「風立ちぬ「生きねば」 からの 「君たちはどう生きるか」」君たちはどう生きるか 大石さんの映画レビュー(感想・評価)
風立ちぬ「生きねば」 からの 「君たちはどう生きるか」
「ラピュタ」や「トトロ」を期待して観に行った人はさぞかし面食らっただろうなと思う。宣伝しなかったのは、「宮崎駿監督作品」という意味を分かってる人だけが観に来てくれないかな、という制作側の良心だったのかもしれない。あとお金かかってそうだから単純な広告宣伝費の削減か。
それでも劇場には小学生らしい子供たちが大勢居た。まあ「ジブリだから観に行きたい」言われたら親は連れて行くよね。
映画の内容について「私はこういうことだと読み解いた」と思ったことを書いていきます。てんで見当違いだったらすみません。
全体は「亡くなったお母さんの代わりに現れた新しいお母さん(しかもお母さんの妹)をどう受け入れられるのか」を主軸にして、並行する世界線が入り乱れる冒険活劇。
「下の世界」は、インコ兵士たちが普通のインコを見て「ご先祖様」と言っていたので、おそらく遠い未来の世界、また、主人公眞人のお母さんが若かったりキリコおばあちゃんも若かったので過去の世界でもある。そんな過去から未来までを網羅した「地獄」。
数字が書かれた扉がたくさんあったのも、過去から未来まで存在する場所だから。最後、主人公眞人とナツコさんとアオサギは現代に、若いお母さんと若いキリコさんはその当時の過去に戻って行くことができた。
その「地獄」では子供が大事。子持ちだったナツコさんは食べられないし、そのナツコさんに会いに行くのも禁忌。過去でも未来でも子供は大事ということだろうか。
あとあの大叔父も未来の眞人だろう。現代において「あの建物は空から降ってきた石からできた」と言っていたのも、ラストで眞人がキリコおばあちゃん人形と一緒に持ってきた「下の世界」の石が、過去に戻って落ちたのだと思う。大叔父が眞人に役目?を継がそうとしたのもそれがあるからだろう。
最終的に眞人はナツコお母さんと呼び、また頭の傷は自傷したものだと告白し成長して終わった。
このレビューのタイトルに関して。宮崎駿監督は最後と銘打った前監督作「風立ちぬ」において、実在の人物に自分の過去を乗っけて「自分はこうして生きてきたつもりです」と紹介した。
本作においては「どう生きるべきなのか、結局、その時その時で最善を尽くすしかないよね」と言っている気がします。
次監督やるとしたら思いっきりファンタジーでお願いしたいです。
ラストの声優、めっちゃ豪華でしたね。全然分からなかった。お父さんはてっきり堤真一さんだと思ってたのに違った(笑
あとワラワラが可愛いかったです。