「Future is Yours」しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Future is Yours
去年、新作映画の情報が発表された時は本当に大丈夫なのか?と不安になりましたが、大根監督が監督と脚本を担当する事や、3Dのクオリティがとても高いのもあり、日に日に期待値は上がっていきました。
そしてその期待を超えていく傑作に仕上がっていました。笑いあり涙あり、これぞクレヨンしんちゃんだと言わんばかりの楽しい楽しい映画になっていました。
20と23が並ぶ年に宇宙から2つの光が地上に舞い降り、その光が当たったものには超能力が宿る…というなんだか久々のファンタジーなしんちゃん映画になっていました。
登場人物も今作はかなり絞られており、幼稚園に野原家、あとは怪しい超能力支部の2人とノストラダムスのパクリの襲名と、人生を諦めている青年とまとまっているので、その点でも観やすかったです。
メッセージ性はとにかく火の玉ストレート。人生の負け組だと思っている大人たちを励ませて、頑張れ、頑張れと強く強く問いかけていました。観る人によってはこの問いかけがど直球すぎて暑苦しい、綺麗事だと思うかもしれません。ただしんちゃんが発する頑張れには何も濁った感情は無く、心からのエールかま込められていたので、非理谷の過去と対峙するシーンはずっと胸を打たれていました。
今作の笑いどころはたくさん用意されており、野原家の人間離れした身体能力(チャリで塀の上を爆走、にも驚かされますが、ギャグの切れ味がこれまた抜群でした。
振り切ったバカバカしさも最高で、しんちゃんがここ数作では潜めていたスケベな感じが復活し、綺麗なお姉さんの胸に飛び込むというシーンが沢山盛り込まれて、このテイスト久々だなぁとなんだか嬉しくなりました。
しんちゃんのボケを高速ツッコミで拾っていくのも好きですし、ひろしが真面目なセリフを言ってるのにパンイチな事を指摘されて雰囲気が和んだりしていて微笑ましかったです。劇場にいた子供たちもゲラッゲラ笑っていたので、その笑い声が聞こえてきて自分も大満足できました。
3Dになったからという所での違和感は特になく、寧ろしんちゃんたちのモチモチ感が表現されていてとても良かったと思います。出番こそ少なかったですが、シロはやはり3Dになっても愛らしさ抜群です。
カンタムロボでの戦闘シーンはとても見応えがありました。派手にカンタムパンチを撃ったり、ダイナミックに動き回ったり、ケツだけ星人やったりと遊び心満載で楽しかったです。非理谷の最終形態のモンスターのデザインもかなり好きでした。もう少し派手にバトルするシーンがあればなぁとは思ってしまいましたが。
手書きアニメでは表現出来なかったものをこうやって表現してくれていたので、3Dの恩恵はしっかりと感じられました。
松坂桃李さんの役作りは声にまで…!情けない大人の非理谷と、力を得て悪意マシマシになった非理谷の演じ分けが見事だなと思いました。
空気階段の2人もキャラに合った渋い演技を好演していてお見事でした。
鬼頭さんは言わずもがな、ボケもツッコミもこなしていました。
毎年誰が主題歌を務めるのかワクワクで待っていたのですが、サンボマスターが主題歌と発表されて嬉しすぎて飛び上がりました。主題歌の「Future is Yours」も本作と並ぶ様に真っ直ぐなメッセージが詰まっていて、マンガ形式で進むエンドロールも相まって楽しさが最後まで持続していました。
来年はここに来て恐竜!?という衝撃はありましたが、本格的に夏興行に移行するのかな、どんなハチャメチャな映画になるのかな?と来年以降もしんちゃん映画と共に過ごせるシーズンが楽しみです。オッホホ〜イ。
鑑賞日 8/4
鑑賞時間 11:30〜13:15
座席 O-12