君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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宮崎はキューブリックになりたかったのか?
2001年+シャイニング+ジブリキャラでできている作品。
こんなことがやりたかったのあと呆れるし、早く終わらないかと時計を何度も見た。
何も心に残らない。
やっとネタバレを恐れずに済む
ネタバレ、なんとか逃げ切り、(公式Twitter (X)に絵バレ食らったけど)やっと観られました。本当に何の予備知識もなく、「君たちはどう生きるか」も読んだことがなく、真っ白な状態で観たので、エンディングでいくつか驚いてました。
・菅田将暉どこで出てた!?
・あいみょんも!?
・キムタクも!?!????
声とかそういうの全然分からないので、エンディングでえっえってなってました。
他の方もレビューで書いてらした、過去作を彷彿とさせるところが随所にあって、なるほどなぁと思ってました。
私はたくさんの船の幻(だったかな)が出てきた時に、紅の豚を思い出してました。
あの時代の戦争は、船より飛行機のイメージがあるので、勝手に「死者は船に乗って還る」という普遍的潜在的なイメージの集合体(幻)かな?と解釈しました。
眞人が、ただでさえ戦争というPTSDになるだろう状況で大切な母親を亡くし、心はボロボロなのに着丈に振舞ってたらお父ちゃんは実母の妹と再婚するという…父親、ちょっと息子の心に寄り添え!って思いました。
心の汚れた私は、描写的に裕福な家系である母の家の金目当てなのかこの父はと思っていましたが、いなくなった妻子を探してめちゃ武装する姿でとりあえずまず自分の心を浄化しました。私にあの積み木は触れない。
大叔父の崩れた積み木は結局現実世界に何をもたらしたかっていうのはあの敗戦かな。世界中に衝撃もたらしたものね、あの終わり方は。
そこは観てる誰しもがもうわかってるから、わざわざ描かずにラスト「戦争終わりました」で締めたのかな。
新たな世界を眞人は新たな環境で構築していくんでしょうよ。
ナレーションで始まった(母がなくなり、翌年東京を離れた〜的なやつ)からナレーションで締めたんでしょうけど、余韻的なものはあまり感じなかった。作中でラジオででも終戦のことを流す…だと敗戦だからお葬式ムードになるか。希望のある終わり方にするには、本人の独白ナレーションしかないのかな。
この映画キャラの中で事前に存分に目にしてきた青鷺について
不気味な鳥→なんだこの醜いおっさん→なんだこのかわいいおっさん→スタンドバイミー…!!
となってました。
キリコと言い、夏子さんやヒミ、宮崎駿さんの好きな、律した女性はやっぱり逞しくて強かったです。
夏子さんは悪阻であそこまで落ちてた…?
大切な姉の忘れ形見(眞人)を傷物(こめかみあたりの傷)にしてしまって、自己嫌悪でもあったのだろうか。
子供が死を自己解釈するための、母の死を受け入れ、次に進むための大切なお話だったと思います。
宮崎駿さんの新作が観られて嬉しかったです。
ところで映画のポスターの青鷺、口の中の目がつぶらで、このつぶらな目からあの鼻のおっさんは詐欺かもしれんなと思いました。
最後の作品
おじいちゃんは最後に
「娯楽」でなく「文学」をやりたかったのかな?
って鑑賞中に思うくらい作品に入り込めなかった、むしろ早く終わらないかなと思った
事前情報いれたくなかったので公開2日目に観に行きました
何あの思わせ振りなポスター、
いままで「宮崎作品」といえば「超娯楽大作」だったじゃん、そう思って観るじゃん……
なので「娯楽作品」としては★1です
とはいえ「文学作品」と思って
もう一度観に行くことも 無いな
凄く面白かったです
自分が今まで見てきたジブリの中で一番好きな映画でした。凄く面白かったです。宮崎駿の世界観に魅了されました。見てみると「あー、そういう感じか。何か凄い満足したな。」って思えるような映画でした。
監督の遺言とファンへ問うタイトル
私はこの結末を選んだ。君たちはどうする?
前情報なく鑑賞しました。すぐに戦時下であり炎に包まれるシーンが出てくる。
あぁ、そうか。と悟った。
宮崎駿監督は太平洋戦争が始まった年に生まれた。
監督には切っても切れないのが戦争なのだ。
少年は監督自身かと見進めることにした。
母を亡くしたが亡骸に会えることもなく幻想か現実か分からない物事を見るようになる。
神隠しに会った人が1年後にそのままの姿で戻ってきたと言う。
実母の妹で父の再婚相手が姿を消す。
実母に会えるとそそのかされ異世界に行く。
そこで繰り広げられるのは過去の宮崎駿監督の作品を彷彿とさせるシーン達。
まるで繋がりのないようなシーンが繰り返される。
母親に会えたが母は炎の使い手となり息子を待っていた。
その世界の支配者を後継者として生きることを提案される。
後継しなければその世界は無くなる。
しかし少年は再婚相手の母を連れて地獄の世界に帰っていく。
実母は別の世界に帰っていく。
宮崎駿の人生の全てであり遺書である。
私の人生はこうだ。君たちはどう生きる?
と問われている作品である
宮崎監督作品の集大成!
前評判がイマイチなのでなかなか足が向かなかったが、今日ようやく観てきた。
結果、本当に素晴らしくて度肝を抜かれた。
そして、なぜこんなに低評価なのかと疑問を抱き、私がこの作品の良さを伝えなければと、急いでここに書き記している。
まずオープニングで涙し、途中で涙し、最後も感動で嗚咽、涙が止まらなかったというのに…。
宮崎監督82年の人生の集大成というのにふさわしく、宮崎監督の過去作品にも見られた監督の「信念」が、作品全体に概念として、また目で見てもわかるキャラクター等にも反映され、散りばめられている。
監督はいつも、丁寧に暮らしを作り出し、生き抜いていくことの尊さ、学ぶことの大事さ、自然の美しさ、あの世とこの世と、そのどちらも内包しながら生きて行く精神の崇高さ、そして、計り知れない想像力の素晴らしさを私に教えてくれる。
宮崎監督は以前、養老孟司さんとの共著「虫眼とアニ眼」で、子供でも正しくナイフを使える技術を身につけることが生きて行く上で大切、と語っていた。
今作の主人公も、ナイフを上手に使って竹を切り出し、自分でお手製の弓矢を作っていた。
その竹をナイフで削るシーンも丁寧に描かれていて、炊いたご飯をのりの代わりに使ったり、鳥の風切羽を使ったり、そもそも鳥の風切羽に何番という番号まで付けて識別できることを知っていて、それを当然の如く作品に生かせる知識の豊かさには相変わらず感服しきりなのである。
便利な現代の世にあっても、生き抜く上で本当に大切なことは、シンプルな道具を工夫して上手に使う技術や、豊かな知恵を身につけること、必要な物は自分で生み出すという意志の強さを持つことだと、時代の先駆者でもある監督は最後まで若い世代に訴えかけたいのだろうと感じられて、なおさら感慨深く、ファンである私はしかと受け止めた。
たしかに上辺だけを見ると少々気持ち悪いと受け取られるような表現も少しはあるのだろうけれど、その一つ一つの表現全てに意味があり、その深みを自分の感性や知識で感じ味わいながら深め、楽しんでいく作品だと思う。
とても不思議で、でも話の筋は通っているし、それほど重苦しくはなく、笑いと友情の素晴らしさもあって見応え十分なので、宮崎監督作品ファンの方はどうぞ必ず見て下さい。
子供と一緒に見たいと作品
宮崎駿は裕福な家庭に生まれ、戦時中も他人より苦労が少なかったと聞いた。本作の主人公の設定はそのような本人の生い立ちを重ねたものであろうから、自伝的作品と呼べるのだろう。作品を経るにしたがい、社会主義への傾倒から諦観、現代社会の共感的受容へと作者の思想が変化してきたことを感じてきた。本作においても現代社会を落とし込んだ世界が作られ、観る者にどのようなメッセージを投げかけているか読み取ることを楽しめた。
子供の話を聞かずに自分のことに終始する親や見た目が美しいが中身が醜悪なアオサギ、ひねくれてしまった眞人などは現代ではよく見る人の姿だろう。塔にこもり自分の理想的な社会を作ろうとした大おじは、かつて社会主義を理想的に考えていた宮崎駿と重なる。大おじの作った世界を自分の暮らす世界と似ていると言ったセリフは、自分が追い求めた理想の成れの果てを表していたように思う。命を軽んじる風潮や生きる力を失った人々、ペリカンやインコのように本来の求めていた姿からかけ離れてしまったのが今の世界である。
最後に大おじは汚れのない積み木を渡し、眞人に世界を作り直すよう求めるが眞人は拒否する。大おじの世界を冒険する前の眞人なら受け取っていたであろう。世界の姿を知り、どう行動するか。かつてのナウシカは風の谷に戻ったが、アシタカはたたら場で暮らすことを選択した。眞人もやはり、今の危うい世界に戻ることを選択する。自分の傷は自身の悪意の象徴であると言い、それを抱えながら生きていくと決意したのであろう。
私も子供を育てる親である。自分の子供にはよいものを残してあげたいと思うが、どう生きるかを決めるのは子供である。そして、大おじがそうであったように今の世界も始まりは善意だったと思う。悪意が混ざるのもまた、人間らしさなのだ。それとどう付き合っていくか。アオサギとどう付き合っていくか。子供と一緒に見たいと思わせてくれる作品だった。
事前情報も広告/トレーラー等、一切無しの狙いが、痛いほどに分かってしまった、フツーにフツーの宮崎ファンタジー
あ。あれだ。映画にも、アニメにも、大した興味も理解もないけど、とりあえず流行りだから劇場にきたよ!なる、トレンドにただ群がるだけの、無党派層を排除したいと。分かるわ、その気持ちw
これは、興行収入を気にしないでも良い、特定の方にだけ許されるワガママなんでしょけど。個人的には支持しますわ、コレは。だって、ゆっくりと心穏やかに宮崎ワールドに浸れるからw
内容には触れず、考察は岡田斗司夫さん待ち、って事で。
良かった。フツーに。
ちょっとした疑問
キリコばあやが若い姿になった時舟を操ったり魚をとってさばいたりするのが頼もしく、他のばあや達も個性的に見えてきた。主人公に竹を割って弓矢の作り方を教えていたじーさんも印象的で、これらのおじいさんおばあさん達は大伯父よりも魅力的であった。
下の世界で、ヒミがあなたのお母さんになりたいと言って若い世界に帰って行く、そういう世界そういう出会いがあったら面白いと思うけど、お母さんが火事で亡くなったのは下の世界で火を操っていたのと関係あるんだろうか。
下の世界を作った大伯父をどなたかになぞらえているのならなんだか恐しい。
難解だが、心に残る何か
以前から文化人にはならないと言った宮崎駿監督は、アニメーターとして映画監督として変なおじさんとして、創りたいものを創る。それを受け入れるか否かは、私たち次第だ。ジブリは宮崎駿の世界だったのだから周りが『これは違う、ジブリっぽくない』と言うのは変な話で勝手な解釈と希望の押し付けなのだろう。クリエイターという目線で見ればこれだけの大作を晩年に自分の好きに創作して世の中に発表できる事は、今まで数十年とこの業界で活躍し社会に貢献してきたご褒美のようにも思う。最後にひと言『お疲れ様、ありがとう』と言わせて頂きたい。
意味がわからないが間違いなくジブリ
今までのジブリを想像、期待して観ると全く意味がわからない。前後の話は基本繋がらず、特に主人公を始めとした登場人物の感情、思考回路が不明なことが?を加速させる。設定など子供向けでなかったりしてとっつきにくさもある。
ただ、それを差し引いてもしっかり宮崎作品、ジブリを観ているという満足感はたっぷり得られる。水、表情、食べ物にそれが顕著に表れていた。
君たちはどう生きるか、という原作は必要なのか?とも思う。
また、結局主人公が継母に心開くのが早すぎたり、父が死んだ妻の妹に手を出してたりなどの違和感は普通に受け入れがたい。
表現力などはさすが宮崎駿監督!でもえいがとしては残念!
映画内での表現力などはさすが宮崎駿監督といった感じで見ていて引き込まれそうになるのがありますが、映画としての中身は何を言いたいのかよくわからない。ひさびさにお金を無駄にしたとおもいました。特に子供などには意味不明だと思いますのでこれから見ようと思う方はよくお考えください。
よく分からん
キムタクが浮いていたのは、分かった。
画と一体化せず、どこまでもキムタクな感じ。
後半部、カリオストロの城か?と思えそうな画。
戦車はガルパン見習ったほうがいいんじゃないの?
ラスト、溜がないので、生まれた子供(?)の顔がよく分からなかった・・・
途中、寝落ちしそうになったが、何とか持ちこたえた。
もう一回見るのも面倒なので、後は、ようつべの解説動画で補完したい。
強いて言えば不思議の国のアリス
しばらく前に見たのですが、ネタバレというよりは表現の難しい作品かなと
どこを切り取っても分かりづらい気はするので、トレーラーなどで切り取って宣伝しなかったのはありかなと思いました。
ふわふわと掴みどころがない夢みたいな感じだなぁと思っていてそう言えば不思議の国のアリスみたいだなと。
せんと千尋も、ととろも、ぽにょも、どこか現実と虚構の狭間みたいなところがありますよね。
キムタクさんは第一声からして、おお、キムタクだ!ある意味特徴的な色気のある声ですよね。
柴咲コウさんは最初わからなくて。。。え?これって。。。もしかして?って思いながら観てましたが途中からはっきりわかりました。
そういう意味では演じ分けというか素晴らしかったのでは無かったかと思います
父と同じ歳で…
「さぁわたしはどう生きたいの?」
映画館で観終わった後の感想です。
今、分からないことは直ぐに答えを出せて
ググッただけなのに
分かったように勘違いしてしまう事が多いから
今回の宮崎さんの映画は、
やっと自由に作れた作品なのかなと感じました。
宮崎さんは私の父と同じ歳で
父は仕事ばかりして、自由を感じる間もなく
車椅子生活で、
話すことも出来ません。
だからこそ最後にこんな風に自由に作りたいものを作れたのかな?と感じられる作品を見終わって
何だか胸がいっぱいになりました。
なんでも答えを人に求めず
生き方くらい自分で考えなさい!
と言われているようでした。
良い、悪いという評価を付けるというより
どう感じたか?
頭で考えて観ると
楽しめないかもしれないですね。
私はもう一度観に行こうと思っています。
夜見る夢に理屈はないように
朝起きて、寝てる間に見た夢を思い出す時、素敵な夢を見たなーと思ったり、二度とごめんだというくらい悍ましかったり、色々あります。
生まれてから今までに脳内に蓄積された、様々な要素が形を変えたり、拡張したり、変容しながら紡がれていくのが夢であって、冷静に考えると辻褄が合っていないことはよくあります。
この映画は、(事実は知りませんが)宮崎駿が見た夢を追体験する作品なのだと感じました。
母を救えなかった後悔、新しい母への違和感と愛せねばという葛藤、疎開先で出会った生き物とどこかで出会った生き物やモノたち、人たち。
戦争、世界の行末への不安。
それらが、宮崎駿の脳内で形を変えながら、一つの繋がりとなって投影されたのだと思います。
ですから、本人(宮崎駿)以外が、理屈によって解釈をする性質の作品でもないし、観た人がどう感じ、受け止め、自らの価値観にどう追記していくのかは、人それぞれでしょう。
それが、君たちはどう生きるかなのだと理解しました。
絵画でも音楽でも、創作物には作り手の精神が表現されていて、でも、受け手がどう受け止めるかは、それぞれの生きてきた価値観で変わるものですから、どう生きるか、の前に、どう感じるか問われているのだと思います。
作品の描写のこだわりは感じる
誰かのレビューにもあったが、非常にらしさの出ている表現があるので、木を一本一本見るといいなと思えるのだが、森を見た時にこれはなに??ってなってしまった
伝えたいことはあるんだろうとは思う、思うけど伝わらん。例えるなら「アレだよ、アレ」といわれた感じ
アレが掴める人はいいかもしれないけど、わかってもあえてアレについて触れにいかない人や、アレ自体がわからん人には全く伝わらない、そんな作品だとおもった。
もっと素直に言いたいこと表現してた作品のが好きかなぁ
駿がどうしたいとかどうでもいい
今日も非常に暑かった。
暑い中、楽しみにしていた映画を見に行った。
鑑賞後の感想は、「最近見た映画の中でダントツでつまらない。意味が分からない。」と思った。
映画レビューを確認し、同じような意見を多数見つけた。
反対に称賛のコメントもちらほらあったので、覗いてみると、
どうやら宮崎駿のやりたいことを詰め込んだだけのオ◯ニー映画のようだ。
成程
つまり、はなから見る側に理解させるつもりはないということか!
自分の頭で考えろと…
確かに、鬼滅の刃みたいに1から10迄全て説明してくれて、読み手に考える余白を与えないっていうのも、馬鹿にされている気持ちがして不快だ。
しかし、本作はそれとは真逆で説明不足が過ぎる。
ハウルの動く城以降、芸術思考に走り、ストーリー性が理解されない作品が多いという意見もあるが、正にその類の集大成と言える。
まるで作品の下の説明書きを読んでも意味不明な現代アートのように理解出来る人にしか理解出来ない、「俺を見ろ、良い所はお前達で見つけろ」というスタイル。
ストーリーに関して思う事は
説明やナレーションが多かったり、バックグラウンドを見せ過ぎると作品に没入出来なくなる事は確かにある。
ジブリ作品の表現方法として、「匂わせ」がある。
分かりやすく明示したり、台詞に落とし込むのではなく、キャラクターの表情や視線や行動から類推しなければならない。
良く言えば繊細な描写。悪く言えば周りくどい。
動画を倍速で見るのに慣れてしまい、スマホを触らず2時間拘束される事に禁断症状が出てしまう現代人に、この手法はもう通用しないのかもしれない。
とまあ、他の人の感想を見て、自分なりに分析はしてみたものの、作品への印象は最初と変わらなかった。
今後、2回目を鑑賞する機会があったら、視点を変えて見てみようと思う。
最後にスタジオジブリへ苦言を吐き捨てて、このレビューを終わりにする。
海外版Netflixではジブリ作品が全作品見られると聞いたので、日本版Netflixでも見られるようにして頂けるとマンモスうれぴーです。
以上。
時代の周期と共に、ジブリ隆盛に区切りをつけるような作品
戦前生まれの眞人が生きていれば御歳90以上である。
新たな混乱の時代が這い寄るような、嫌なムードが世界中にただよう現代、眞人の積み上げた時代(積み石)のバランスがあたかも崩れていきそうな、そんな事になっているのだろうか。
勝手ながらの解釈でそう考えたとたん、タイトルのそれが自分にとって意味をなすのでありました。
* * *
劇場で観るべきかどうか、迷いに迷った挙句、長期休暇だったり水曜サービスデーだったり、以前、息子が見に行って面白かったという感想に追いつかねばという気持ちだったり、自分でも可笑しなくらい言い訳ならべ、やっと観た本作品。
こんな言い訳 羅列の理由は、各方の作評は賛否割れまくっていて、どちらかというと否定的なそれも目立つのを散々知ったがゆえ。
それなので私は、本作は黒澤明の「夢」のような作品なのかしらと、ちょっとした覚悟を持って観に行きました。
結果、私の感受性にはとても良い意味で刺さったようです。(人それぞれ、ってやつですね)
まず、想像していたよりもずっと一連性のある物語と思った。平たく例えるなら、おもったより食べやすいよと。
但し、どうしてこんなに低評価があるのかは想像がつきまして、ヒーロー&ヒロインの大冒険譚、いわゆるジブリファンタジー的なもの?幾度となく金曜ロードショーで再放送されまくってきた王道のハラハラドキドキを期待してしまうと、呆気に取られてしまうのかなと。
宮崎駿氏のファンタジー作品は「アリエッティ」あたりが最後で「風立ちぬ」からはとても内省的な作風。本作はより内観が深まったものであるかと。(これは覚悟の上で鑑賞)
そして本作ははっきりと前編後編で分割されているようであり、前編はより宮崎氏の「内省風景」。後編は同氏のライフワークであった「ジブリ」。この接続はやや強引なところがあり、ここが苦手と感じる観客も多かったのではなかろうか。
私は、ここまで人の五感に迫るアニメ漫画を見たことがなかった。アニメ、二次元で得られる感動はいつだって視覚的で、大好きな鬼滅だって、推しの子だって、まずは視覚的な感動があって、だ。
本作では、視覚(風景)、音、あり得ないほど素晴らしい。その素晴らしさが私自身の心を現地に引き込んでいく。そして 匂い、香り、板張りの床から足裏に伝わる質感、手触りひとつひとつ、また味覚に至るまで(雑炊は不味そうだったし、ジャムパンは美味そう)通常音響の劇場だったが、気づけば 五感をフルに使ってしまっている。
こんな映像をCGじゃなくアニメで描ける人は、この先現れるのだろうか。色々と議論されることの多い宮崎駿氏だが、天才だと私はおもう。最早、絵画以上かと。
ぜひ海外での評価も聞いてみたい作品。
あ、そうそう。ペリカンとインコを見る目が変わっちゃったかな…
全1954件中、401~420件目を表示