きみの色のレビュー・感想・評価
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純度100%山田尚子カラーの共感覚アニメ
山田尚子監督脚本のオリジナル作品。
【ストーリー】
ミッションスクールに通う日暮トツ子は、子どもの頃から、人や景色が独自の色で心に映っていた。
バレエスクールの練習生、先生、クラスメイト、自然物すべて。
自分がほかの子たちとはちがうと気づいてからは、隠すようになったものの、生来の楽天家でいつでもふわふわしていた。
そんなトツ子には、つよく興味を惹かれる同級生がいた。
作永きみ。
黒髪の美しい、声楽隊の同級生。
トツ子には、きみがきれいな青に見えていた。
だけど、ある時から学内でその姿を見かけなくなる。
きけば、学校を辞めたのだという。
通学圏内の本屋のレジをしていると小耳にはさんで、トツ子は路面電車で一つ一つ、本屋を順ぐりにめぐる。
とある商店街で、ほてほて歩くかわいらしい白猫に誘われて、入り組んだ小径の本屋にたどり着く。
「しろねこ堂」
そこで、きみは、ギターをつま弾きながら、レジのバイトをしていた。
テンション上がりすぎて意味不明なことを口走るトツ子。
圧倒されるきみ。
そんな二人に、さらに声をかける者がいた。
影平ルイ。
ユニセックスな雰囲気をかもす、電子音楽にくわしい男子。
トツ子の目に、ルイもまた美しい緑色を放って見えた。
3人はバンドを組み、そして内から湧きいずるメロディを見せあい、次々に曲として昇華するようになる。
全編山田尚子カラー。
音楽と色とアニメの融合という、すごい快楽をさぐってきます。
主人公3人組、それぞれ背景はしっかり作られてますが、ドラマ性はそっと隠されています。
テレビアニメの『平家物語』とおなじ、筋立ては追うけど人間関係のきつい衝突の場面は伏せておく、あの語り方です。
この物語の中核は音楽と色と動きのケミストリーで、それは3人それぞれ体に流れてる色とメロディと心のはたらきのケミストリーとして表現されます。
プロになりたい、とかバンドとして評価されたい、といったモチベーションは描かれず、ひたすら互いのケミストリーからどんな曲が湧きいずるのかという部分に、フォーカスするんですね。
ゆえにストーリー性とドラマ性は弱く、物語を牽引するのは3人の仲のよさから生まれる音楽。
書きながら、えらい面倒な課題の仕事しちゃってるなあ山田監督、としみじみ思います。
でも、野心的、とか冒険的、というような意気込みではなく、山田監督がやりたい事やったら、この『きみの色』ができちゃった。そんなイメージを受けます。
もちろん音楽と演出は、こだわるだけこだわってますから、非常に高度ですよ、山田監督の真骨頂ですから。
YMO的でありながら、その後の80〜90年代の音楽シーンを思わせる、ネイチャー系の風格がそなわってます。
3人から生まれたインストっぽい曲は、シルクロードを思わせる民族音楽を作風にとりこんでいたバンド「ザバダック」の『椎葉の春節』を思い出しました。
ザバダック、何回もライブ行ったなあ……。
ドラマが弱いと言いましたけど、最後の聖バレンタイン祭のチャリティーライブは、完成曲でガツンと盛りあがらせてくれます。
それにしても、週一でフェリーで島に通う天守堂の美しさときたら。
あんな場所に、こんな3人が集まったら、そりゃ讃美歌の一つもできあがるでしょう。
山田監督の新しい足跡。
音楽が好きな方に、ぜひ。
京都芸大出身の、なぜかアニメーション作家の描く「美」
音楽で言えば、坂本龍一さんがポップスを作る、みたいな雰囲気で好ましいです。
上品で、程が良くて。
教養主義、と言うと古いようだけど
それが、心地良い人には
いい映像と音。
3次元座標(仮想)と時系列、絵と音。
独特の感性です。
映像、音響表現として楽しむのも
いいものです。art。
また、キャラたちを人間性を持って描く所も素晴らしい。
長崎に、行きたくなります。
深読みすると重いものもありますが、
それは、どんなお話にもありますね。
例えば、ハイジの出自とか。
どんな時代であれ、それぞれに
生きて行くのがステキなので
ハイジは、楽しいお話になりました
このお話も、そうですね。
穏やかな島で、いい人たちと
暮らしていく彼ら。
ゆっくり、穏やかに育てられたのでしょう。
なぜか音楽は、テクノロジーポップスふうなのですけれど
そこは、都会と同じ音楽を聴いているから、でしょう。
テクノロジーにも、均一に触れられる時代のお話、のようです。
物語は、自然で
心安らぐもので
スピンオフで「けいおん」みたいな
コメディがあっても面白そう。
sister act とか(^^)
天使のお仕事、とか。
ギャグ好き(^^)
そういう種類の映画に見慣れてると
違いがわかる男のゴールドブレンド(^^)
♪だばだー
と言う感じですが
どちらかと言うと、音楽の
プロモーションビデオみたいな
感じ(楽器屋さんコラボだし)。
長崎県コラボでもあって。
新しい映像作品。
既存の映画と比較するより、素直に楽しむもの、なのかな。
きれいな色と音楽にふれるだけで充分。
映画館は、音が派手なの。
どちらかと言うと、家で
いいオーディオで聴きながら観たいです。
ソニーのバイラルとか。
新しい表現ですね。
例えば、美術館に
シャガールを観に行くとします。
絵のメッセージとか、作品の主張。
そう言う楽しみ方もある。
見て、何かを感じる。
そう言う楽しみもあります。
この作品は、そんな楽しみがありますね。
ハーフ?
前情報は山田尚子監督だけで観て来た。
ので、どんなキャラクターが出るかも知らず。最初、子供の頃にトツ子が(ハーフ?それとも、アニメ故の髪の色?まさか染めて無いだろうし)と分からず、それがずっとモヤモヤ。他の子もアニメ故のピンク、青、の髪なら気にしないんだけど、高校になって周りの子は普通に黒や、染めただろう茶髪だから・・・うーん?が続く。
でっ、内容。最初、コレは百合?と思ったけど、そうでは無く、トツ子に見える(感じる?)相手の色が綺麗だと感じていただけ・・・・・だよなぁ?でも、町中の本屋を噂頼りに、きみを探し回ったりしてるし・・・・微百合?
きみもつかみ所が無いと言うか、前半はかなり何考えてんだろう?と言う部分が多いキャラクター。キリスト教系の女子高、下級生にも慕われる、いわゆるお姉様キャラが前触れ無く、保護者の祖母にも相談も事後報告も無く高校を辞めて、本屋でバイトとギターの練習。あの古本屋兼中古レコード店はなんだろう?奥まった所にあり、普通には気付かない、商売成り立たなさそう。店主も他のバイトも出て来ず、きみの為だけの空間の様で、そっち系のファンタジー物?と思った。
ほぼ唯一の男キャラのルイ。これも、中性的でLGBTポジション?と思ったけど、それも無く、きみとのラブ要員?と思ったが、そうでも無く。
なんか、メインキャラがいまいち不思議と言うか、役の為に必要な部分の説明はあえてカットしたんだろうなぁ。それで、イマイチ感情移入出来ない部分は有ったけど。
まぁ、だからと言って面白く無いワケではなく、その世界に慣れれば普通に青春ものとして良作。
ただ、メインキャスト三人が非声優の様で(知らない人だったので、ググったが声優初体験)。きみ、ルイはそれほど気にならなかったけど、一番メインのトツ子はなぁ・・・・・序盤はトツ子の性格からのたどたどしい感じ?と思ったけど、終盤までうーんだった。
エンドロールで日吉子先生を新垣結衣と知る。そう言えば、出演するってネットニュースで出てたけど、情報自主規制してたから何の役かまでは知らなかった。振り返れば、あぁガッキーな声だったわと言う感じ。感情の起伏の無い役だったから非声優でも気にならなかった。
エンドロール中に掛かるのがミスチルの曲。久しぶりにミスチルの今の曲を聴いたけど、なんか若い頃のミスチルぽくって映画にも合っていた。でも、水金地火木土天アーメンの方が上だなw
他の人も書いてたけど、舞台は何処なんだろう?トツ子が地元に帰るのが電車、地元からの土産が明太子、豚骨カップラーメン・・・・福岡?でも、トツ子がサボった修学旅行がいろは坂。高校生の修学旅行でいろは坂方面・・・・何処だ?
あえてなんだろうけど、色々と説明省きすぎ。物語に必要なコアな部分だけ抽出したんだろうけど、省きすぎた故にノイズになってしまったかな。
色々書いたけど、基本好きです。こういう話。ただ、細かい所が気になるのが僕の悪い癖でして。
あなたの色は…なに色
ぽっちゃりした体型のトツ子
クラシックバレエを踊る姿も可愛い
生まれたもった特異なこと
それは・・
その人の“色“が見えること
どういうこと…?
と思った
きみちゃんの色がキレイと
言って彼女を捜しまわる
きみちゃんに対して
憧れる気持ちもあるのかな
きみちゃんの足元が何度も映る
体の一部分が映し出されて
オモシロいと思った
イツ子はほんわかな感じだけど
きみちゃんは目元がはっきりとして
目に力がある
ルイくんは優しさが伝わってくる
こんな感じで周りのカトリック
の風景も取り入れて…
でも。どこか"色"に対しての
イメージが弱い
わたしがイメージ出来なかったのか
どこか…ばんやりしてる
…もう少し
インパクトがあってもよかったかな
ラストのエンディングの曲も
この三人の演奏で
終わってもよかった様に感じた
何とも暖かい青春物語
山田尚子監督作品。
そして脚本は吉田玲子という、実にわくわくする組み合わせ。
作品に寄り添うような柔らかな作画が印象的で、目元は特に印象的。そして何より全体のトーンが実に美しい。
これはタイトルにもあるように、きっと一番こだわったところなんでしょう。
あと驚いたのが制作がSARUだったことです。そのタッチもあって移ったこと忘れてましたよ。
牛尾憲輔の音楽もすっかり監督作品に馴染んでいましたね。バンドのエレクトロな音ともすごいリンクしてました。
作品は少年少女のバンドを通じた青春物語。
バンドの位置付けも思ってたより全然ゆるくて、とてもふわっとした感じ。それはバンドのサウンドにも出てました。
あと主人公のトツ子。見た目地味だけどとても魅力的で、彼女を中心に綺麗に物語が回ってました。
CV(俳優?)は知らなかったのですが、声も芝居もすごいあってましたよ。
ラストのライブも彼女の動きが際立っており、ずっと見てました。
キーボードの弾き方なんて最高で、可愛いったらないですよ。
あと親友にきみ。CVはまさかの髙石あかりでびっくり。
また楽曲も個性的で、何と言っても「土天アーメン」ですね。すごい残る曲でした。
また挿入歌で「Born Slippy」入れてくるのも上手い。実に監督らしく、印象的なシーンでした。
抱えた悩み、憧れから育った友情、一歩を踏み出す勇気と成長、そして別れ、何とも暖かい青春物語でした。
活き活きとした場面はあるものの、若者の熱量を感じることはできなかった。
私に評価できるような作品ではなかった。
好きなことを隠してしまうのは10代のコたちの独特の心理なのかもしれない。大人がプリテンダーを気取るのとはまったく違うはずだ。
『メタモルフォーゼの縁側』では、自信がないから恥ずかしくて言えないという青い気持ちが吐露されたが、それはよく理解できた。
本作の三人の少年少女は、大人が期待するあるべき自分が想定できていて、それとの葛藤を抱えていたということだろうか。
若者が夢を持って前進する物語なら、周囲の反対だったり家庭環境だったりという何らかの障壁と戦い、さらに自分自身の能力とか才能とかの限界とも戦うのが定番というもの。
たが、この三人は何と戦ったのか。周囲の大人も友人も実はとても理解があったのだから、壁は自分自身が勝手に作ったものだったのだろうか。
主人公が人の持つ〝色〟を見る能力(?)がある(あるいは、そういう妄想を抱いている)のが、この物語にどういう意味をもたらしたのか私には読み取れなかった。
美人のシスター(VC:新垣結衣)がチョイチョイ語るどこかからの引用も、その言葉一つ一つには意味があっても、物語=三人の子供たちに何かを及ぼしたのかよく解らなかった。
クライマックスのステージシーンは絵的には素晴らしかったが、生徒たちや教師(シスター)たちが盛り上がる様子に感動できなかったのは、そこに至るまでの三人の戦いがなかったからだと思う。
私にとっては消化不良な一作だった。
ステージを見に来た夏木マリみたいにカッコいいお祖母ちゃんの声がアンパンマンだったことに驚いた。戸田恵子もお祖母ちゃんを演じるようになったのか…。
日本名作劇場現代版ふゎっと
作画よし、演出よし、音楽よし
画面が淡い色合いでよい
キリスト教をいれたのは万人受けしない
その辺考えなければ、若いラノベ好きの若者にはよいかも
興行的にはお客さんは入りませんね
個人的にはすきな部類ですが
学園祭での歌詞
映像がきれい。前半は、まったり進むストーリーで、後半から何か出来事満載で展開が進んでいった感じがした。盛り上がりの学園祭での歌詞が、二曲目を除いて聞き取れなかった。私は、還暦すぎているので、耳が相当悪くなったのかしら?と思ったが、「歌詞が聞き取れない」とコメントしていた方が、いらっしゃたので安堵しました。監督や製作会社、配給会社の人たちは、そこのところをきちんと確認したのかしら?試写室ではなく、それなりの会場等で確認してから、本上映して頂きたい。作品てしては、良かったので、その点が残念でした。
ミッションスクールに通う女子高生×2と離島で暮らす男子高生の、将来への悩みを抱えながらもバンド活動に勤しむ姿をゆったりと描いたドラマです。良作。
山田尚子監督作品なので観ておこう、と思ったのですが
予告編を観ても内容がいま一つ頭に浮かんできません。・_・;
題材は何? 音楽? 踊り? そして 色?
うん 気になります。
気になる作品はやはり観ておかなければ というわけで
鑑賞してきました。
鑑賞開始。
ミョションスクール。通う女子高生2人。
一人はトツ子。 3年生。髪がクリーム色(金?)の子。寮生活。
一人はきみ。 トツ子の同級生。祖母と二人暮らし。
そしてもう一人。男子高生ルイ。離島で医者の母と暮らしている。
トツ子たちの学校生活は、お祈りに始まりお祈りに終わる。
規律違反をやってしまったなら、反省文と奉仕活動。
みんな良家の子女なのだろう。揉め事など特に無さそうだ。
トツ子には変わった能力がある。人の色が見える。
人ひとり一人には色が付いていて、彼女にはそれが見えるのだ。
中でも、色が鮮やかではっきりと見える人がいる。
その中の一人が ” きみ ” だ。黒髪ロングの子。
体育でドッジボールの時間。トツ子ときみのチームが対戦中。
きみの色に見とれていたトツ子。
” あの子、綺麗な青 ”
きみが投げたボールに気がつかず、顔面キャッチ。 きゃー。
” 大丈夫? ” と駆け寄ってきたきみ。 冷汗たらたら。
” 大丈夫… ” と応え昏倒するトツ子。 鼻血だらだら。
こんなきっかけでも、きみとの接触が嬉しいトツ子。
翌日、きみの姿を校内で探すが見当たらない。
数日後、きみの友人を見かけてきみのことを尋ねると
” 彼女、学校を辞めてしまったの ”
胸に穴。ぽっかり。そんなトツ子が耳にした噂。
” きみを街の本屋で見かけた ”
もう一度会いたくて、「 街の本屋」を探し歩くトツ子。
と、トツ子の足元に白いネコがすり寄ってきた。
白ネコに導かれるように付いて行った路地の先。一軒の本屋。
「…しろねこ堂」
店に入ると、訊いたことのある曲。学校の聖歌隊の曲だった。
そして、カウンターのそのまた奥に、” きみ ”がいた。
この店で、もう一人の登場人物との出会い。
ルイはたまたま入った店できみを見かけて気になり
きみもまた、入ってきた客=ルイの事が気になって。
トツ子が ” きみとバンドを組んでる ” とウソを言ってしまい、
その言葉にルイが反応する。
” 入りたい ”
こうして、この出会いの「何となく」の流れから、この3名のバンド
が結成することになるのであった。・_・
◇
その後の活動。
練習場所に、離島の古い教会を使用し
次第に演奏機器も増えて(ルイが拾ってくる ・_・♫)
学校を辞めたことを祖母に言えないでいる ” きみ ”のため
修学旅行に行ったコトにしなければいけない " きみ " のため
仮病を使って自分も修学旅行に行かないことにして、
きみを寮の部屋に泊めてあげるトツ子。…規則違反。
(結局バレて二人揃って奉仕活動… *_*)
離島に着た日に天候が荒れて連絡船が欠航となってしまい
帰れなくなったトツ子ときみが廃教会に泊まれるようにと
ルイが母に内緒で毛布とかを調達し一緒に泊まったり
そのことを報告したシスターが、3人が島に一緒にいるのはバン
ドの練習のためだから「必要な合宿」との計らいをしてくれたり
(良いシスター♡ ヘタすると無断外泊+不純異性交遊…)
3人それぞれが曲を作って、それをパレンタインコンサートで演奏
することを目標に、ゆるゆると頑張る3人。
果たしてコンサート演奏は成功するのか。
◇
この作品、好きです。
鑑賞後にじわじわと感じる幸福感。 といいますか。
ふわふわ くるくる
そんな形容が頭に浮かんでくる水彩画のような世界の中で
登場人物たちが織りなす、穏やかなお話を楽しみましょう。
スローテンポで派手なイベントも起きない内容です。人によって
は、物足りないと感じる人も出そうですが、この作品、
その地味なところをゆったりと味わう作品かと思います。
(あ 地味って言っちゃった ・_・; けど好きです)
鑑賞して良かった作品です。
充分楽しめました。
◇あれこれ
■舞台はどこ?
関西弁が聞こえた気がするのですが、関西から修学旅行で
いろは坂(日光?)って行くものでしょうか? とすると
関東?東海? うーん。舞台はいったいどこなのでしょう。
離島との往来がある世界。瀬戸内とか長崎とかかも? とも
思ったのですが、船が欠航するくらいの雪は降るのでしょうか。
気になってます。うーん。
■トツ子の髪の色
母親と同じ、クリーム色(金色?)でした。
欧米人と日本人のハーフという設定なのか、地色があの色なのか。
ミッションスクールに通っていること、寮暮らしをしていること。
それも何か理由があってのことなのか。 …気になります。
※トツ子が愛されていないとかでは無い。それは分かります。
あ、それと「トツ子」って名の由来も気になります。
…もしや 凸子? うーん。・-・
■色がキレイな人達
音楽とかバレエとか、芸術的な世界を内面に秘めているヒトが
鮮やかな色に見える …ということなのでしょうか。 はて。
思えばストーリーの早い内、トツ子の目にはシスター日吉子にも
綺麗な色が見えていました。シスターも何か特別な一面がある人
なのかな? と気になっていたのですが、シスターもこの高校の卒
業生で、在学当時バンドを組んでいたエピソードにつながる伏線
になっていました。
トツ子たちの演奏を聴きながら、くるくると周りながら会場を後に
す姿が印象に残ってます。
◇最後に
トツ子がバンドを始めた時、クラスメートに「ガールズバンド」と
言っていた気がします。コンサートでのバンド演奏当日、メンバーの
一人が「男」と分かり、問題となる展開なのでは? と心配したのです
が、杞憂でした。 残念…。あ、いえ。 ・_・;;
別にルイ君の女装姿が見たかった訳では…。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
いいんじゃないでしょうか?
昔、小学校としては当時珍しいブラスバンド部の第一クラリネットを担当してソロ演奏などもこなした音楽の得意な子どもでしたが、中学生になると何故か音楽への興味が少し薄らいでしまい、兄の持ってたフォークギターの『F』がうまくおさえられないまま今に至っています。ただ演奏は断念したものの、鑑賞側では今でも幅広いジャンルの楽曲を聴く怪しいオジサンで、かつては『超ウルトライントロ』も結構当てられることを自慢してたことも!
兄は今でもオヤジデュオを趣味でこなすなど積極的な音楽活動をしていてなんだか羨ましく感じる今日この頃。青春と音楽、なんだかいい感じです。監督作品への過大な期待値からか色々賛否両論(否が若干目立っている気もしますが)あるのはわかる気がしますが、純粋に美しい映像と音、ちょっと歯痒さも感じる青春群像、嫌いじゃないですね。短い時間に収めすぎでキャラの説明不足感は否めない気もしますが、そこは想像力を駆使して観てみました。
ほっこり系のトツコ、『金の国〜』の王女を彷彿とさせます。「迷ったら困難な道を選びなさい!」でしたっけ?出色は主人公の女の子たちより重要な役どころのシスター(ガッキー)でしたね。彼女が学園祭(?)での演奏を提案した理由の伏線回収が(予想はできましたが)とてもよかったです。彼女のおかげで三人は一歩前に進めたのでは?
前半の(後半も?)緩やかな展開に少し眠気もありましたが、正直何の予備知識も先入観も持たずに鑑賞したおかげで爽やかな印象で観終えることができて幸せでした。続編あれば観てみたいです。いい作品じゃないでしょうか?私は好きです。
追伸
こんなこと書くとキモいオヤジと思われそうですがきみちゃんの足、キレイでした。
青春時代を美しく描く
................................................................................
主人公の女子高生・トツ子。クールな元同級生・きみ。
住んでる島で家業の病院を継ぐ宿命の男・レイ。
この3人がひょんなことからバンドを組むことに。
きみは学校を勝手にやめたことを祖母に言えてなかった。
なので修学旅行の日は帰ることができず、泊まる所がない。
でトツ子が仮病で旅行をサボり、寮にきみを泊めてあげた。
これが学校にバレて2人は奉仕活動をさせられるが、
生徒思いの先生は退学者のきみを、学園祭に誘う。
そこでバンドの演奏をしてみないかとのこと。
レイの島の廃協会での練習中、大雪で帰れなくなって、
そこで3人は語り合って友情を深め、勇気を得る。
レイは楽器を練習してることを母親についに言えて、
きみも自主退学したことを祖母に言えた。
母親や祖母も見に来てくれたそのライブは大成功。
................................................................................
純粋な少年少女がやりたいことを一生懸命やるというお話。
何故おれはこういう話に弱く、涙が止まらないのだろう?
おれの高校時代は人目ばかり気にする生き方で、
自信などなかったし、目立つようなことは全くできなかった。
自分のやりたいことが何なのかも分かってなかった。
仲のいい友人はいたが、共に何かに打ち込むなんてないから、
心から共感し理解し合うなんてことはなかったように思う。
そんなつまらん高校生活ゆえに勉強だけはちゃんとして、
その先に今の良い人生がある。だから後悔なんて全くない。
でも無いものねだり的な憧れが心の底に消えないのだろう。
若いうちから人目なんて気にせず真っすぐ生きられてれば、
若い頃にしかできない多くの経験ができたことだろう。
それを登場人物達が代わりにやってくれるから、
思わず感動して涙が出てしまうんじゃないのかな。
そういう涙の後は本当にスッキリする。いい映画だった。
それにしてもトツ子が作詞作曲した曲は実に名曲。
すいきんちかもくどってんアーメン~♪
見終わった後ずっと頭の中を回り、鼻歌で歌ってた。
高校生が思いつきそうな歌を上手く表現できてて秀逸。
ミッション系の学校だけにね。
聖歌
悪天候による思わぬ合宿。青春ドラマ鉄板の舞台。深まる相互理解と抑圧への気付き。わかりやすい抑圧ではない。むしろ善意しか存在しない。しかし圧を感じ、跳ね除けたくたる若者たち。実に繊細な構図である。ほんわかしているが、何かの拍子で崩れかねない危うさもある。
音楽の抑揚と映像の絶妙なハーモニーは名人芸。それぞれの演奏がいちいち音と映像と呼応して、なんとも言えない高揚感がうまれる。その曲きた〜で上がる場内、踊るシスターズ。涙腺を刺激する。
挙げ句に、そこでお前が走り出すか。海に向かう見事なバックショット。めっちゃベタだが、それでええじゃないか。
ふたりの色を鮮やかに照らしだす、あなたは光かな。トツ子の癒しキャラに温まる。
変えられるもの。変えられないもの。
中国で開催された国際映画祭にて最優秀アニメーション作品賞を受賞した作品。
普段アニメ映画はあまり観ないのですが、たまたま空いた時間に丁度上映していたので観ることに。思いがけず素敵な作品に出会えてなんだか得した気分です😊
すごく優しいタッチで描かれたキャラクター達とその雰囲気に合った声。流れる音楽や景色、その全てが観客を優しく包みこんでくれます。キャラクター達の動きがとても可愛らしく微笑ましかったです。
ストーリーは、誰か死ぬとかゾンビが出て来るとか、重大な事件が起こるわけではありません。しかし、バンド結成の流れや、作曲のプロセス等にはワクワクしましたし、それぞれが打ち明けられない悩みを抱えていたりと、起伏のあるストーリーになっていたと思います。「色」を使った演出も良かったです。
変えられるもの。変えられないもの。変えるための行動。受け入れるための葛藤。誰しもが大小の差はあれど悩みを抱えて生きています。そんな悩める全ての人の背中をそっと押してくれるメッセージがたくさんありました。仕事で疲れ切ってた私は凄く癒されました😭
結構キリスト教が関わってくる辺り、観る人によっては刺さりにくい場面はあるかもしれません。それでも、爽やかで優しい気持ちに溢れた今作は、きっと観客の心を癒してくれるはずです。
期待外れ
本作が好きだと感じた人には、確実に気分を害する内容と思うので、読まないでください。
まず、他人の色が見えるという主人公の特性。
非SF作品でも、多少のフィクション要素が物語に彩りを与えるものだが、本作では主人公の特性が、物語の展開に全く活かされておらず、別にこの設定なくてよかったよね?としか思えなかった。
主人公は最後に、自分の色に気付くのだが、色とストーリーが説得的に結び付いていないので、だから何?という感想。
色の場面の演出も、センスを感じない。
きみの色という割に、色に物語上の必然性が与えられていないのは、いかがなものか。
次に、主要キャラの魅力のなさ。
上記のとおり、主人公の特性は全く展開に活かされないため、ただの不思議ちゃんである。
あからさまに冴えないよう描かれたルックスも相まって、現実世界なら陰湿なイジメの標的になっていてもおかしくないだろう。
きみちゃんは美少女で性格も良いようだが、これといったキャラづけもなく、ひたすら地味。
メガネ男子は見た目はイケメンだが、話し方が女々しい陰キャで、主人公やきみちゃんとの恋愛展開もない。
制作陣は何故わざわざ男子を配置したのだろう?
主人公は男子禁制の全寮制女子校で、異性との交流が固く禁じられている設定と思われたが、メガネ男子は当たり前のように主人公らと組んでバンド出演を果たし、そこに何の葛藤もない。
正直な話、知的で生白いイケメンとバンドを組んで青春を楽しみたかったという、オバ…中年女性の気味の悪い妄想を見せつけられたのではないか?
※中年のリビドーを反映した作品自体を否定するわけではないが、こちらは爽やかな(ほろ苦い)青春映画を期待して行ったのである、、
最後に、ストーリーの薄っぺらさも指摘しておく。
(観客の立場からは)よくわからないきっかけで、きみちゃんとメガネ男子は、家族と向き合うことを決意したようだが、そこの過程は殆どすっ飛ばされてしまった。
それぞれの家族にライブ観に来てくださいと懇願し、それに対する家族のアンサーも描かれることもなく、ライブの場面へ。
ライブ後は適当な後日譚が描かれ終了。
何なのこの茶番?
かといって音楽活動に向き合う描写もない。
主人公やきみちゃんは初心者だという割に、なんの葛藤もなく作品を完成させているし、メガネ男子も、親に隠れてという割に何の障害もない。
水金地火木土天アーメンは耳に残る良曲で、その評価としてギリギリ星0.5をつけます。
上映時間中、ひたすらつまらなく、苦痛でした。
本作が気になる方は、サブスク配信で十分です。
※追記
ある人が「この作品は、あえて嫌な部分を徹底的に排除して、女の子からみた綺麗な世界のみ描いている」とレビューされていたのを拝読し、腹落ちした。
なるほど、たしかに本作には主人公らに対して嫌なことを言う奴が全く出てこない。同級生も、教師も。
そういえば、父親も出てこない。
※見送りの場面で父親が出てくるとの指摘を受けたので、訂正します
主人公以外の二人は父親不在の家庭であることが明示されているが、両親がいるはずの主人公も、何故か、母親しか会話のシーンがなかった。周りの大人たちは、主人公らに暖かい声援を投げかけこそすれ、厳しく説教はしない。
そのような方針で作品を作ったようであることは、何となく理解できたが、なおさら、この作品を通して観客に何を伝えたいのか、私には理解できなかった。
※再追記
様々なレビューを読み漁ってみたが、結局のところ、本作はそれっぽい雰囲気とビジュアルを楽しむべきもので、(公式サイトの宣伝を事前に読んだ上で)青春映画として期待して観てしまったのが、そもそも間違いだったように思う。
酷いというより、私にとって期待外れでした。
ストーリーを省き過ぎ
大筋のストーリーは悪くはないのですが、各キャストの生い立ちや、各エピソードが細かく描かれていないので作品に入って行きづらいです。
極力、無駄を省いて雰囲気に浸る作品にしたかったのかも知れませんが、私はストーリーを細かく追いかけながら鑑賞するタイプなので、ちょっと物足りなさを感じました。
他人の色が見えるという設定についても同様で、細かい人物描写よりも雰囲気で表現したかったのだと思いますが、私としては色なんか見えなくていいから、ストーリーを細かく描いて欲しかったです。
全242件中、101~120件目を表示