「空気」いつかの君にもわかること Shouhei Okuyamaさんの映画レビュー(感想・評価)
空気
予告を見た時点で、辛そうでどうなるかもわかっている感じでしたがとても惹き込まれてみたくてみたくて楽しみにしていた作品。
タイトルがホント秀逸。
人生最大の決断をする父親の話。世の中にこれ以上の決断を迫られることは無いのでは無いだろうか?自分の寿命が終わる前に、この世に残して行く息子をどの家族に預けるのか。養子に預ける家族を吟味する事と、これからの愛しい息子の成長を見届けられない苦しみを受け止めていく過程が丁寧に描かれている。
昼下がりの公園。
アイスの味。
仕事の時間。
絵本を読む。
高速道路。
信号待ち。
父が窓清掃員という職もまた絶妙。
ファーストショットの窓の数々が日常と、この物語を繋いでいくのがまた良い。
様々なシーンが何気ない日常の大切さを気づかせてくれる。いやらしくなりそうなところがジェームズノートンの視線で語るのでなんとも絶妙な美しさを際立たせている。
人生の決断を迫られる時、悩んで苦しんだ時、この作品のことを思い出して見たいと思った。
諦めないこと、逃げない事、気楽に考える事、前に進む事、そんなことをうたう物語や本は多いと思うのだけれど、この物語はそれとは趣が少し違う。
最後の時間は決まっている。
現状で最良の選択をしないといけない。
チャンスは一握り。
自分では無い大切な人の未来を決める。
それが最良だったかは見届けられない。
父の人生最大の決断を見届けて欲しい。
監督がアイアムまきもとの原作者でおみおくりの作法の監督ということで見て見たくなりました。
辛い映画でしたが見てホントよかった一作でした。
人生ベストの一作。
Mさん、リアクション、ありがとうございます!おみおくりの作法見て無いのでいつかみてみたいと思います。
空気は、ジョンと常連のおばさまとの会話の中で出てきた台詞でそれが印象的だったのでタイトルにしました。
はじめまして
共感&フォローありがとうございます
…窓がストリーの軸になっている事に切なさと希望を覗き見た気がしました
春の話題作に隠れがちな本作を沢山の方に観ていただきたいですよね!