資本主義を選択した。
これから生まれてくる子供達が、どのような道を選択していくのか?と問いかけた内容の映画だと思う。
そして伝説へ
ジブリ作品とともに昭和、平成を駆け抜けて来た中年です。
千代の富士や、イチローでも体力が落ちて引退する日が来たように、永遠に最強だと思っていたジブリ作品、宮崎先生にもその時が来たのではと感じてしまいました。
圧巻の映像は、やはり別格のクオリティでしたが
新しさが感じられない。主人公が少年なのに若さが無い。
メッセージもストーリーもここまでくるとカオス。
ポニョあたりから、エンタメというよりは半分哲学書を読んでいる感覚
全盛期のジブリの、とにかく鳥肌の立つような躍動感、エネルギー、メッセージ
有無を言わさず名作といわしめるパワーがない。
何も考えずに世界観にひきこまれて魅了された、かつてのジブリ作品達は
巨匠宮崎駿とともに伝説となるのでしょう。
若者たちよ!未来の巨匠たちよ!君たちの作品が世界をうならせる時がきたぞ!!
遺言、確かに受け取った
舞台は戦前。主人公の真人は小学生の男の子。
父と一緒に引っ越した疎開先には、亡くなった母の妹(叔母)が義母として出迎えてくれる。真人は亡くなった母を忘れられずに、叔母が義母となり、しかもすでに妊娠している事実に戸惑いを拭えない。そんな中で田舎暮らしをしていたが、家の近くには先祖が建てた塔がありその入り口は異世界へ繋がっていて…というお話。
導入はともかく、異世界はいつも以上にファンタジー色の強いジブリ世界であり、深く考えずに頭を空っぽにしたほうが楽しめる系統の作品と思う。またストーリー自体はメタファーだらけで前後の繋がりがなく必然性のない展開が続くため童話、ともすれば神話を彷彿とさせる(筆者は「不思議の国のアリス」を思い出した)。まぁ、その辺りの細かい議論は考察班に託すとしよう。
今回の映画で受け取ったメッセージは一つだけ。クライマックスでの大きな石をバックにした大叔父様との言葉。
大叔父(妄想)
「君はこの積み木の塔に一つだけ積み木を足すことができる。それは世界のさらなる安定を齎すだろう」
大叔父(現実)
「君はここで積み木を組んで新しい塔を造るのだ」
言うまでもなく大叔父=宮崎駿なのだが、これは以下のメタファーと解釈した。
・石 =宮崎駿の意思
・積み木=宮崎駿の仕事あるいはアニメ制作手法
・異世界=ジブリあるいは既存のアニメ業界
これを有体に抽象化すると
大叔父「既存の仕組みに従って生きるのであれば、君は一つだけ何かを足すことができる(逆にそれしかできない)。ここで私の仕事を継承してほしい」
となる。結果的にいんこ大王=心無い悪意のある大人の手によって積み木は両断され異世界は崩壊へと至ってしまう。この辺りもこれまでの宮崎駿と世間の関わり方を示したメタファーなのであろう。相変わらず作家の主張が激しく前に出ているわけで、またくだらないものを作って…と感じると同時に「この爺さん、自分の正当な後継者が育たなくて寂しかったのかな」と思ったら泣けてきた。
翻って自分の人生を思い返すと、概ね既存の仕組みから大きく外れることなく生きており、日々「積み木を一つだけ足す」作業に没頭しているわけだ。社会の歯車とならざるをえない現実はどうしようもないとしても「他者の悪意に気づき、それを拒絶する感性」まで忘れてしまったときに、自己を見失ってバランスを崩してしまうのであろう。最後に真人と大叔父様のやり取りを掲載して筆をおくこととする。
真人 「それは積み木ではなく悪意に満ちた石だ」
大叔父「それに気づくことのできる君にこそ、お願いしたい」
真人 「ダメだ。僕は外の世界に帰る」
大叔父「外の世界はこれから焼け野原になる。それでもいいのか」
真人 「大丈夫。アオサギのような友達を作ってなんとかする」
個人的に大満足
賛否両論あるので映画館での鑑賞を悩んでいたのですが、誘われて観てきました。
結果、個人的にはとことん『ジブリ』で、でも流行も取り入れつつ、限られた予算と体力の中で魅せてくれた今作に大変満足しています。
自分の場合、考察や解説は昨今YouTubeを見れば鋭い人たちがたくさん動画を上げてくれているので、まず難しいことは考えずに純粋に世界観を楽しむつもりで挑みましたが、子どもの頃に初めて映画館でジブリ作品を観た時の気持ちに戻れた気がしました。
「分からない」「理解できない」という意見が少なくないかと思いますが、無理に分かろうとする必要もなく、ただその雰囲気、宮崎駿ワールドを味わうという楽しみ方もありなのではないでしょうか。
咀嚼するためにあと5回は映画館に足を運びたいです。
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