「正直よく分からなかったが、紛れもない宮崎アニメ。」君たちはどう生きるか こうのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
正直よく分からなかったが、紛れもない宮崎アニメ。
正真正銘、宮崎駿の最後の長編アニメだと思い
オスカーを獲ったこのタイミングで
ようやく鑑賞してみた。
同じような人が多いのか、
公開からかなり経つにも関わらず
朝イチでそこそこ席が埋まっていた。
内容については全く知らないままだったので
果たしてどう言うものか期待していだが・・
正直に言うと最初から最後まで話が
よく読めなかった。
私の読解力や感受性が足りないのか。
鑑賞直後も頭には「・・で?」と
ハテナが浮かんでいる。
どうにもモヤモヤ感が抜けない。
どなたかの考察で、
これは宮崎駿の世界を表しもの。
自分が今まで作ってきた世界の終わり。
積み木の数は今までの作品数。
息子には跡を継がず自由にと。
この世界を終わらせたくないインコの王(鈴木P)が
世界の再構築を試みるも崩壊(ジブリの終焉)
・・と言うものがあって、
なるほど腑に落ちた感じもする。
これは宮崎駿の自伝なのだ。
自分が描きたいように描いているので
他人が理解できるようなものではない。
ましてや商業的に売ってやろうと言う
つもりは毛頭ないのだろう。
アカデミー賞はもちろんすごいけど、
手放しに面白かったとは言えない。
それを言っている人は
ものすごく深く物事を見ることができる人か、
よく分からん高級な食べ物を褒めちぎるような
食通ぶった感じの人だろう。
・・と、いろいろ書いてみたが、
映像や演出についてはこれまでの宮崎映画の
まさに集大成といった感じで素晴らしかった。
人物や背景、小物の動きや表現一つ一つに
細かい演出がなされ既視感を覚える。
これぞ宮崎アニメだと思う。
今、この時代にラピュタやもののけ姫を
このクオリティで描けたらさぞすごい映画に
なるだろう。
主題歌の米津玄師「地球儀」は
とても良い歌だった。
それことドラえもんの映画のエンディングにでも
流れたら、多分涙腺崩壊する楽曲だった。
しかし、今作では終始「?」で感情移入が
全くできなかったので、ただのいい歌だなぁ
といった感じだった。もったいない。
子どもの頃から成長と共に宮崎アニメに
慣れ親しんできた。
好きな作品はそれことセリフを暗記しているくらい。
それが、本当に最後かと思うと
寂しいものはある。
宮崎監督には「今までありがとうございます」
そして「お疲れ様でした」と言いたい。