「韓国文化と日本文化の違いを上手く改変出来ていない違和感」最後まで行く komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
韓国文化と日本文化の違いを上手く改変出来ていない違和感
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(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
※本来の長いレビューを書く時間が最近ないので、短く
今作の映画『最後まで行く』は原作が韓国映画だと思われますが、今作は作品内容が上手く日本文化に対応する形で改変されていないと感じられました。
具体的には、個人的なこれまでの印象では、韓国では血縁や家族関係が(社会関係より)優先され、日本では組織や社会関係が(血縁や家族関係より)優先される違いがあるという改変に関してです。
つまり、映画の中で監察官・矢崎貴之(綾野剛さん)は、結婚して義理の父になった県警本部長(千葉哲也さん)に絶対服従の姿勢を取っていますが、日本の感覚からするとこれは相当な違和感を覚えます。
なぜなら、日本では、組織の論理が血縁や家族の論理より優先されるからです。
例えばかつて問題になった警察の裏金問題も組織優先の論理の典型です。
日本の映画ドラマでは、組織の論理に引っ張られて家族と軋轢が生まれる作品が多く描かれて来ました。
なので、今作映画『最後まで行く』の監察官・矢崎貴之(綾野剛さん)の行動動機は、警察の組織防衛の為と、日本文化に合うように行動動機を改変する必要があったと思われました。
他の警察の人間も、組織を優先するあるいは警察組織が守るべき法律を優先する、の描き方が薄く、映画全体の違和感は相当あったと思われます。
優れた監督であるはずの藤井道人監督と優れた俳優である綾野剛さん岡田准一さんの座組で期待された高い水準の映画からは、致命的な改変ミスだと個人的には残念に思われました。
アクションや爆破シーンなど迫力ある描写も多かっただけに本当に惜しいと思われました。
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