君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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主人公、睫毛長いっすね
とにかく酷い、支離滅裂だ、と言う評判以外の事前知識は何も入れず見に行きました。
確かに登場人物の動機や心情変化のタイミング・きっかけなど、分かりづらい・答えが明確に示されない部分はあります。
しかし酷評するほど支離滅裂かと言われると...うーん...少なくともストーリーの大筋はちゃんと見てれば理解できる気がする。
私は、これは主人公が自分の「悪意」と向き合う物語だと感じました。「何が言いたかったのかわからない」という意見を多く見かけるけど、それを自分と向き合って考えて答えを見つけようよ、っていう映画なんじゃないかなあ。
とにかく映像が細かく綺麗で丁寧で、キャラクターの動きも音楽もファンの求める「ジブリ」でとても良い。ジブリ作品が好きな人は見る価値あると思います。
集合体や動物が苦手な人はきついシーンがあるかもなので注意です。
pg-12じゃないの?
第一印象としてジブリ版エヴァンゲリオンを見たような感じです。
考えるより感じろということなのかなぁと勝手に理解しました。
不満な点として鳥や動物が沢山群れて襲い掛かるシーンがあったり、気持ち悪いと思ったシーンが多数あった点。
pg-12だったら覚悟を決めて映画に望めるのですが、G指定な点が映倫おかしいじゃないの?と思います。
映画の内容は、他の方のレビュー通りです。
アオサギが本作のヒロイン
女は、母と叔母と家政婦ババしかでてきません。
おそらく若い女はいらないと思ったんでしょうな。
行方不明の大旦那さまの話が出た時点で、たぶんこいつが駿だなって察してしまった。実際に駿だった。
要約すると駿が鳥籠の中で、インコ(外来種)と暮らしてるんですよ。
このインコって何を現してるんでしょうか?
敏夫の愛人のことですか?
そして、駿が人生かけて集めたものを子孫に託そうとしたら、拒絶されるんですよ。
これも、なんか色々想像してしまって。
個人的には意味不明
鑑賞直後の感想としては『まったく意味が分からない』。
物語の前半は現実世界の話で、後半は異世界の話。前半までは順調に理解できていたが、異世界に飛んだ途端、理解不能に陥った。
盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれないまま『誰?』『なぜ?』『どうして?』『どういうつもり?』が積み重なり、その疑問を解消する間もなく物語が進んでいく。
人生で初めて授業についていけない子供の気分を味わった。笑
帰宅後、様々なレビューや評論を見て、一番しっくり来たのが『異世界はジブリの暗喩』という解説。
異世界を【スタジオジブリ】、異世界を司る大叔父様を【宮崎駿】、13個の積み木を【過去の宮崎駿作品】に例え、これまでスタジオジブリ【異世界】を支えてきたのは宮崎駿【大叔父様】であり、宮崎駿が送り出した13作品【13個の積み木】がこれまでジブリの経営を支えてきが、その経営は非常に脆く(積み木の危ういバランスがそれを表している)、宮崎駿の後継者は未だ見つからず、作品がコケればすぐにでもジブリは崩壊してしまう(積み木の崩壊とともに異世界も崩壊)。
異世界に登場する無数の鳥は【アニメーター】に例えられ、彼らはジブリの中では怖いものなしだが、ジブリから一歩外へ出れば、彼らはたちまち弱い立場に置かれる危うい存在だとも捉えられる。
個人的にはこの解釈が一番しっくり来たのだが、この解釈でも説明できない部分は多々あり、また、人により解釈は様々あってどれが正解とも言い難い。
最終的に行きついた結論としては『理解しようとしたのが間違い』ということ。
普通、映画というのは監督の伝えたいメッセージがあり、それに沿って物語を肉付けし、観客は映画に込めた監督のメッセージを読み解いて成立するのだが、この作品は見る側が想像力を膨らませ、好きなように自分なりの解釈を加えて楽しむ現代アートのような作品なのだと思う。
この場面ってこういう意味なんじゃない?この人物ってこういう人なんじゃない?といった具合に、想像力を膨らませながら楽しむ作品なのだと思う。
想像を膨らませるのが好きな人にとってはこの上なく楽しい作品だが、自分のように映画からメッセージを読み解こうとしたり、物語の整合性を求めたりする人にはまるで理解不能な作品だったと思う。
賛否両論の話題作観ました!
結果から言うとすごく楽しめました!
映像や音にこだわりを感じ、
ところどころ懐かしくなるようなシーンもあり、
集大成だなと感じました。
ジブリ好きな人にはたまらない映画だったのではないでしょうか。
残りの人生で何度も観たい
意味を考えたり味わったりしたい場面や台詞がたくさんあった。残りの人生で見直す度に自分なりに考えてみたい。そんな楽しみを受け取って感じ。
個人的にはハウルやポニョよりおもしろかった。
ただ、違うタイトルの方がよかったのでは..?
最初の映像はすばらしい!
タイトル通り、最初、母親が入院している病院が火事になるが、そこまでの人の動き、背景はすばらしいがそれだけ!
最近のアニメ(映画に限る)はそれなりに映像はいいので、後半はそれほど良いとは感じなかった。
この映画の問題点は、キャラクターに魅力が無いのと話がつまらないこと!
後半の異世界(大叔父の作った世界)は伏線回収していなかったり、意味の解らない画面切り替えが有ったりと雑に作って有るが、話が面白ければまだ”異世界とはそういう所”と割り切れるかもしれないが、この映画はそうはならない。
たとえば、ヒミは過去に迷い込んだ眞人の母なのになぜ”火”を操れるのだろう?とか、大叔父との会話の場面から画面が飛んでオウムに捕まっているとか・・・気になってしょうがない。
普通に義理母や父とのわだかまりを丁寧な描写で解消していくだけでいいのに、異世界要素と跡継ぎ問題を絡めるから”訳が分からいない!”となる。
後、内容も不明な本を読むことだけで義理母とのわだかまりが解消するってのも乱暴!
(販促映画ですか?)
平日の鑑賞で客は20人ほどで、友人同士やカップルが多かったが,鑑賞後、みんな無口でスクリーンを後にしたのが印象的でした。
不思議な世界に入り込み「?」が繋がった瞬間の鳥肌が止まらない!令和インコ合戦ぴよぴよ!
ネタバレ無しの感想をいくつか読んで
「ファンタジーすぎて理解に苦しむかも😭」
「宮崎駿ワールドついていけるかな💦」
とドキドキしながら鑑賞🎞️
鑑賞前にドキドキしていたのがアホらしくなるほど
ガッツリこの世界観にハマりました…!
大好きな世界観。
不思議の国すぎて最初は「のめりこめるかな?」と思いながら観てたけど杞憂でした。
そんな心配要らなかった。
映画のタイトルでもある「君たちはどう生きるか」
映画にも登場した小説「君たちはどう生きるか」
1人の少年が叔父さんからのアドバイスを元に問題に立ち向かっていく小説なのだとか。
映画の中で主人公の眞人くんがこの小説を読みながら泣いてたシーンが印象的。
読みたい…
できれば、映画にも登場した初版の柄の小説を読みたい。(わがまま)
印象的なシーンばかりな作品だけど、
もう一つ特に印象的だったのがジブリ飯。
いつも美味しそうなジブリ飯だけど
今作で「美味しそう!」となるのは1シーンだけ。
パンにバターとジャムをたっぷりと塗った、イチゴジャムトースト🍓🍞
シンプルだけど、子どもの頃食べたあの味。
大人びた眞人くんが子どもの顔になる大切なシーン。
シチューやおばあちゃんたちの和食のシーンもあったけど
美味しそうに眞人くんが食べるのはこれだけ。
ジブリ作品は食べ物のシーンで何かを伝えてくるよなぁ…
食って本当に大切。
宣伝を全くしないでの劇場上映。
すごい挑戦だけど、スタジオジブリだから出来たこと。
確かに前情報ほぼ無しに見た方が、この不思議な世界に入り込めて良いかもしれない。
「???」が繋がっていく感覚はネタバレなしでしか味わえないので、ネタバレ踏んでないよという方はそのまま劇場へ!
最後に一言!
令和インコ合戦ぴよぴよ🦜🦜
何か足りない感
映像に関しては序盤のシーンから細かいディテール
の数々に圧倒されました。
アニメーション(制作協力会社さん含め)は素晴らしい!
声優では眞人役の山時聡真さん良かったです。
音楽の久石譲さん、さすがとしか言いようがなかったです。
ストーリーに関しては少し分かりにくい部分もありで
家族間のそれぞれに抱いていた感情がもう少し観たかったです。
ただ難しい。
戦後の日本。
母を戦火で亡くした主人公は父の新たな再婚相手の元で暮らす。
青鷺に誘われ異世界へいくまではわかりやすいのですが
その先で出会うさまざまな種族や台詞は何か意味があるようでいて捉えきれない。
ある点では「千と千尋」に似ていて、「ハウル」のようでもある。
主人公は宮崎駿の少年時代をイメージしているようで
父が戦闘機関連の仕事をしていた部分も共通点。
かつての「紅の豚」が宮崎駿の趣味でできた作品というのなら
本作こそがその到達点のようでもある。
絵コンテなど気にいらない箇所は自身で描くほどの
完璧主義ぶりだが本作はかなりノータッチのようです。
観客にもわかりにくいだろう点は認識しており、
監督自身もわからない点があるようです。(そんなのでいいのか?)
ジブリ映画といえば家族揃って楽しむ作品が多いイメージだが
本作含め最近のジブリ作品は文学作品のように変化していっている。
昔の宮崎アニメと比べるのは
昔の宮崎アニメと比べるのは、しょうがないが、新境地を描く巨匠の卓越ぶりを
楽しんで欲しい。深いテーマやメッセージは、むしろ無いに等しい。
主人公は亡き母と義理の母の奪還を
行動原理にして
世界階層を巡り生命の構造を知る。
亡き母は過去の若い姿で会う
BTFの要素も有るけど、
既に指摘されてるジョンコナリー
「失われたものたちの本」
との共通点が、
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」
より原作モデルであろうと推察される。
本作はディズニーの
「不思議の国のアリス」と
立ち位置と賛否が良く似ており
異端にして功績者、
破壊と喧騒から残るもの。
そのサムシングが
老若男女を魅了するアニメーションの
テーマだったと言えよう。
十分、子供向きとさえ思う。
志村けんのスイカ早食いコントに対して
何故スイカなのだ?
何故早く食べるのか?と
真面目に考えてどうする?
宮崎アニメを暗号課題か何かのつもりで居た人が意外に多くて驚く。
アニメーション映画は
見た目を楽しくするのが表現だろう。
それはナウシカやカリオストロから
すっと続いて有った筈。
そうゆう意味では
今回の「君たちはどう生きるか」も
全く変わっていない。
変わらずに変わるのだ。
この「君たちはどう生きるか」と言う
タイトルも「こうゆう新作、作ったよ。これ観て君たちはどうする」
くらいのノリで
使いたかった題なのだろう。
あえて浅読みした方が
見えてくる場合もある。
これは巨匠入魂の快作です。
ちなみに夢判断的に青鷺は
自由と平和の中で自分自身を解放し
内なる平和を見つける成長を
現している。
詐欺師のサギじゃないよ。
もう一回みるか。。
戦争、自立した子ども、とっても宮崎駿作品だなとは思った。
けど原作がある訳ではない、というか吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』と同じ内容のわけではないので、話が掴みにくかったかもしれない。
とりあえず一回では足りなかったかな。
もう一度観たい。
普通に面白い
不思議の国のアリスのジブリ版って感じで、普通に面白かったです。作画も綺麗でポニョの迫力には及ばないけど、ダイナミックな映像で大スクリーンで見ごたえ十分でした。ただ、途中3回ぐらい寝落ちしそうになりました。起こしてくれた娘に感謝です。
ちょっとマッドフラッドぽいと感じました。
見る側にぶん投げ過ぎ
問題が起こり、色んな要素が小出しにされて、何も解決しないまま問題自体がなくなって終わる
そういうブランドなのか作り手のプライドなのかは知らないが、見る側に妄想や考察をさせて作品を膨らませようとしているように感じる
ブランドに妄信的に従う人は他のレビューの様にドヤ顔でポエミーな感想を垂れ流せるが、普通の人には???のまま作品が終わり、断続的な動くイラスト集を見せられた気分にしかならない
極めて長く感じた約2時間半だった
隣の子供はスマホでなんか違うの観てたがまぁ仕方ないなって思えちゃった
「君たちはどう生きるのか」という題名に?
なぜ「君たちはどう生きるのか」という題名に?宮崎駿監督は見る人たちに、直球勝負で投げかけたテーマに感じた。
その答えは、主人公の冒険譚を通して、自分たちが、もがきあがき、自分たちの頭で考え見つけていくべきだ、という思いを感じた。
そして、初めに戦争を描いた。かつ母親の死と義母の登場。
主人公の少年は、義母に対して、お父さんが愛した人だから、と拒否するが、最後はお母さん!と叫んで助けようとする。そして、母親として受け入れた。映画の終わりでは、戦争は終結し、平和が訪れ、家族仲良く暮らす。
この意味することは何であろう?
戦争は悲劇だ、その悲劇を避けるには?
その答えの提示があるように思えてならない。
母は少年にとって最も大切な人だ。そして戦争で奪われた。そこに全く知らない赤の他人が母と名乗る。最も大切な人であった母の代わりに、他人を母として受けいられるのか?その葛藤の末、受け入れた、ことに答えは収斂しているのではないか?
他人を母として受け入れたのなら、世界に戦争はあり得るのだろうか?家族として受け入れたのなら戦争はあり得るのだろうか?
このように、さまざまな想いを巡らせることができるこの映画は特別な映画だ。
贅沢の限りを尽くした映像美も感嘆した。
宮崎氏のルーツとイマジネーションの歴史
まずはじめに感じたのは、これは基本的に宮崎駿監督の自叙伝だろうと思った。
戦時下の日本、空襲で母を亡くし、父は義理の妹と再婚し新しい命=弟を授かる...
そして駿少年たる主人公は唐突な継母との新生活や疎開先の田舎に馴染めず同級生と喧嘩...
現代で考えても相当ヘビーなトラウマを植え付けられ「自分は何も悪くないのに、次々と周りの大人たちのせいで大いに傷つけられた」と嘆いていただろう。
だからワザと石を頭にぶつけ喧嘩の傷を広げ周りの大人を心配させ自己憐憫にふける。
そこで思ったのは、人の喜怒哀楽を拡大・誇張する「デフォルメの才能」が幼少から在ったようだ。まあ石のくだりが事実かは不明だが、何となく映画の前半は「幼い自分が時代や大人たちから受けた理不尽さ」の説明に費やされてた印象。
そして後半は、そんな田舎暮らしの駿少年が自己憐憫にふけりつつ毎日妄想してた「オリジナルのおとぎ話」を、現代のスーパーアニメーターたちを総動員して映像化したものだと思った。いわば「宮崎駿はじめてのオリジナルファンタジー案」の完全映像化だ。
なぜそんなもの作ったか?まずは単純に「クリエイターとして最後に創りたいモノは?」と考えたら、宮崎氏にとってはコレだったんだろう。
いわばアオサギは当時の自分のアタマの中にいた妄想上の親友で、当時の駿少年は、そいつとの冒険譚が鬱屈した疎開時代を生き抜けることができた生命維持装置みたいなものだったし、ひいてはクリエイティブな才能をじっくり醸造できた時期でもあったんだと思う。
勝手な持論ですが「リア充は第一級のクリエイターにはなれない」と思ってる。女にもてずクラスの人気者になれない日陰モノは、妄想という名のクリエイテビティを良くも悪くもコジらせ肥大化させることで、リアル世界に現出しないファンタジーを創造することができる。リア充は結局そこまで頑張らないし定時になると帰りたがるので驚きを生まない。
だから今作を見てて「アオサギは何だったのか?大叔父の存在とは?インコは何の隠喩なのか?」と考えてても、正直「たいした意味はない」のでしょう。教室で授業も聞かず妄想に耽ってた駿少年の妄想ベストシーンをもとにストーリー性を設けて再現しただけと思う。らインコとか、疎開先のお屋敷で沢山飼ってた?の程度の事だと思う。いやまあ「それもアナタの妄想でしょ?」と言われればそうですが、そう考えるのが一番合点いった私の感想です。。でも、それでいいんですよ。それこそ宮崎駿氏にしかできない遺作の在り方です。
長年アニメクリエイターとして生きてきた宮崎氏が最後に語る「自分はこういうモノで出来てる人間で、こうやって生きてきた。キミたちも自分で考えながら生きてみれば?」と晩年になって書き残してみたくなった…という映画なんだろうって。なので、鈴木プロデューサーが「あえて宣伝しなかった」と公開間近になって宣伝?しはじめたのも、そういう目でみると合点がいく。そりゃあ、宣伝できませんよね。。だって「大いなる自分語り映画」なんだから。だから宣伝「しなかった」でなく「出来なかった」が正確と思いました。
でも、エンドロール見てて思ったのは、結局その鈴木Pは、言葉は悪いがコモノだったなあと思った。日本のウォルトディズニーにはなれなかった。だからジブリは、このまま消滅するんだろうって。錚々たる名アニメーターが参加してたのは感動したが、と同時に、みな個々にスタジオを設けてて、ジブリを預かる後輩がいない。しかも上映開始前に流れたポノックの予告を見てて「なんでヨネさんがポノック名義で新作だすのさ?」って思った。鈴木Pは宮崎氏と若手クリエイターのカスガイになってなかった。。。
改めて日本アニメ界の旧態依然を見せつけられた気持ちになった。
村上春樹に通じるものがある
凡人には理解し難いストーリーは、メタファーに次ぐメタファーの連続で、なんの伏線も回収されず、登場人物の行動原理も意味不明で、終始説明不足感が否めなかった。
村上春樹小説と同じように、バカ真面目にストーリーを考察するというより、独特の表現や世界観を味わうというのが正しい楽しみ方な気がした。
追記のタイトルは「こじつけ」
元々のレビューのタイトルは「意味わからん」だった。
故にクソつまらないが第一声。
何かが何かを担っているのだろうけど、どおにも良くわからない。
ずっとタイトルの意味を考えてた。
「君たちはどう生きるか」
人生は選択の連続で、選択していく事が生き方の轍なのだとは思うのだけど、どうやらこの作品を受け止める感性が俺にはないらしい。
寝てた。
諦めたと言ってもいい。
インコもペリカンも鷺もキモいし…宮崎版「不思議の国のアリス」と思えなくもない。
戦時中の舞台設定は、なんとなく腑に落ちはするのだけれど、異空間になってからはもううんざりだ。
ただ一つ印象的なのは少年の目だった。
彼は明確な意思をずっとその眼差しに宿してた。
何が起ころうと、何に向かいあっても怯む事はなかったように思う。
コレこそが、メッセージなのだろうか?
なのだが。
一体、お前は何者なのだ?
その切り替えの速さは何に由来してんだ?
コイツは人っていう括りに分類していいんだろうか。
時間は前にしか進まない。
故に、後ずさる選択など無いのだと。
…原作が一時期ブームにもなってたからどんなもんかと思っていたのだけれど、どうやら個人の脳内で展開され咀嚼されていくメッセージと、見せられるモノとは別物らしい。
▪️追記
「コレは宮崎駿の自伝だ」とのレビューを数本見かける。なるほど、面白い視点だと思われる。
なんか、そんな裏知識を踏まえて作品を見るとなかなかに噛み応えも出てくるかもとフと考える。
遺書とか遺言とのレビューも興味深い。
普段はそんな視点では見ないのだけど、誰かの感想に乗っかって見てみるのも面白いかと思った。
▪️追記
主人公=宮崎駿とし、この作品が「自伝」だとして…こじつけ考察レビューをしたためようと思う。
冒頭、戦時中から作品は始まる。
ここは紛れもない現実なのであろう。ここでは彼が「物言わぬ思考する若者」だとの印象を受ける。
環境と大人達に流されるも、どこか強い意思を有する人物。それはやはり目に現れてるように思う。
全編通して「鳥」が多用される。
鳥には自由や奔放などの意味を付与するとして…最初に登場するのは「青鷺」だ。
嘘つきだと称されるが後に友達とされる。
コイツは異質なのである。
主人公の目の前で変態していき、人と鳥のキメラの如き形態を保持する。悍ましい容姿なのだ。
ではコレは誰なのか?
宮崎駿を業界に引き込んだ人物にも捉えられる。
人に非るもの…に見えたのかもしれない。
青鷺を同伴者として異空間に場面は変わる。
この異空間こそが「アニメ業界」もしくは「宮崎駿の脳内」なのかもしれない。
では、その前に紹介された義母はなんなのか。
コレは目的や目標なのではないかと思われる。
義母を探しに、森林に足を踏み入れる。
探し当てた義母は、手にした瞬間溶けていく。
そこに青鷺の台詞
「よく出来た方だと思ったんだけど、もたなかったね」とか何とか。
ゴールは到達した瞬間からスタート地点へと変貌する。
足下から飲み込まれていく主人公。
その表情から戸惑いは読み取れない。
何かの覚悟をしてるように思え…文字通り、泥沼の如き床に沈み込んでいく。
「ペリカン」は観客なのかと思う。
生まれる命とは、創作物の命とも言うべき「アイデア」なのではないかと。
産んでも産んでも、片っ端から平らげられていく。ペリカンの大きな口…無慈悲な欲望の具現化かもしれず、習性としては貪欲で節操がない。
突如現れる墓所は「アーカイブ」かもしれない。
先日達の魂が眠る場所…ココで主人公は言う。
何故墓所の扉を開けたのか?
「開けたんじゃない。ペリカンに押し切られたんだ」
物語の骨格とも呼べるものは、最早出尽くしていて、細部の変更はあるものの基幹は変わらないとの意見もある。クリエイティブである監督や脚本家は、なんとか既存の物語からの脱却を模索するのが常である。
先人達と同じ轍を踏む。
やりたくない。でも、時代のニーズに押し切られた。という意味合いなのかもしれない。
インコで思い浮かぶのは籠だ。
限定された空間の中で、忙しなく動き喧しい。
インコは製作陣や制作環境を指すのかもしれない。
インコの王が鈴木敏夫Pっていうレビューからインスパイアされた訳だけども、なるほど権力も金もあり、至極正論で、かつ横暴でもある。
途中主人公が必死の形相で階段を駆け上がっていく。
その階段は制作過程だとして、ソレを断ち切るのはインコの王だ。ご丁寧に2回も切って足掛かりさえなくなる。台詞をあてるなら「監督、もう金がないんだよ」…死刑宣告にも等しい。
実母とミサは同一人物ではあるものの、担ってるものが違うように思う。
ミサは鳥達に対し、唯一有効な攻撃手段で、守ってくれる存在だったように思う。この辺は寝てた。
コレは監督にとってはなんなのだろうか?
母…母か。
であるなら、命を産み出す者としての制作意欲なのだろうか?攻撃方法は炎。
情熱とかよりは、傲慢とかなのかもしれない。
大オジは、自分を俯瞰する自分なのかもしれない。
客観的視点なのだろうか?
主人公に連なる血脈であり、歳を経た人物。
本を読みすぎて頭がおかしくなった人。
思考の迷宮に囚われる監督本人なのかもしれない。
この異世界は、本人にとっては現実なのだが、それ以外の人には認知も認識も出来ないという優れた舞台装置でもある。
主人公だけが体感する現実なのだ。
そして、万人が共有する現実に戻る。
プロローグは一瞬だ。
だが、終戦があり2年の月日が流れている。
とてつもなくアッサリ描かれている。
ただそこに経過や経緯だけがあるかのように。
タイトルは「君たちはどう生きるか」
問いかけのようにも聞こえる。
この作品を「自伝」と仮定するなら宮崎駿の生き様を見てきた事になる。魑魅魍魎と相対し様々な決断を下してきた半生を。
主人公が対峙する魑魅魍魎は様々なものに置き換える事もできるのだろう。なればこそ「君たちは君たちの生き方において、何を選択していくのだ」という事にもなるのかもしれない。
物語としては、解釈が多岐に渡ってしまうからこそ、無形に類似するかもしれず…タチが悪い。
ひょっとして、宮崎駿を熟知する旧知の友や、スタジオジブリの関係者達には盛大なコメディにも思え、爆笑に次ぐ爆笑の本作なのかもしれない。
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