「ラストがダメなせいで…」最後まで行く 10Kasさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストがダメなせいで…
以前より気になっていたし高評価も多かったので視聴しましたが…
岡田准一のダメ刑事っぷりや、綾野剛のエリートだが小物感ある演技などは見ごたえあり。
コミカルな部分と緊迫したシーンのバランスもよく、劇場で観たならグッと引き込まれる映画だと思います。
元ネタの韓国版は観てませんし違いの部分はわからないが、
仙葉組長が砂漠のトカゲの話をしたことだったり
(このセリフが後半また出てくるのだろうな、と)
金庫番の尾田の存在を知ってたこと、尾田を見つけるのに尾田の女から辿ったこと、
矢崎との交渉などのシーンで組長が黒幕で裏金を得るためにすべてをまわしている黒幕ということはわかったけれども、エンディングまでは楽しめました。
矢崎が工藤に電話をして車外に出させた後、久我山刑事を始末した点、
これがどうにも腑に落ちない矢崎が工藤の状況を把握できてるなら(工藤を尾行して)工場で尾田の死体を手に入れればいいし、組長側の手筈という線も嚙み合わないし
工藤が追い詰められてる感を出すためのご都合主義な演出はちょっと冷めました。
矢崎への爆弾も然り
まず車の下につけたならまだしも車内で爆発したのに車が川に向かって吹っ飛ぶのは
正直笑ってしまった。
浮かんでこないのを見届け安心する工藤の描写、
どうせ死んでないでしょうとは勘付きますが雑かなぁ
気づく素振り入れるなり、水中での画を入れ「死んでない」と視聴者にはっきり見せるほうがいいんじゃないかと。
オチは仙葉組長が倒れた二人に「二匹のトカゲが…」で終われば良かったのに
もう助からなさそうな工藤に復縁の申し出をさせたあとゾンビ矢崎との車バトル
で、仙葉が尾田も操ってたといういらん説明がラストカット
いらんでしょ?
工藤と矢崎をただの野たれ死ににさせたくなかったのか?でも、あのオチは単なる
「死体蹴り」でしかないでしょ?
監督や脚本で観たわけではなかったので
観終わったあとで他の方のレビューなど見て監督が藤井道人と気づき
ああ、「インフォーマ」の、道理でインフォーマみたいな誰も得しない何も残らないエンド感があったんだと
私はこの監督の作品はダメかも知れない
黒幕の掌で主人公が踊らされてるだけ
主人公に何も残らない映画ってのは観てて楽しいとは思えないな