「人の命」ワース 命の値段 りかさんの映画レビュー(感想・評価)
人の命
大惨事で人命が失われた時、国や会社が遺族にできることとは‥‥?
初め国の方針通り、計算方式で一人一人の給料にあった補償金を出すつもりだったケン•ファインバーグ弁護士。
最初から皆平等、一律という意見もある中。
同性愛カップル、消防士の兄と弟、を始め様々な被害者から実態を聞き到底ファインバーグ弁護士の計算方式では解決しきれないと痛感するスタッフたち。
また反対に役員待遇の人へ上限引き上げを持ちかけるリー。
補償基金分配プロジェクトである故、湯水の如く出すこともできない。
また図らずも、同性愛カップル、州によって認められない、ややこしいアメリカ🇺🇸、また亡くなった人の両親から認めない、と言われるもう片方の人。
消防士の亡くなった弟の方、あろうことか、
別家族の存在がわかり、弁護士は隠そうとするが。弟の妻は夫に亡くなられ、裏切られダブルショック。夫の兄は知っていて庇う。だけど、この奥さん偉い❗️夫の子供だからと言い聞かせたんだろな。
被害者支援のチャールズと何度か話し合い被害者の気持ちを聞く中で、ファインバーグ弁護士は自分の間違いに気づく。
一人一人と話し、それぞれの事情を聞き考える中で、必ずしも一律に計算などできるものではない、と。
このただただ被害者並びに遺族の為、そして国の為にと無報酬で考え奔走するファインバーグ弁護士の変容を見ることはできる。
しかし、最初の計算方式を取り入れているわけで、どのように人々に分配したのかは描かれていない。
ただ7000人という人数を見れば、ファインバーグ弁護士相当優秀であり大変な苦悩を乗り越え偉業を成し遂げられた功労者と言えるだろう。
『沈まぬ太陽』(特にTV版)でも、被害者遺族への賠償金申請について何年も担当者が足を運び対応する苦労が描かれていた。本作の同性愛カップルの事例のように夫を亡くした妻の為である筈が、夫の両親が口を挟んで来てややこしくなって妻が精神的に追い込まれる様子も描かれている。
また.現在の日本では遺族が被害者が亡くなった際の真実を知ろうと裁判を起こそうとすれば被害者の生涯賃金を算出していく内容でしかできないらしい。聴覚障害を持つ10歳の女の子だったが、親としては障害有りで減額される事に再度ショックを受けてお金欲しさでなく一人の人間として見て欲しいと願っても誤解されかねない現状に愕然とする様子がニュースで映し出されていた。
そして3.11の大川小学校裁判に於いても、県•教育委員会•学校と闘って補償金を勝ち得たが、親にとっては、子供が帰って来てさえくれればいいのである。
2024/8/6たまたま鑑賞。
遺族の話で、夫を亡くした方、夫はエレベーターが満員だとわかると自身は諦めて他の人に譲り次を待つ、と言った。次は来たのか、妻に電話してユーモアも言うが、呼吸できなくなった、と電話を切る。
二度と電話もかかって来ないし、‥。
なぜこんな人の良い方が犠牲になるのか⁉️
犠牲になった乗務員の姉、体調の悪い同僚とフライトを代わってのこと、と。親切にした方がなぜ⁉️と
また改めて思ってしまった。
イイねコメントありがとうございました。お金の問題は難しい😓。
でも ほぼ寝てたので すっかり忘れてしまいました。
ただ 大阪はディープですね。怖いもの見たさで一度行ってみたいです。
ほんとに純粋な国の人道的支援ならば、被害者遺族に一律支払うべきなんですが提訴権放棄を前提とした有償の補償金なので、高所得者を含めた一律給付は難しいでしょうね。それは被害者遺族も承知なんでしょうけど、やはりもう少し配慮してほしかったんでしょうね。私もケンたちの誠意が伝わって人々は納得されたんだと思います。
ちなみに私はりかさんがおっしゃるような賢い人間ではありません。ただの町民です(笑)。これからもお互い良い映画ライフを送りましょう。
おはようございます。コメントありがとうございます。聴覚障害の女の子の裁判は私も憤りました。判例主義の弊害ですよね。
いまだに障碍者が健常者ほど稼げないという偏見。聾啞であっても弁護士になってる方もいれば、全盲ろうでも東大教授にまでなっている福島智さんの例もあります。そんな現状を見ようともせず障碍者だからと一律に決めてしまうのは本作のケンの最初の態度と変わりないですよね。
司法が障碍者差別を追認するような判決を出すことはほんとに愚かです。司法は本来弱い者の味方であるはずなのに。
聴覚に障害があるため賠償金が減額されて、
心を痛めた(不公平ですね)両親の裁判のニュースは聞きました。
よく覚えています。
本当に賠償金の裁定とは難しいし、限られた程度時間内で7000人。
大変な仕事でしたね。
20年以上前の賠償の話が映画になったのですね。
りかさんのレビュー、とても勉強になりました。
「沈まぬ太陽」はまだ観てません。
観るべきですね。
ありがとうございます。