「玉響」青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
玉響
友人に教えられてから青ブタのアニメシリーズと前作の映画を見ましたが、青春の爽やかさと思春期症候群の苦しさもどかしさを同時に味わえ、この作品の虜になりました。原作小説も読み進めています。
そんなハマり具合絶好調のタイミングでの今作はもう楽しみで仕方がなかったです。劇場も朝イチでしたが結構埋まっていて嬉しかったです。特典は書き下ろしの小説です。
心がブルブル震えました。かえでが花楓になる瞬間、そしてかえでと花楓が共に生きていく描写が鮮明に描かれていてとても良かったです。そこに咲太の優しい言葉が突き刺さって、青春を感じれる作品が好きな自分にはドンピシャでした。
原作小説まで追いついていないので、内容は完全に初見ですが、アニメシリーズ、前の劇場版を彩ってくれたキャラクターたちが今作でも輝きを放ってくれていました。
今作は花楓が高校受験をするか否か、かえでと自分との葛藤をしっかりと映し出した作品でした。花楓が抱えるかえでの時の友情や夢から脱却するためにゆっくりと、ゆっくりとですが外の世界へ足を踏み出すように進んでいく様子がとても健気で美しかったです。
受験を受ける中で頑張った午前と、同じ制服を着た子と目が合って心が折れてしまった午後。これだけでも花楓頑張ったなと声をかけてあげたいくらいなのですが、花楓は納得できない、もっと出来たはずなんだと悔しがっている様子は胸を打たれました。こんなに頑張ってるんだな、凄いなと感心するばかりです。
咲太が花楓にかける言葉がとても優しく、ちょっとしたジョークを挟みつつも、花楓の事を本当に大事にしているんだなというのがひしひしと伝わる言葉に、花楓と同じくらい自分も救われていました。
卯月ちゃんが通信制の高校に通っている事を見つけて、花楓の進路の一つを開拓する手伝いをする所もとても男前です。
メインキャラたちも満遍なく登場していて、正妻な麻衣は咲太家でたくさん料理を作ってくれてますし、双葉はいつも通り実験室、古賀ちゃんはムチムチになった制服を着てファミレス、のどかは咲太家に海に車に総登場、それぞれのヒロインたちも思春期症候群から離れ、伸び伸びと日常を過ごしていました。なんだかホッコリしました。
自分は受験で苦労したことがあまりない(偏差値が特別高くなかったので、サラッと合格できたので花楓と一緒にしてはいけない)ので、受験ってこんな難しいのか…となんだか痛感させられました。
花楓の通信制の高校へ進む選択も彼女らしい、花楓が自分という存在を際立たせたなと思いました。こんな短い上映時間の中で成長を感じられるとは…。作りが本当にお見事です。
5月に観光で江ノ島に行きましたが、場所によっては富士山も同時に拝めたのか…ぜひ次行く機会があるのであれば、あのショットから映画の構図のように眺めてみたいなと思いました。
遅れてきた青春を彩ってくれる青ブタに感謝が尽きません。冬に公開が決まったランドセルガールもとても楽しみです。
物販でアクリルスタンドが売っていたので、誰を買おうかなと思っていましたが、なんだかムチッとなっていた古賀ちゃんを買ってしまいました。自分も青春ブタ野郎です。
鑑賞日 6/23
鑑賞時間 9:40〜11:05
座席 P-35