「これ、来年の分ね」いつかの君にもわかること サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
これ、来年の分ね
最近、映画で泣きすぎだろ、自分...。
予告から「これ絶対泣ける映画だろ!」と思っていましたが、案の定でした。泣かせようとしてない演出が、より涙を誘う。間違いなく、いい作品です。
このマイケルという男の子がめちゃくちゃ可愛くて、めちゃくちゃ純粋で、こんな子を置いていかなければならないのはあまりにも悲しすぎると、序盤も序盤で主人公・ジョンに感情移入してしまいます。何も取り繕っていない、映画であることを忘れてしまいそうになる、いい意味で平凡な毎日が、これは身近に起こる出来事なんだよと教えてくれます。平凡は特別、かげかえのないものであると。
マイケルが発する純粋無垢な言葉や行動が、主人公のお父さんにも私たちにも痛いほど刺さります。死ぬって何?養子って何?まだまだ知らないことだらけのマイケル。パパはずっと一緒。特にロウソクのシーンは、その象徴とも言える。演出も非常に秀逸で、ワンシーンワンシーンに無駄がありません。常にジーンと来てしまいます...。
映画としては少しエピソード不足、物足りなさを感じてしまいますが、95分という短さはとても見やすく、ちょうどいい。一切の間延びなしに、すごく丁寧に描けている珍しい作品かと。登場人物の少なさも功を奏していました。ラストは少し呆気なかったけど、この作風ならありかな。結局エンドロールでは涙が出てしまいます。
お父さんが決して完璧では無いところも共感性が高く、感情移入しやすかったし、笑いを混じえながらもリアリティのあるストーリー展開で、しかも愛に溢れている暖かい映画。上映館少ないですが、誰にでもオススメ出来る秀作です。ぜひ。
コメントする