「映像は素晴らしいが、ちょっと残念な部分も」君たちはどう生きるか ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)
映像は素晴らしいが、ちょっと残念な部分も
米アカデミー賞を切っ掛けに鑑賞しました。
前情報を見ていた分恐る恐る観ましたが、特に難しいと感じることはなかったです。至極単純でストレートな物語。ちゃんと台詞やストーリーを追っていれば分かるかと。冒頭の炎の映像が素晴らしく、少年の疾走感や焦り、慄く人の声が緊張感をもたらし、また緑豊かな自然や田舎の町並みが絵画のように美しくて、大きなスクリーンで見れてよかったと思った。芸術作品と海外の観客が言っていたのも頷ける。
物語は、深層心理の世界で少年眞人が次第に感情を見せるようになったり、言葉数が増えてきたりするのがよかったし、中盤の「母さん帰ろう」の辺りは、一緒に気持ちが高ぶってうるっとしてしまった。突然放たれる本音は痛くて辛いけれど、隠されたままじゃなくてよかったとも思った。青サギやワラワラもユーモアがあってジブリの可愛いキャラクターにクスッと笑える。
ただ、すごくすごく残念なのは、一部違和感……というかあまりにも演技が下手な声優さんがいて、そのキャラが出てきてからは途中途中意識が散って物語に集中できなくなってしまった。キャラの口と台詞が合っていないのを観るのは、何十年振りだろうか。いいんだ、あれで……と、ちょっと愕然としてしまった。
私は主に昔のジブリが好きで、さらにアニメ好きでもあり、声優好きでもあります。だから映像、ストーリー、そして声の三つがちゃんとそろって素晴らしい!と納得できないと、なかなかひとにお薦めすることができません。それだけが残念でした。
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