「映像のワクワク感は凄いが話は面白くない」君たちはどう生きるか yamanoimさんの映画レビュー(感想・評価)
映像のワクワク感は凄いが話は面白くない
主人公の母親が亡くなり、母親の妹なつこが母親代わりになる。
疎開先の学校にも、新しい母親にも、新しい屋敷の世話人にも馴染めずストレスが溜まる。
母親代わりのなつこが甘えさせてくれると思って自傷するも失敗。
そんな中、身重のなつこが森の中の塔にフラフラと誘い込まれるのを見て主人公は助けに行く決意をする。
塔の中には実は宇宙から来た巨大な石があり、その中には異世界が広がっていた。
なつこを探して旅をする主人公。
サギ男やキリコ(疎開先の世話役のばあさんの若い頃の姿)ヒミ(母親の若い頃の姿)と一緒に墓の主を避けたり海を超えたりワラワラが人として生まれ変わるのを見届けたりインコやペリカンに襲われたりしながら冒険する。
塔の中の世界の管理者は主人公の祖先で、主人公に世界の管理を引き継ぎたい。
主人公は拒否。管理者は元の世界に戻ってどう生きるか主人公に問う。友だちを作りますと答える。
インコの王様は管理者になりたかったが、管理の要となる善意の石でできた積み木を切ってしまう。
すると世界は崩壊し、主人公はなつこと和解し、母親はもとの時間軸に戻る。
2年後、仲の良さそうな主人公一家が東京に戻るため出発するシーンで終了。
所々に昔のジブリで見たことあるシーンが散りばめられていた。
足をバタバタさせて靴を脱ぎ捨てるシーン海の見える建物の外壁をよじ登るシーン
コダマみたいな白くてかわいい生き物がワラワラ集まってくるシーン
木のトンネルをかがんで進むシーン
謎の岩が爆発して祟り神の触腕みたいになるシーン
ハウルの動く城の入口っぽいドアが一瞬映るシーン
他にもたくさんあると思う
ジブリっぽい映像が怒涛のように沢山楽しめる作品ではある。
主人公が母親を失って精神的に不安定になるが、異世界を冒険して立ち直り、新しい環境に適応して現実を生きていくというのが主軸だろうが、主人公が自分の気持ちを語らないしずっと真顔だし周りの人が君はこう思ってるんだろと言うまでどういう心境なのかわからない。
前半のテンポが悪い。なかなか話が始まらない。
クライマックスも千と千尋とかのような爽快感や感動はあまりない
宮崎駿の集大成がこれと言われると映像は納得だがそれ以外はうーん…という感じ。