「タイトルなし(ネタバレ)」君たちはどう生きるか チャン・パーさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
追記
主人公の男の子が自分の頭を石で殴ってけがする場面。
男の子の利発さ図太さ只者でないのが表れてる。
田舎の学校じゃ異物の自分はぼこぼこにやられる。父も見当はずれで真の味方ではない。だから自分に致命傷的傷(痛々しい)を与えて学校に行かされるのを避けたのだ。
いい映画だった。予想以上。思い出のマーニーなどの米林監督、息子吾郎監督の作品や宮崎監督自身の過去作などその他をいろいろ連想した。もちろん欧米の児童小説の世界やアンデルセンや雪の女王なども。
異世界へ飛び込み旅をする。相棒と最良の友達になる。良きアドバイザーと出会う。私は見飽きなかった。
目新しく感じたのが、主人公の男の子がえらく利発な感じだったこと。
もう一つ、主人公の父親が爛れた雰囲気だった。伊藤英明かと思ったがキムタクが声優をしていた。キムタク恐るべし‥‥。魅力的だし、存在感ある。宮崎監督にハマったから、再度、起用されたのだろうか。すごいね、ジャニーズって。
さらに主人公の母がなまなましく美しい。
ディズニーにはないと思う、この映画のような余韻。あらすじに縛られてないからこその良さ。最高級の画力に裏打ちされたイメージがおしげもなく連投される。
ゲド戦記で感じたが、この世を良くしている正義は、地味でかっこわるいぐらい地道な目立たない努力によってささえられている。この映画にもそれを感じた。
宮崎監督自身の人生のストーリーから想起した映画なら、大量のオウム達(大衆のことかと思ったが、他のレビューを読んで思い直した。一緒に仕事している仲間のことだ。)相棒アオサギやキリコやその他は仕事仲間。主人公は監督自身。自分の宿命と向き合いながらコツコツと誠実にアニメを作ってきた、人生をささげてきた。娯楽消費者の考える想像以上、膨大な労力をアニメ制作は必要とする。