きみの色のレビュー・感想・評価
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学園祭での歌詞
映像がきれい。前半は、まったり進むストーリーで、後半から何か出来事満載で展開が進んでいった感じがした。盛り上がりの学園祭での歌詞が、二曲目を除いて聞き取れなかった。私は、還暦すぎているので、耳が相当悪くなったのかしら?と思ったが、「歌詞が聞き取れない」とコメントしていた方が、いらっしゃたので安堵しました。監督や製作会社、配給会社の人たちは、そこのところをきちんと確認したのかしら?試写室ではなく、それなりの会場等で確認してから、本上映して頂きたい。作品てしては、良かったので、その点が残念でした。
ミッションスクールに通う女子高生×2と離島で暮らす男子高生の、将来への悩みを抱えながらもバンド活動に勤しむ姿をゆったりと描いたドラマです。良作。
山田尚子監督作品なので観ておこう、と思ったのですが
予告編を観ても内容がいま一つ頭に浮かんできません。・_・;
題材は何? 音楽? 踊り? そして 色?
うん 気になります。
気になる作品はやはり観ておかなければ というわけで
鑑賞してきました。
鑑賞開始。
ミョションスクール。通う女子高生2人。
一人はトツ子。 3年生。髪がクリーム色(金?)の子。寮生活。
一人はきみ。 トツ子の同級生。祖母と二人暮らし。
そしてもう一人。男子高生ルイ。離島で医者の母と暮らしている。
トツ子たちの学校生活は、お祈りに始まりお祈りに終わる。
規律違反をやってしまったなら、反省文と奉仕活動。
みんな良家の子女なのだろう。揉め事など特に無さそうだ。
トツ子には変わった能力がある。人の色が見える。
人ひとり一人には色が付いていて、彼女にはそれが見えるのだ。
中でも、色が鮮やかではっきりと見える人がいる。
その中の一人が ” きみ ” だ。黒髪ロングの子。
体育でドッジボールの時間。トツ子ときみのチームが対戦中。
きみの色に見とれていたトツ子。
” あの子、綺麗な青 ”
きみが投げたボールに気がつかず、顔面キャッチ。 きゃー。
” 大丈夫? ” と駆け寄ってきたきみ。 冷汗たらたら。
” 大丈夫… ” と応え昏倒するトツ子。 鼻血だらだら。
こんなきっかけでも、きみとの接触が嬉しいトツ子。
翌日、きみの姿を校内で探すが見当たらない。
数日後、きみの友人を見かけてきみのことを尋ねると
” 彼女、学校を辞めてしまったの ”
胸に穴。ぽっかり。そんなトツ子が耳にした噂。
” きみを街の本屋で見かけた ”
もう一度会いたくて、「 街の本屋」を探し歩くトツ子。
と、トツ子の足元に白いネコがすり寄ってきた。
白ネコに導かれるように付いて行った路地の先。一軒の本屋。
「…しろねこ堂」
店に入ると、訊いたことのある曲。学校の聖歌隊の曲だった。
そして、カウンターのそのまた奥に、” きみ ”がいた。
この店で、もう一人の登場人物との出会い。
ルイはたまたま入った店できみを見かけて気になり
きみもまた、入ってきた客=ルイの事が気になって。
トツ子が ” きみとバンドを組んでる ” とウソを言ってしまい、
その言葉にルイが反応する。
” 入りたい ”
こうして、この出会いの「何となく」の流れから、この3名のバンド
が結成することになるのであった。・_・
◇
その後の活動。
練習場所に、離島の古い教会を使用し
次第に演奏機器も増えて(ルイが拾ってくる ・_・♫)
学校を辞めたことを祖母に言えないでいる ” きみ ”のため
修学旅行に行ったコトにしなければいけない " きみ " のため
仮病を使って自分も修学旅行に行かないことにして、
きみを寮の部屋に泊めてあげるトツ子。…規則違反。
(結局バレて二人揃って奉仕活動… *_*)
離島に着た日に天候が荒れて連絡船が欠航となってしまい
帰れなくなったトツ子ときみが廃教会に泊まれるようにと
ルイが母に内緒で毛布とかを調達し一緒に泊まったり
そのことを報告したシスターが、3人が島に一緒にいるのはバン
ドの練習のためだから「必要な合宿」との計らいをしてくれたり
(良いシスター♡ ヘタすると無断外泊+不純異性交遊…)
3人それぞれが曲を作って、それをパレンタインコンサートで演奏
することを目標に、ゆるゆると頑張る3人。
果たしてコンサート演奏は成功するのか。
◇
この作品、好きです。
鑑賞後にじわじわと感じる幸福感。 といいますか。
ふわふわ くるくる
そんな形容が頭に浮かんでくる水彩画のような世界の中で
登場人物たちが織りなす、穏やかなお話を楽しみましょう。
スローテンポで派手なイベントも起きない内容です。人によって
は、物足りないと感じる人も出そうですが、この作品、
その地味なところをゆったりと味わう作品かと思います。
(あ 地味って言っちゃった ・_・; けど好きです)
鑑賞して良かった作品です。
充分楽しめました。
◇あれこれ
■舞台はどこ?
関西弁が聞こえた気がするのですが、関西から修学旅行で
いろは坂(日光?)って行くものでしょうか? とすると
関東?東海? うーん。舞台はいったいどこなのでしょう。
離島との往来がある世界。瀬戸内とか長崎とかかも? とも
思ったのですが、船が欠航するくらいの雪は降るのでしょうか。
気になってます。うーん。
■トツ子の髪の色
母親と同じ、クリーム色(金色?)でした。
欧米人と日本人のハーフという設定なのか、地色があの色なのか。
ミッションスクールに通っていること、寮暮らしをしていること。
それも何か理由があってのことなのか。 …気になります。
※トツ子が愛されていないとかでは無い。それは分かります。
あ、それと「トツ子」って名の由来も気になります。
…もしや 凸子? うーん。・-・
■色がキレイな人達
音楽とかバレエとか、芸術的な世界を内面に秘めているヒトが
鮮やかな色に見える …ということなのでしょうか。 はて。
思えばストーリーの早い内、トツ子の目にはシスター日吉子にも
綺麗な色が見えていました。シスターも何か特別な一面がある人
なのかな? と気になっていたのですが、シスターもこの高校の卒
業生で、在学当時バンドを組んでいたエピソードにつながる伏線
になっていました。
トツ子たちの演奏を聴きながら、くるくると周りながら会場を後に
す姿が印象に残ってます。
◇最後に
トツ子がバンドを始めた時、クラスメートに「ガールズバンド」と
言っていた気がします。コンサートでのバンド演奏当日、メンバーの
一人が「男」と分かり、問題となる展開なのでは? と心配したのです
が、杞憂でした。 残念…。あ、いえ。 ・_・;;
別にルイ君の女装姿が見たかった訳では…。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
いいんじゃないでしょうか?
昔、小学校としては当時珍しいブラスバンド部の第一クラリネットを担当してソロ演奏などもこなした音楽の得意な子どもでしたが、中学生になると何故か音楽への興味が少し薄らいでしまい、兄の持ってたフォークギターの『F』がうまくおさえられないまま今に至っています。ただ演奏は断念したものの、鑑賞側では今でも幅広いジャンルの楽曲を聴く怪しいオジサンで、かつては『超ウルトライントロ』も結構当てられることを自慢してたことも!
兄は今でもオヤジデュオを趣味でこなすなど積極的な音楽活動をしていてなんだか羨ましく感じる今日この頃。青春と音楽、なんだかいい感じです。監督作品への過大な期待値からか色々賛否両論(否が若干目立っている気もしますが)あるのはわかる気がしますが、純粋に美しい映像と音、ちょっと歯痒さも感じる青春群像、嫌いじゃないですね。短い時間に収めすぎでキャラの説明不足感は否めない気もしますが、そこは想像力を駆使して観てみました。
ほっこり系のトツコ、『金の国〜』の王女を彷彿とさせます。「迷ったら困難な道を選びなさい!」でしたっけ?出色は主人公の女の子たちより重要な役どころのシスター(ガッキー)でしたね。彼女が学園祭(?)での演奏を提案した理由の伏線回収が(予想はできましたが)とてもよかったです。彼女のおかげで三人は一歩前に進めたのでは?
前半の(後半も?)緩やかな展開に少し眠気もありましたが、正直何の予備知識も先入観も持たずに鑑賞したおかげで爽やかな印象で観終えることができて幸せでした。続編あれば観てみたいです。いい作品じゃないでしょうか?私は好きです。
追伸
こんなこと書くとキモいオヤジと思われそうですがきみちゃんの足、キレイでした。
青春時代を美しく描く
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主人公の女子高生・トツ子。クールな元同級生・きみ。
住んでる島で家業の病院を継ぐ宿命の男・レイ。
この3人がひょんなことからバンドを組むことに。
きみは学校を勝手にやめたことを祖母に言えてなかった。
なので修学旅行の日は帰ることができず、泊まる所がない。
でトツ子が仮病で旅行をサボり、寮にきみを泊めてあげた。
これが学校にバレて2人は奉仕活動をさせられるが、
生徒思いの先生は退学者のきみを、学園祭に誘う。
そこでバンドの演奏をしてみないかとのこと。
レイの島の廃協会での練習中、大雪で帰れなくなって、
そこで3人は語り合って友情を深め、勇気を得る。
レイは楽器を練習してることを母親についに言えて、
きみも自主退学したことを祖母に言えた。
母親や祖母も見に来てくれたそのライブは大成功。
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純粋な少年少女がやりたいことを一生懸命やるというお話。
何故おれはこういう話に弱く、涙が止まらないのだろう?
おれの高校時代は人目ばかり気にする生き方で、
自信などなかったし、目立つようなことは全くできなかった。
自分のやりたいことが何なのかも分かってなかった。
仲のいい友人はいたが、共に何かに打ち込むなんてないから、
心から共感し理解し合うなんてことはなかったように思う。
そんなつまらん高校生活ゆえに勉強だけはちゃんとして、
その先に今の良い人生がある。だから後悔なんて全くない。
でも無いものねだり的な憧れが心の底に消えないのだろう。
若いうちから人目なんて気にせず真っすぐ生きられてれば、
若い頃にしかできない多くの経験ができたことだろう。
それを登場人物達が代わりにやってくれるから、
思わず感動して涙が出てしまうんじゃないのかな。
そういう涙の後は本当にスッキリする。いい映画だった。
それにしてもトツ子が作詞作曲した曲は実に名曲。
すいきんちかもくどってんアーメン~♪
見終わった後ずっと頭の中を回り、鼻歌で歌ってた。
高校生が思いつきそうな歌を上手く表現できてて秀逸。
ミッション系の学校だけにね。
聖歌
悪天候による思わぬ合宿。青春ドラマ鉄板の舞台。深まる相互理解と抑圧への気付き。わかりやすい抑圧ではない。むしろ善意しか存在しない。しかし圧を感じ、跳ね除けたくたる若者たち。実に繊細な構図である。ほんわかしているが、何かの拍子で崩れかねない危うさもある。 音楽の抑揚と映像の絶妙なハーモニーは名人芸。それぞれの演奏がいちいち音と映像と呼応して、なんとも言えない高揚感がうまれる。その曲きた〜で上がる場内、踊るシスターズ。涙腺を刺激する。 挙げ句に、そこでお前が走り出すか。海に向かう見事なバックショット。めっちゃベタだが、それでええじゃないか。 ふたりの色を鮮やかに照らしだす、あなたは光かな。トツ子の癒しキャラに温まる。
変えられるもの。変えられないもの。
中国で開催された国際映画祭にて最優秀アニメーション作品賞を受賞した作品。 普段アニメ映画はあまり観ないのですが、たまたま空いた時間に丁度上映していたので観ることに。思いがけず素敵な作品に出会えてなんだか得した気分です😊 すごく優しいタッチで描かれたキャラクター達とその雰囲気に合った声。流れる音楽や景色、その全てが観客を優しく包みこんでくれます。キャラクター達の動きがとても可愛らしく微笑ましかったです。 ストーリーは、誰か死ぬとかゾンビが出て来るとか、重大な事件が起こるわけではありません。しかし、バンド結成の流れや、作曲のプロセス等にはワクワクしましたし、それぞれが打ち明けられない悩みを抱えていたりと、起伏のあるストーリーになっていたと思います。「色」を使った演出も良かったです。 変えられるもの。変えられないもの。変えるための行動。受け入れるための葛藤。誰しもが大小の差はあれど悩みを抱えて生きています。そんな悩める全ての人の背中をそっと押してくれるメッセージがたくさんありました。仕事で疲れ切ってた私は凄く癒されました😭 結構キリスト教が関わってくる辺り、観る人によっては刺さりにくい場面はあるかもしれません。それでも、爽やかで優しい気持ちに溢れた今作は、きっと観客の心を癒してくれるはずです。
期待外れ
本作が好きだと感じた人には、確実に気分を害する内容と思うので、読まないでください。
まず、他人の色が見えるという主人公の特性。
非SF作品でも、多少のフィクション要素が物語に彩りを与えるものだが、本作では主人公の特性が、物語の展開に全く活かされておらず、別にこの設定なくてよかったよね?としか思えなかった。
主人公は最後に、自分の色に気付くのだが、色とストーリーが説得的に結び付いていないので、だから何?という感想。
色の場面の演出も、センスを感じない。
きみの色という割に、色に物語上の必然性が与えられていないのは、いかがなものか。
次に、主要キャラの魅力のなさ。
上記のとおり、主人公の特性は全く展開に活かされないため、ただの不思議ちゃんである。
あからさまに冴えないよう描かれたルックスも相まって、現実世界なら陰湿なイジメの標的になっていてもおかしくないだろう。
きみちゃんは美少女で性格も良いようだが、これといったキャラづけもなく、ひたすら地味。
メガネ男子は見た目はイケメンだが、話し方が女々しい陰キャで、主人公やきみちゃんとの恋愛展開もない。
制作陣は何故わざわざ男子を配置したのだろう?
主人公は男子禁制の全寮制女子校で、異性との交流が固く禁じられている設定と思われたが、メガネ男子は当たり前のように主人公らと組んでバンド出演を果たし、そこに何の葛藤もない。
正直な話、知的で生白いイケメンとバンドを組んで青春を楽しみたかったという、オバ…中年女性の気味の悪い妄想を見せつけられたのではないか?
※中年のリビドーを反映した作品自体を否定するわけではないが、こちらは爽やかな(ほろ苦い)青春映画を期待して行ったのである、、
最後に、ストーリーの薄っぺらさも指摘しておく。
(観客の立場からは)よくわからないきっかけで、きみちゃんとメガネ男子は、家族と向き合うことを決意したようだが、そこの過程は殆どすっ飛ばされてしまった。
それぞれの家族にライブ観に来てくださいと懇願し、それに対する家族のアンサーも描かれることもなく、ライブの場面へ。
ライブ後は適当な後日譚が描かれ終了。
何なのこの茶番?
かといって音楽活動に向き合う描写もない。
主人公やきみちゃんは初心者だという割に、なんの葛藤もなく作品を完成させているし、メガネ男子も、親に隠れてという割に何の障害もない。
水金地火木土天アーメンは耳に残る良曲で、その評価としてギリギリ星0.5をつけます。
上映時間中、ひたすらつまらなく、苦痛でした。
本作が気になる方は、サブスク配信で十分です。
※追記
ある人が「この作品は、あえて嫌な部分を徹底的に排除して、女の子からみた綺麗な世界のみ描いている」とレビューされていたのを拝読し、腹落ちした。
なるほど、たしかに本作には主人公らに対して嫌なことを言う奴が全く出てこない。同級生も、教師も。
そういえば、父親も出てこない。
※見送りの場面で父親が出てくるとの指摘を受けたので、訂正します
主人公以外の二人は父親不在の家庭であることが明示されているが、両親がいるはずの主人公も、何故か、母親しか会話のシーンがなかった。周りの大人たちは、主人公らに暖かい声援を投げかけこそすれ、厳しく説教はしない。
そのような方針で作品を作ったようであることは、何となく理解できたが、なおさら、この作品を通して観客に何を伝えたいのか、私には理解できなかった。
※再追記
様々なレビューを読み漁ってみたが、結局のところ、本作はそれっぽい雰囲気とビジュアルを楽しむべきもので、(公式サイトの宣伝を事前に読んだ上で)青春映画として期待して観てしまったのが、そもそも間違いだったように思う。
酷いというより、私にとって期待外れでした。
ストーリーを省き過ぎ
大筋のストーリーは悪くはないのですが、各キャストの生い立ちや、各エピソードが細かく描かれていないので作品に入って行きづらいです。
極力、無駄を省いて雰囲気に浸る作品にしたかったのかも知れませんが、私はストーリーを細かく追いかけながら鑑賞するタイプなので、ちょっと物足りなさを感じました。
他人の色が見えるという設定についても同様で、細かい人物描写よりも雰囲気で表現したかったのだと思いますが、私としては色なんか見えなくていいから、ストーリーを細かく描いて欲しかったです。
印象派?
自分は絵画を見て凄いと感じることはありますが、なぜ凄いと感じるか説明はできません。 この作品を見て思ったのは上記と同様の印象です。 画面はきれいです。音もすごい。でもストーリーが無いに等しい。 いつの間にか、クライマックスになる、そんな感じです。 芸術的なセンスががある人なら楽しめるかもです。
きみのギターを弾くシーンが良かった
全寮制のミッションスクールに通うトツ子は、幼いころから人が、色、として見える特異な能力を持っていた。そんなトツ子は、同じ学校に通っていて美しい色を放つ少女・きみ、と出会い、また、街の古書店で出会った少年・ルイと意気投合し、3人でバンドを組むことになった。古い教会を練習場所にし、3人は音楽によって心を通わせていき・・・という話。 ほんわかした絵のタッチで優しさに包まれる様なストーリーが良かった。きみがギターを弾いてるシーンが個人的には1番良かった。タイトルの、きみの色、はきみのことなのかな。 トツ子役の鈴川紗由の声はほのぼのとしてて聴き心地良かった。きみ役の髙石あかりはキャラに合ってた。 シスター日吉子役の新垣結衣は優しく包むような声で凄く魅力的だった。ガッキー、声優だけでもいける、と思う。 欲を言えば、きみがギターを弾いてる時の手の動きと音がズレてて気になった。難しいのかも知れないが、そこはなんとかタイミングを合わせて欲しかった、と思った。
映像美と設定が良い!観て良かったです!
総評
脚本と絵作りの勉強として観ました。とても勉強になりました。
アニメーションの表現が素晴らしく、また観たいと思える作品です。
以下、評価。私の戯言です。世間との良い悪いのズレがあると自分
でも感じています。
表記
主人公
青の女性
緑の男性
良かった点
〇始まりは設定の説明。主人公は他人の色が見える。
聲の形とかと一緒で、脚本の中に非日常要素、魔法が1つだけ使える
としたら、この設定は最高。すごい思いつき。
〇日常から青色の女性を好きになるシーン。そして、青色の女性が
突然学校を辞めて、主人公の日常からいなくなる事がきっかけで
1stターニングポイント。ここまでめっちゃ好き。
〇本屋で主人公が行動した事で、青と緑、縁が繋がった表現好き。
〇お楽しみシーン、音楽を通して仲良くなっていくシーンが、プラス
の事柄とネガティブな事柄がうまく回転していて、観ている人の心
を揺らすのが上手だ。
〇クリスマスプレゼントのシーン、色が視える演出好き。
〇音楽作ってる時、青の悲しみの音楽を緑が包み込むシーンが好き。
改善点
〇何を基準に良い色なのかわからない。悪い人、危険な人は何色なの?
色別する能力の説明不足。
〇あの本屋何?現実性皆無の表現は好みの問題なんだろうけど、ネコを
追ってジブリの世界にでも迷いこませたいのか。作者の想い?
〇サブプロット色々詰め込んでるが回収されず、もしくは弱い部分がある。
〇特に最後まで引っ張った青色の女性が学校を何故辞めたのか、が
一番引っかかった。理由が弱い。
〇とにかく青色の女性の感情が弱い。観ている私には全部は伝わらなかった。
特にサブプロットで恋愛出すなら、これでは回収できてないと感じる。
淡い恋心を演出したいとしても、これでは物足りない。
〇緑の男性の秘密、葛藤も弱い。ただ親に隠し事してるレベルでは、何そん
な事なのって思ってしまう。
〇ミッドポイントで最高潮に達して、でもそこから一気に絶望の状況もない。
だから2ndターニングポイントもなく学園祭まで行くから、物足りない。
〇青と緑の親とかへの告白の答えが、学園祭のシーンだけでは回収不足に
感じる。だって、2人ともここまで葛藤して告白を引っ張ったんだよ。
それに対応する保護者との会話作ってもいいでしょ。
脚本考えるなら
〇青と緑のサブ恋愛入れるなら、一例として緑の男性がそもそも親への隠し事
じゃなくて、忘れられない女性がいて葛藤してる事にする。青の女性がそれ
でも好きで、想いを伝えてフラれて、雰囲気悪くなってバンド解散しようか
みたいな展開の方が見やすい。それに挟まれた主人公の葛藤もここで入れら
れるしね。だって、想いの強さとか恋愛感情を色で視れるんでしょ。
青がフラれるのわかっていながら、とかの葛藤作れるじゃん。色別の能力を
設定として出すなら、重要な場面で使わないと。こんな能力持っているのは
嫌だとかの葛藤も入れられるし。
ミッドポイントで皆で音楽を作ってる絶頂期に失恋シーンいれれば、そこか
ら解散危機の絶望へ入りやすい。
そこから2ndターニングポイント作って、学園祭あるから主人公が一緒にやろう
と仲介。練習の時に作ってたあの素人感あふれるしんみりした音楽が、
青春の失恋の切なさが入って、青色の女性の歌がより際立つ。最後の見送り
シーンもまたより深みが出る。
微妙かも。でも、アウトプットはしとく。
明日へ一歩踏み出す元気をくれる映画です。
もしかしたら、「君たちはどう生きるか」と対になる映画なのかもしれない。 ぶっちゃけ、何が青春の苦悩なのか分からんし、解決もしてないけど…それでも前に進んで行く。 最初、舌っ足らずなモノローグで始まった時は、あぁいつもの京アニか…と思いましたが、存外見終わった時には爽やかな気持ちになれました。 登場人物の背景説明をばっさり省いたり、恋愛要素を入れなかったのは正解だったと思う。観る人は選ぶとは思うけど。 この作品は映画館で観た方が良いタイプの映画です。 自宅のテレビで観たら、その魅力は半分も感じられないと思います。
少しだけ、少しだけ足りなかったかも。
音楽映画、青春映画では飽きることもなく見られる映画であった。 画は水彩画のような淡い感じが美しく、長崎のレトロな街並み、教会の神秘的な雰囲気がこの映画の見どころだ。 ミスチルのエンディング、劇中歌の3曲も素晴らしかった。 でも、もう少し3人の葛藤を描いても良かったと思う。 少しだけ、少しだけ物足りないかなって映画でした。
ふんわり
青春群像劇。 キラキッラな恋愛模様でもなく、ギラッギラッの熱いスポ根物でもなく、バンドもプロを目指すような成功物語でもなく、50代のオッサンにはこのくらいの青春映画がちょうどいい。 個人的には素敵な映画でしたよ。
あらまほしきものは何ー山田尚子監督の「反骨心」により通底されたこととは
(まだ見ていない人に) やりたいことがハッキリあって、そこに全力投球できたなら、結果がどうあれ、それは最高の青春だと思います。 けれど多くの人は、青春時代そこまで燃焼しきれず、自分がやりたいことをハッキリ捉えられず、なんだか思い通りになっていない状況に悶々として、誤魔化したりして、真っ直ぐ歩けずに立ち止まったりしていることが多かったのではないかと思います。 主人公たち三人は、まさにそんな状況です。 題材として扱っている色や音楽は、彼彼女らの心の内を表す一つの舞台装置だと思います。 音楽は何かを訴えたい人間にとっての自己表現でもあります。 彼彼女らの心が、出会いや周囲の大人たちを介して、どう変化し、開けていくのか。自分自身を見つめ、捉え、前に進むことができたのか。 それを、鮮やかな色彩と音で丹念に描いた映画でした。 ストーリーの起伏とか、凄い、圧倒的とかではなく、感性で受け止めるべき部分が多く、多くの場合、物凄く癒しになる映画だと思います。 見終わった後、鑑賞者の中に何かが浮かび上がることも多いのではないかとも思います。 映像美と音の良さ、楽曲の良さはとにかく素晴らしいので、IMAX推奨です。 舞台は長崎と五島。五島列島に一度行ってみたい人にもお勧めです。 また楽器を何かやっていた人にも、感じられる所があると思います。 (以降見た人向け、5行改行) ・ ・ ・ ・ ・ この映画には物凄いハッキリした芯が通っていて、それは「嫉妬心や妬み、悪意や敵意を描かない」というものです。パンフレットでの監督コメントでは、「現実社会がストレスだらけなので、映画の中ではそれを描く必要がないのではないか、それが一つの反骨心」と。 主人公たちを見て思うのは、「ああ、こんな風に勇気を持って、やってみたい方向に向かい、最後には保護者にも向き合いしっかり説明することができていたら」 シスター日吉子を見て思うのは、「こんな風に、引き締めるところは引き締めつつ、若い子を支え、寄り添い、エンパワーメントするような指導者であれたなら」 保護者陣を見て思うのは、「言いたいこともあったろうに、それを飲み込んでこんなにも子供のやりたいことに乗っていける保護者であれたなら」 つまり、この映画は、「こんな風であれたなら」=あらまほしきもの を、それが成立するごくごく小さな世界で、色鮮やかに描いたものだと思います。 現実社会は監督の言う通り、嫉妬心や妬み、悪意や敵意、利害の衝突だらけです。ので歳を取れば取るほどシビアにしか世の中を見れなくなる。けれど、こんな風にポジティブにお互いあれたら、と言う気持ちもどこかにあったりします。 大人であればあるほどその価値は分かります。 よほど強くなければ、他人はおろか自分にもそうそうポジティブでいられないのですから。 だからこの映画は人を癒し、泣けるのだと思います。 また女性を描く上ではやはり女性監督は素晴らしく、トツ子やきみの人物造形には一定のリアリティがあったと思います。逆にルイ君は女性の願望全部乗せで男性からするとリアリティはないですが笑(高身長、医学部志望=高学歴、将来の高収入、イケメン、性格穏やか)。 またMr.Childrenの主題歌は映画のテーマや世界を捉えた素晴らしいものでした。 チャイムから始まり、一定のリズムをメトロノームあるいはマーチのように刻むドラムは否応なしに過ぎていく時間、これは同時に何かを選び、進まねばならない圧力を隠喩しているかのようです。その一方でメロディと歌詞は「迷いは去年の上着のポケットに置いてきた」けれど「心はずっと不安定でカーテンのように揺れる」と、リズムの一定感と真逆にグラグラしている様子が歌われて、最後はそれも受け入れて「好きな色を手にとって描いていい」「自由でいる方法はいくつもある」と、まだ覚束ない足取りでも自分を肯定していい、と言う所に向かっていく内容。 主人公3人はバンド活動を始めて、ついにライブまでできたけれど、まだ不安定。 特にきみは、自分の思いを言葉にしてハッキリ表現するのが苦手です。 大サビ前のシャウトは、映画のラストシーン、そんなきみの絶叫に重なります。 ああ、やっと、自分を解放できたんだな。 そういう強烈に浄化されるようなカタルシスがありました。 いや、映画っていいものですね、と水野晴雄さんのように映画館を後にしました。
消化不良。設定の曖昧さがファンタジーではドラマはなりたたない。
青春の甘酸っぱい系のアニメなのだけれど、ちょっと設定などにわかりにくいところがあった。
主人公の女の子の人が色に見えるということ、そのことがうまく消化できなかった。
色弱という障害のことを言っているのか、それとも何か特殊な能力なのか、ファンタジー的な表現なのか。そこが未消化のままドラマが進んでいき、何が伝えたいのかよく理解できない、もやもやのまま進んでいった。
18歳の女の子が高校を退学するのに、保護者の同意無しで可能なのだろうか。お堅いミッションスクールらしいのに。物語の革新部分で設定の少しファンタジーな部分が見えてくると、どうなんだろうと消化できないまま、物語の進行を見つめることになってしまう。そこが微妙な感じがした。
また、音楽が少し残念だったかな。素人の子達が作り出すバンドの音楽なのだから、感動するような演奏を期待するのは間違いだとは思うのだけれど、ラストのライブのところでそれほどのれる感じの楽曲とは思えなかった。歌詞も聞き取りにくかった。
そして、ミスチルのエンディングがかなり唐突な印象があった。正直よくわからない。楽曲に歌詞とかあってる?みたいな。
還暦前のジジイを対象にしていませんと言われれば、それまでなのだけれど、そういった点を上手に織り込んでもストーリーは立てられたようにも思うのだけれど。
学校は長崎なのだろうか。主人公の女の子が自宅に帰る際の手土産(たぶんカステラ)の紙袋のデザインに見覚えがあった。
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