プロミスト・ランドのレビュー・感想・評価
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【マタギの誇りを護る二人の若者の姿を描いた作品。】
ー マタギは東北地方で古くから、先祖代々継承されている。
近年では減少傾向にはあるが、有害駆除だけではなく熊を山の神と称え、自然への畏敬と共生を図る民として、貴重なる存在である。-
◆感想
・本作の舞台はエンドロールを見ると、山形の庄内地方の様である。出羽三山に囲まれた土地であり、特に月山の山深さは特筆である。
・今作では、”何も分かってはいない”お上からのお達しで、早春の熊猟のを禁止されたマタギたちの中で二人の若者が、禁を破って熊猟に出る姿が描かれる。
追い込み猟である。
熊を追う者、逃げる熊を遠方からライフルで撃つ者。
<現在、マタギを主人公とした映画は殆どない中で、貴重な作品ではないかと思う。飯島監督はこの作品が長編第一作だそうであるが、次回作にも期待したい。>
<2024年9月8日 刈谷日劇にて鑑賞>
こんな映画があってもいい
監督と杉田くん舞台挨拶あり、撮影秘話(先にドキュメンタリーを撮った等)が興味深かったです。監督がこんな映画があってもいいんじゃないかなっておっしゃってて、、静かだけれどそれが良かったです。冒頭で大好きな渋川さん三浦誠己さん小林薫さんがチラッと出てきて、わあお!と興奮しました。主演のお二人はもちろん素晴らしかったです。
私にはぐっときました 雪山ずっと歩くシーンなんて眠くなっても良いは...
私にはぐっときました
雪山ずっと歩くシーンなんて眠くなっても良いはずなのに、
最後まで食い入るようにみてた
ところどころ泣かされた
キャスティングも良かった
真っ直ぐな映画でした。
昔好きだった飯嶋和一原作との事で観賞しました。
先祖代々、熊狩りを行っている集落に住む若者が、環境省から今年の熊狩りを禁止されそれに反発し狩りを行って警察に自首するまでが描かれます。マタギの若者達の行動は自然への畏敬を持たない環境省(都会人)への無自覚か抗議なのかな?と感じました。
ここで描かれる自然はとても厳しく恐ろしく、グランピングやらソロキャンプやらで描かれるアミューズメント的なものではない。獲物である熊を殺してその血を啜り毛皮を剥いで解体する行為にも自然な尊敬が溢れていて、高額なペットを売り買いし、挙げ句の果てにビニール袋に詰め込んで処分してしまう人間達とは対極にいるように感じます。
動物を殺し売る事は変わらないのに、全く違うものだと確信するのは何故なのでしょう。
若者二人の設定も秀逸で、マタギの家系のプライドと人生の鬱屈を全て熊狩りにかけ取りつかれている男、閉鎖された集落と時代遅れな熊狩りの習慣に嫌気がさしている男。この全く相容れない二人が熊を追い狩る行為の高揚を通して束の間心を通わせ、別れて行きます。
山に入り熊を狩り帰ってくる、ただそれだけの映画ですが、自然や人間社会の事を考えてみる少しの契機になりました。
懐古的で強烈なリアリズム、現代的なようなめっちゃ古くさいような・・・
なんか響きのいいタイトルに惹かれて観賞したものの、なかなかきついテーマ、これを享受できるのはかなり限られるのでは・・・と思ってしまう内容で、多少引いてしまいました。とはいえ、徹底したリアリズムと、結構質が高い映像・音響・演出で、意外と最後までしっかり見切ることができました。でも、ひたすら淡々と歩き続ける描写には眠気が・・・その果てには結構な緊張感があって見入るほどでしたが、あまりのリアルな雰囲気に、やっぱきっついなぁー、と思ってしまいました。
もはや現代にはそぐわないような内容と思うと同時に、当時の社会ではああいった雰囲気も当たり前のようにあった気がします。
人々の気持ちそれぞれに対してあまり理解や共感はできませんでしたが、普遍性も感じたので、古くさツ!と切り捨てるには安直のような気もします。とはいえ、やっぱ、しんどい作品ですねー・・・
快楽殺熊
環境庁の通達が県の自然保護課に降りて、今年の熊狩りが禁止される中、豚箱入りをわかっていつつ狩りに出る若者の話。
マタギがどうの伝統がどうのと言っているけれど、車の中で信が言っていたことがド正論と思ったけれど、原作は40年前のものなんですね。現代劇で今更作られても…。
アイデンティティがどうのと言いたいのかも知れないけれど、もしかしたら2度と出来ないかも知れない熊撃ちを、どうしてもやりたくて迷惑をかえりみず我を通した勝手な若者にしかみえず。
強いて言うなら礼にあれだけ言って結局手のひら返した信の機微はいくらか考える余地はあるかもと思うけれど、結局お咎めは?
作中半分以上は会話もなく山を歩いたり熊を捜したり待ったりで、雰囲気作り込みでも半分の尺で充分な気がした。
自然に対する畏敬を見た
東京ではひとつの映画館でしか上映されておらず、
内容もマニアックでストイック。
ある年、役所から熊撃ちを禁止されるが、
納得できずそれを破り、
マタギの若者ふたりが
山に入り、熊を撃つ話。
それ以上でもそれ以下でもなく。
自然、そしてそこに生きるものに対して畏れ敬う。
人間はそのような感覚を徐々に失いつつあるのではないでしょうか。
熊を撃つ、ただそれだけのストーリーの中で
見事に、自然を、そして熊を
畏れ敬う感覚を見せてくれた映画でした。
若きマタギのひとりに貫一郎。
デビューしたての頃はそんなに感じませんでしたが、
ふとしたときの話し方や動きに
父親である佐藤浩市が見え隠れしています。
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