「違和感を消化出来なかった」きみの色 カツラギさんの映画レビュー(感想・評価)
違和感を消化出来なかった
ミッションスクールの高校生のトツ子が人が色で見えるという設定は悪くないです。自分の好きな色に見える人は好きになれる人(人を好き嫌いに分けるのに便利な設定)なので、きみちゃんに惹かれ仲良くなれたという違和感。
学校を勝手にやめて古本屋でバイトをしてギターを練習しているきみはなぜ何日も保護者である祖母にバレない違和感。ミッションスクールなら保護者に連絡するよね。
バンドの練習場として離島の古教会を使わせてもらっている少年ルイが大雪で船便が欠航して泊まることになった教会に、トツ子ときみは数ヶ月の付き合いのルイが心配だから一緒に泊まるというのに対してOKしてしまう違和感。(どちらかと言うと家まで連れて来て母親に船便欠航を説明して家に泊まることにした方が違和感がない。)
なんかモヤモヤしていたら最後まできみの色のタイトルをトツ子は消化したのか分からないまま終わった。ルイの緑ときみの青で自分のは見えないと言っていたが、演奏終了後に心の中でジゼルをバレエしてトツ子は赤であることに気づくだけで、そのことの解析や説明がないのできみの色のタイトルが分からないままで終わりました。
追記、IMAXで2回目鑑賞。音の迫力が違うので楽しく聴けるかと思ったが、席が前めで地元のせいか歌詞より楽器の音が大きくて、髙石あかりさんのきみが歌う歌詞が聞き取れず。これは前に「FILM RED」でAdoの歌詞が聞き取れず25回のうち3回しかIMAXは行かなかった理由になったのと同じ。
今日で「きみの色」IMAXはやめる。(他の地域のIMAXなら音量調整が上手く聴けるかも)
2回目でしっかり感じたのは山田尚子監督の色は好きな色であるイエローで、綺麗な画像全体にフィルターの如く黄色がかっており(北野ブルーに対抗して山田イエローを名乗って良いかも)、現代の青春×音楽は黄色がかった風景の中で繰り広げられる淡いこころもようを映し出した世界に感じられた。☆は一つ増やしました。
別れのシーンのきみの叫ぶ「がんばれ~」の連呼は次の話へのつながりになっていてほしい。大学で頑張るルイがこのあと近い将来(2人が大学入学して上京するとかで)再会してバンド音楽を続ける先の話とかを観たい。