「未来を見据えるために必須な知性と知恵がそそぎ込まれている。」ウーマン・トーキング 私たちの選択 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
未来を見据えるために必須な知性と知恵がそそぎ込まれている。
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二度目に観直して、いったいどれほどの知性と考察が込められているのかと気が遠くなった。女性たちのディスカッションが、幾重にもレイヤーが重なって、われわれが考えなければいけない諸問題をあらわにしていく。それでいて、ちゃんと壮大な世界観を持った物語であり、そこには確実に生活があり、時間が流れていく。女たちが、人生の切羽詰まった話し合いをしながらも、ユーモアを寄り添う気持ちを救いにし、根を詰めすぎる前にちょっと気を抜く知恵を持ち、それでいて、断固とした決意で結論を見出そうとする。劇中で起きていることは実話をもとにした忌々しい悲劇だが、より普遍的な、混迷する現実世界の先を見出そうとする強い意志をストレートに描いた監督の決意に打たれた。てか、サラ・ポーリーはこれまでの監督作を並べてみても、映画作家としてとてつもないポテンシャルを持っているな。
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