「迫力重視にしてしまった点」君たちはどう生きるか 眞手結唯さんの映画レビュー(感想・評価)
迫力重視にしてしまった点
冒頭で、主人公の眞人がお母さんを亡くし、代わりに妊娠している妹の夏子に引き取られるということから、その生まれた子と眞人が本当の兄弟ではないなかでどうやって生きていくのか、という流れだと予想していました。
例えば生まれた子が眞人の妹で、喧嘩した眞人がケガをしながらも妹のお世話をしていると、母親を亡くしたトラウマから心を開いて学校に行くようになり、本当の家族のようになったとします。
しかし眞人が学校を卒業して東京へ行き、しばらく働いていると高校生になった妹が彼氏と結婚の約束をしてしまいます。眞人は母親を亡くしたというトラウマを強く持っているので、それを認めません。すぐにやめさせようと妹と彼氏の恋愛を邪魔をしてしまいます。そこで喧嘩になり、本当の兄弟じゃないという本音をぶつけ合い、あまりの怒りに二度と帰って来ないと出ていく眞人。そこから本編に登場してきた通りの流れにすると、さらにストーリー的に面白くなったのでは。
夏子さんがそこで眞人を探しに行き、おじいさんの元へたどり着くという流れにすると。帰ったあとには妹と仲直りして、結婚させようと決断。
本編の終盤でも出てきましたが、積み木というキーワードは決断するという意味だと私のなかで感じたので、母親を亡くしたトラウマを克服し、妹の結婚を認めるという決断をする。そうするとより印象深くなっていたと見ていて思いました。
今までのジブリ作品のなかでも特に迫力があり、他の作品には真似できないような作画をされていたのですが、ストーリー性の乏しさにもったいないなと感じてしまいました。主人公の抱えているトラウマをもう少し感じさせてほしかったです。
以上、長くなってしまいました。私の感想です。