「宮崎駿全部盛り」君たちはどう生きるか あんりさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿全部盛り
まずはアニメーションの描写のこだわりを感じる部分が多くて魅了された。眞人がズボンのファスナーを上げる、水中から浮かびあがる、キリコさんが主に乗りあげる動作などなど、細かい描写にフェチズムすら感じる場面が沢山あったと思う。
ストーリーはさておき、宮崎駿作品の名シーンをセルフオマージュしたような場面が沢山あり、宮崎駿作品のファンなら滅茶苦茶楽しめるのでは無いでしょうか、どうでしょうか
個人的には眞人と青鷺がテーブルに並んでキリコからお茶?をもらっているシーンがポニョに出てくるシーンに似ていてほのぼのして好きでした。
どこかちぐはぐで整合性の取れない設定やセリフのやり取りは、これが監督の頭の中に存在していた存在で、それぞれが独立した世界観を持っていてその世界の条理に従って行動しているからなのではないかと感じられてこれはこれで面白かった。
宮崎駿が自分のアニメーション人生を振り返り終わらせるような内容とも、この某石屋に支配された世界を憂いたような意味深な内容とも取れて興味深かった。(深読みすれば、それが理由で宣伝を打たなかったのかな?など)
向こうの世界での魔術的な要素は最初は西洋的だと思っていたけど、結界的な要素や式神を弾き飛ばすような要素から陰陽的な世界観なんだろうか?
眞人が青鷺の風切羽を使って矢を作ったけど、米を一旦口に含んだことで力を持ったんだろうか、もしくはあの世へ通過するするための神事的な要素なのかしら(君の名はの口噛み酒的な)、など色々考えながら観るのが楽しかった。
あと作品に出てくる沢山の鳥!鳥鳥鳥!鳥が苦手な人はさぞかし苦痛だった事でしょう
あの鳥たちはなんの意味があったんだろう
鳥といえばTwitterを連想します笑
インコはただただ作品をネタとして消費するだけのSNS民への意趣返しだろうかなんてTwitter民の私は思ったり刺さったりしました笑
だとするとペリカンはアニメオタク達かなあ
あのインコたちのフスフスな鼻息がちょっと可愛かった
他にも主とふわふわ達が生殖行為をモチーフにしているだろうという事から、キリコさんは大叔父とそういう関係だったのかも?
久子が2年後に戻ってきたという事はキリコも2年神隠しにあっていたのかな?
宮崎駿は手塚治虫と色々あった、という話をよく聞きますが、最後の青鷺の友達という言葉に、なにか本人達にしか分からないような想いがあったのかな、とうっすら感じました。
個人的に色々考察していくのも楽しいかもしれない映画でした。
エンドロールにまたびっくり
え、菅田将暉だったんだ!!!