「世界がきれいに見える、素敵な時間を映画館で。」きみの色 ひでぼーさんの映画レビュー(感想・評価)
世界がきれいに見える、素敵な時間を映画館で。
ルックバックを観にいくたびに目にしていた本作の予告編。
感じる映画だと期待して鑑賞し、素敵な時間をすごせた。
トツ子がみる色とりどりの世界に序盤から心を奪われる。
長崎が舞台ということで、土地ならではの花やきれいな海はもちろん、人々まで色がついて見える、こんな世界があったらな、と思う。
キリスト教の学校や教会の神聖さ、静けさも、鑑賞者の背筋が伸び、作品に集中できる環境にさせてもらった。
キャラクターも優しくも繊細なタッチで表情を見ているだけで楽しい。万人に媚びず、アニメアニメしてない作風に好感が持てる。
声優は「色」という観点では、声に色がつきすぎていない俳優陣がとても良かった。たぶん有名俳優が声をあてると、それだけでイメージが引っ張られてしまっただろう。
そして、この作品のもう一つの中心である、音楽。
「音が色に見える」という言葉の通り、キャッチーで、楽しくて、鳥肌がたってしまった。
きれいで美しい世界観の中でロックとポップな楽曲のギャップが良い刺激になっている。
物語に大きな展開はなく拍子抜けする人もいるかもしれないが、あくまで「色」を際立たせるための土台のようなもの。
ストーリーの浮き沈みで観客の気持ちが動いては雑音が混ざってしまうので、ちょうどよかった。
色で、光で、音で、そして表情で楽しむ、素敵な作品だった。
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