劇場公開日 2023年7月14日

「残念でした」君たちはどう生きるか やまやまさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5残念でした

2023年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

「風の谷のナウシカ」をアニメージュ連載中から愛読し、映画は公開日初日の初回を観た類の人間です。「未来少年コナン」もわくわくしながらリアルタイムで観ました。それだけに、今回はちょっと残念でした。
前回の「風立ちぬ」は、「ポニョ」や「ハウル」のように、言いたいこと・やりたいことをごまかすことなく、監督の人間性が最後の最後にあふれ出た内容だったので、驚嘆し、感動して、最後の作品にふさわしいと個人的に感じていました。
それだけに、今回の作品では、コナンやラピュタ、千尋やハウル、もののけなどの懐かしいシーンや台詞が出てきましたけど、明らかに劣化版のコピー...。有名なアニメーターの方たちが原画を描いているのですから、クオリティはもちろんすばらしいのですが、監督自身がほとんど描いていないので、明らかに生命感や躍動感が違う...。
前回の「風立ちぬ」の試写では、監督自身が「自分の作品で泣いたことがない」と号泣していましたが、それはそうだったろうと思います。それだけ魂が入っていました。でも、今回はどうだったんでしょう...。自分でこの作品に納得がいったんでしょうか?
作品も生き方も大好きな監督だっただけに、「晩節を汚す」という言い方は厳しすぎると思いますが、一つくらいはこういう作品があっても良いのでしょうけど、これが最後のほうが良いように思いました。自分の作品に妥協するくらいなら、長編はもう止めて、「On Your Mark」のような短編に注力したほうが良いのではないでしょうか?
久石さんの音楽もぱっとしない中、米津玄師さんの主題歌だけが救いです。

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やまやま