君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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今後の世界を担う子供たちへ向けられた宮崎監督のメッセージなのかな。
大叔父が真人に自分の世界を継がせようとする。自分がいた世界は愚かな戦争に突き進む世界だった。そんな世界を嫌い、石の力で自分の思い通りの世界を作ろうとした大叔父。しかし真人が言うようにこの世界には邪悪が潜んでいた。
食べるものがなく仕方なくわらわらを食べざるを得ないペリカンたち。人間を食うインコは数が増えすぎて世界のバランスが崩れかけている。これは人間が増えすぎて生態系が崩れかけている今の世界を示唆してるのか。
現世を悲観して作り上げた世界は皮肉にも現世同様均衡がとれた世界とは言えなかった。そんな世界を引き継げと言われても。
真人の心境はまるで環境破壊しつくされた今の世界をそのまま引き継がされる若者たちの心境でもあるのか。
そして辛うじて均衡が保たれていた大叔父の世界はほんの小さなきっかけで積木が崩れるようにもろくも崩壊してゆく。
私たちが住む世界もこの大叔父の世界同様辛うじて均衡が保たれてるだけなのかもしれない。小さなきっかけですべてが崩壊するような。それは核のボタンかはたまた加速度的に進む温暖化による環境破壊か。
元の自分の世界に戻った真人は戦争が終わり東京に戻ることとなる。これからの世界をどう築いてゆくかは彼ら一人一人にかかっている。大叔父が作った世界のように破滅を迎えるかそれとも。
監督は我々大人たちが創り上げたこのバランスを欠いたいびつな世界を次世代に渡さなければならないという申し訳なさを描きたかったのか、あるいはそんな世界でも悲観せずに若者たちの力で切り開いていって欲しいという一縷の望みを託したものなのか。
ジャーナリストの青木さんは一つ星か五つ星かで評価が分かれる作品だと言っていた。けど私はその中間よりもちょっと上。とにかく背景の絵の緻密さに驚いた。今までのジブリ作品の中でも突出してるのではないか。広告にお金をかけないぶん制作費にお金を回せたせいなのだろうか。ただこんな戦略は宮崎アニメ以外では無理だろうなあ。
今回広告一切なしというのがこれまた逆に宣伝効果にはなったんだと思う。賛否が分かれてるのも逆に気になってみたくなるし。
結局は「千と千尋」や「パンズラビリンス」のような異世界冒険譚。少年が母や継母との間で苦難を乗り越える成長物語。
前半が結構話が進まないから何を見せられてるのかと思う気持ちもわかる。個人的には結構楽しめた。
それにしても鳥が画面に占める割合が高い映画だったなあ。
賛否が別れる作品というけれど……
内容は予備知識ゼロで観覧した。
レビューを見ると「説教臭い」とか「アート映画的過ぎる」とかいう意見があるが、個人的にはちゃんと娯楽映画していたし、ちゃんとメッセージ性もあった。
アニメでいえば押井守監督よりよっぽど単純だし、宮崎駿監督という人が青臭くもがくが姿好きなので寧ろストレートな作品だったと思う。
今回の評価をニ分したのは公開前の宣伝何もしない戦略。
いやはや鈴木敏夫という人の戦略には惚れ惚れする。
「母を亡くした心にトラウマがある少年が母の実家の曰くのある塔から異世界に消えた父の再婚相手を探しに行き冒険する話」とあらすじ・事前情報があったらこんなに人が入らなかっただろう。
スラムダンクと同じ戦略というがスラムダンクは原作があり、山王戦とハッキリしていたものがあるが、この作品はオリジナルなのでちょっとテイストが異なる。
事前情報はポスターのみとここまでベールに隠されると人間見たい心理がくすぐられて足を運んでしまった。
ただ内容は充分で映画館の正規料金を払っても満足出来る内容だったが、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』を見終わった際の得体の知れないものを観てしまったという感想までには至らない。
個人的には「敏腕プロデューサーにやられたなぁ……」という感想が一番に出て来てしまった作品だった。
アートジブリ作品
黄金期のジブリ作品と比較するとかなりアート作品になってしまったが、その分色々と考えさせられる内容になっておりアートが好きな人にとっては面白い映画だと感じました。物語では大叔父がそれぞれに役割を与え世界の均衡を保っている状態だった。それは、良くも悪くも資源の枯渇を抑えるための目的だと感じられました。この作品は、現在の世界を暗示していると感じました。正に、これから「君たちはどう生きるか」に当てはめて考えると面白いと思います。
今までのお礼
たぶん年齢的に最後になるだろうと思い、初日に見に行きました。期待はせずに。お話の内容は夢。目標とかの夢じゃなく、寝てみる夢。自分でも理解できない破綻してる物語。それに宮崎さんのおぞましい部分をプラスしたような話だから理解できるはずもないです。でもそれでも良かった。カリオストロからもののけ姫までは確かに面白かった。自分の人生の一部になってる。ありがとうの意味。
一緒にジブリを立ち上げたライバルとの死別。働き方改革で社員に高い要求もできない。モチベーションも上がらないだろうに。この人にも80年、色々あったんだろうな。ジブリに後継者はいらない。あんたらで立ち上げたんだからあんたらで終わらせればいい。
わらわらと
どう考えたら、よいのだろう?
内容は☆1.0!! 最高にツマラナイから最高にオモシロイ
いやぁ、つまらなかった。
宮崎駿監督作品を見たことない人は見なくていい映画。単体としては全く評価できない。
かと言ってテーマがない訳じゃなくエンターテイメントしてない訳でもない。
私が初めてレビューを書きたくなるくらい語りたくなる作品…と言えば難解で深い映画のようだが、内容については全く語る気は起きない。
これまでの宮崎駿監督の映画は、監督のイズムが表現されていて、どう生きるべきか、何を考えるべきかを問い掛ける、悪く言えば押し付けるものであったと思う。
しかし、たまにそれに辟易しても、壮大なストーリーと映像技術で、見終わると満足感に満たされる。
本作は、祖父が孫に色々教えて伝えて、それに疲れて「考えなさい」と、学校の宿題のように最終目的もない問いばかりを投げ付けているようだ。
見終わった感想は「問題提起や啓蒙に疲れちゃったんだな」だった。
ただ、見ない方がよかったとかは全く思わず、また見たいとも思わない。
駄作だと胸を張って言えるが、知人に「見た方がいいか」と聞かれれば迷わず「見た方がいい」と進めてしまうだろう。
私の中では「ファニーゲーム」と同じ棚に並んだ。
語りたくなる作品は良作だという私の価値観に問い掛けをくれた映画だった。
宮崎駿監督の後継者はなく、宮崎駿監督本人しか期待できなかったのに、本人の作品でも残念に思ってしまうことに寂しさを感じる。
鬱陶しい程の押し付けや自身の価値観を表現するジブリ監督の登場を期待したい。
まぁ面白いかな
やっぱりジブリだなと思いました、考えさせられる作品
タイトルなし(ネタバレ)
よくわからないと評判を聞いていたから期待を低くしていたけど、良いものをみたという気分。
まず、人間の動かし方や表現の仕方、音の出し方、静物の雰囲気、一枚一枚綿密に作られた背景から、宮崎駿のアニメ表現を見れただけでも感動があったし、石が出てきたあたりからSF的な人類的な視座にも到達したし、さまざまな場面でこれまでの作品の自身によるオマージュが散見され、色々な意味で集大成を感じた。
映画の内容自体については、そもそも何か目的(感動とか社会問題とか)があるような映画ではなく、彼が「世界」から要請を受けて描かざるを得なくなり、そうして描かれた世界を観ているのだという風な凄みを感じた。細かく意味や論理を捉まえにいこうとすると何も与えてくれない。1人の人間が頭で考えて拵えられるようには思えないほど、描かれた世界自体に統一性がある。もしかしたら書いている方も突き詰めることなしに直観的に感じ取ったものが、映画の中の世界に作り上げられ、それを総体としてこちらも受け取るべきものなのだろう。セキセイインコが幅を広げるけどペリカンはワラワラを食べることしかできない世界が不思議とリアルに感じられて成立している。だから、論理が一つ一つ積み上がってストーリーを追うものではなく、一つの世界を直に感じるというタイプの映画鑑賞であったし、何かわかりやすいストーリーがある映画よりも直接存在に働きかけてくれるような滋味があった。といっても、そもそもそこまでストーリーが崩壊しているわけでもなく、およそ三つくらいに分かれているパートがそれぞれの中で筋をもっていたし、彼の表現技術も相まって退屈になることはなく、訳がわからず時間が過ぎるのを待つ映画鑑賞にはならなかった。
ただどういうストーリーだったかと聞かれたら、曖昧に答えることしかできないけれども。
え?これ何?
君たちはどう生きるか、という小説ファンで
その実写化と勘違い。いつになったらコペルくん出てくる?優しいおじさんは?とか思いながらみたからダメだったの⁇
いやー、なんじゃこりゃ?
少年、ペリカン大量に飛ぶ
火の中から少女?なぞのじいさん、後妻、キムタクの声のパパ、ばあちゃんたちなんかお人形になってる
謎のご先祖、どうした?
ところどころ寝てしまいました集中力がもたなかった。
大人になったあなたへ 宮崎監督より
ジブリ作品を見て育った大人に向けて宮崎監督からのメッセージ映画です。個人的にはジブリ作品の中でも特に好きな映画となりました。子供が見てもただ、絵がキレイ!声優が云々!としか感じられないかもしれません。
どのような姿勢で人生に向き合っているか?によって、没入感が異なる作品です。
自分がこの世界にもし、入り込んでしまったら、どの配役をもらうか?想像すると良いでしょう。
インコ、アオサギ、キリコ、ヒミ様、ショウイチ、主人公マヒト…120分間、君たちはどう生きるか?と問われ続けます。
引きこまれる
始まってすぐ、話に引きこまれるのは作り方がうまいんでしょうね。
今までのジブリ映画のオマージュのようなシーンが続きます。狙っているのか、偶然なのか、意図があるのかないのか、わかりませんがそんなところにも引きこまれていきます。
少年または心が少年の男性がヒロインを助るのが宮崎アニメだと思っている僕からすると、かなり楽しめました。
助ける女の子は母親と義母なんですが、かわいい女の子と美人なのでいいでしょう笑
相変わらず声優ではなく俳優を使っているのですが、棒読みの人がいなかったので、俳優の顔がちらつかなかったのもう良かったです。若干一名そうではない配役もあったのが残念です。
ファンタジー
君たちはどう生きるのかの原作とは全く関係のないファンタジーでした。
見終わったあとに何が言いたかったのかがわからずにモヤモヤしましたが、ここで皆さんの口コミを読んでやっとスッキリ納得できました(笑)
本を読みすぎて頭がおかしくなったと言っているシーンがあり、子供には見せたくないな〜と思いました。やっぱり本は読んだ方がいいと思うので。
宮﨑駿の決意?
映画としては異世界往還物
現実世界から異世界に行って帰ってくる。
なので話の構成としては千と千尋の神隠しに近い?かなと思います。
ストーリーは難解、意味がわからないというレビューが多く見られますが、個人的な感想として実世界での出来事も含め、ずっと夢の中みたいだなーという感じでした。
夢の中の出来事って、辻褄が合わないし、一貫性がなかったり唐突にシーンが切り替わったりしますよね?全編通してそんな感じ。
まぁなので意味がわからないよ!となるよりは、あ、これ今僕は夢を見てるんだなぁという感じで見てました。
最終的には夢だけど夢じゃなかった!って事なのねと1人納得しました。
映像は綺麗だし、過去のジブリ作を見てるような既視感が度々あります。特に冒頭のシーンの映像は息を呑んで見ていました。
宮﨑駿はここ数作出来上がるたびに、引退をするとの発言をしていましたが、それは飲みすぎた翌日に思う「もう酒なんて飲まん」って言う決意に似たものと、やり切ったことによるもう死んでもいいなって感情のミックスを感じてるんだろうなと個人的には解釈しています。
ただ、ここに来てやりたい事書きたい事残したい事がいっぱい出てきたんだなという印象。それを全部詰め込んだ結果がとっ散らかってるように感じる要因なのかも。
終盤の大叔父との会話を含めた抽象的なシーンは宮﨑駿の中では具体的な話があるけれど、具体的に話すと対象が限定されてしまうから、僕ら全員に向けて言うためにあえて抽象的にしてるんだろうなと感じました。
そしてなぜかわからないけど、視聴後にとても充足感を感じました。その充足感の理由を知りたいのでもう一度見に行きたいです。
兎にも角にも、歳をとり何するにも億劫になっているであろう年齢の方が多い中、もう一度やろうと決めた宮﨑駿の決意と意地に感謝です。
見直すと映画本編よりとっ散らかった文章になってしまっているけど、このまま投稿します。
とっ散らかってる
ファミリーヒストリー
駿おじさん、こんなに鳥が好きなんて、知らなかった。が、アオサギ、ペリカン、インコ、種類のセレクトは謎だ。鳥まみれ、紙まみれ、わらわらまみれ、数に圧倒される表現が多かった。
戦時中は、死んだきょうだいの後添に入ることはよくあったと思うが、なーんか生臭かったなあ。夏子は妙に色気あるし。彼女の心の底には姉への呵責があると感じたが、夫は妻の妹でも何ともないみたい。打算的で強引で、現実主義。そんな人物に見えた。でも、男として魅力はある…なかなかやっかい。木村拓哉の俺様な雰囲気も重なる。ただ、鳥の糞だらけになっている姿は、唯一スキがあって親しみやすい。
昭和の戦争中だが、ずいぶん景気のいい家で、ベッドで寝たり、車に乗ったり、ハイカラだった。異世界でパンにバターとジャムをてんこ盛りにして食べるシーンは、あまりの贅沢さにお腹が鳴った。甘じょっぱいの最高だよね。はちみつもいいけどね。
主人公の声は、よく知らない若い俳優さんだが、調べたら最近ドラマで見ていた人だった。これから期待できそう。観る前に情報入れないようにしていたので、菅田将暉にはびっくり。イケメン臭を一切感じなかった。本人も楽しんで演じていたのではなかろうか。あと、あいみょんも硬さはあるが、上々の出来じゃないかな。滝沢カレン…もいい仕事してた。おじさん達はみんな小林薫に聞こえてしまい、もう一度観れば、たぶん聞き分けられると思う。
宮崎駿が今まで観てきた映画、読んでいた本、聴いてきた音楽、語り影響を与え合った友、愛し生活を共にした家族、など、自分の内にあるものをぎゅっと詰めこんだ作品。宮崎駿という人物そのもの。そんな印象を受けた。簡単にわかるわけがない。人間は多面的で、常に変化するもの。この人の全てを知りたいと願っても、100%理解することはかなわない。一端を覗き見ただけでいい。ちょびっと何かがわかればいい。受け止められるものが、一つでもあれば、十分だ。そう思いました、駿監督。
全1987件中、261~280件目を表示