「一番強いのは」波紋 りかさんの映画レビュー(感想・評価)
一番強いのは
波紋とは池に石などを投げた際に水面上に起こる輪状の波。
キムラ緑子さん、
教えは波紋のように広がる、とおっしゃる。
主婦依子に落ち度は無い。
ある意味生真面目過ぎる依子。
夫の父親の介護もする毎日。
会社員の夫が突然家出。
十数年ぶりに夫が帰って来た。
風体はどちらかというとみすぼらしく見える。
わが家とばかりに以前のように気ままに過ごす。
依子は変わっていた。
義父から家の権利を譲り受け、
心の拠り所として水を崇める新興宗教に
入信して大量の水を保有していた。
また、花が咲き乱れていた庭を枯山水に
変えてもいた。
毎朝さらえ箒で波紋を描く。
その上は歩かない。敷石を通るのみである。
猫であっても歩くことを許さない。
一人だが、
寂しさよりも気楽さが合っているらしく、
日々パートにも行き元気に過ごしていたので、
帰って来た夫が目障りに映る。
あの映像、初め夫からの波紋、
妻の波紋が広がり、夫のは見えない。
歯ブラシの件、他でも聞いたことがある。
依子は洗面台だけど、
トイレの便器掃除に使う人もいるとか😱
カマキリの話、
(中学生ぐらいか、事実を知った時、男子に、
あんたら人間に生まれて良かったなぁ。と、
言ってたかも。)
またその夫が末期癌の治療費をせびる。
信仰する場で夫を利用しようと考えて、
連れて行く。
抗がん剤の点滴を5万円ごとに数えている依子、
なかなかであった。
夫は身勝手、愛想尽かされても仕方なし。
妻は、一人で介護し息子を成人させる。
しかし、あの水は騙されている。
縋るところがそこしかなかったか。
また悩ましい出来事、
九州で働く長男の拓哉が、
年上で難聴の女性を婚約者として
突然連れて来る。
東京見物に二人で行った際、別れて!と言う
依子に拓哉に言ってもいいか、縁切るって。
と逆に脅す態度。笑いながら言うしなぁ。
依子の味方する気はないが、
こういう一見おとなしそうでいて
したたかな人間好かない。
妊娠しているから強気❗️それもなぁ。
負けるもんかぁ、と勉強会に連れて行くが、
反感しか買わない。
障害者差別はいけないとわかっていても、
実際自分の身内となると話は別になり、
一人で育てた息子なのに母としては
やりきれなくなってしまうのだろなぁ。
夫の波紋に打ち勝つ妻の波紋、
それを打ち消す息子の結婚宣言、
言い返す妻の波紋、
妊娠しています、と言う珠美の波紋。
妊娠が最強❗️
サッサと死ぬわ。という言葉。
ラスト、葬儀後すぐ
喪服で拓哉を送り出す。
長襦袢は白、どの時点で赤くなるか、
踊り出しクルッと回って雨が降って来た時。
フラメンコの為の衣装。
夫が居なくなりとうとう爆発💣
やっと何の波もなく、
自分らしく生きられるのか。
筒井真理子さんの演技が冴えわたる一作。
(余談)
自宅の庭は、枯山水よりも色とりどりの花が咲き乱れている方が好みです。
共感コメントありがとうございます。
荻上監督の作品は好きです。
動物と植物を取り入れて風刺が込められた所がおもしろいです。
お嫁さん役の珠美さんは憎らしい演技でしたか?
ちょっと忘れました。💦
母親からしたら息子が彼女の方ばかり持つのは面白くないですよね。
焼きもちもあるし。
自分の味方になる夫は頼りないしで…。
夫役の光石研さん好きです。笑い
さすが👍👍りかさん、歯ブラシの件、など、深い、凄い感受性に心が震えました🫨共感の嵐です、普段コメントしないのですが、思わず、です、よろしくお願いします🤲