「土俵際」最後まで行く U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
土俵際
リメイクだけあって、脚本は面白かった。
綾野氏は、やはり流石であった。
オリジナルは見てないので綾野氏の役がああいう空気感かどうかは分からず、機会を見つけて見てみようと思う。日本版との差異を感じるのも面白いかもしれない。
惜しむらくは、先入観か。
岡田氏も熱演ではあったものの…もっと弱さというか鬱積というか窮鼠感とでもいうのだろうか?何かしら正気を保ててるようで惜しい。
でも、岡田氏を初めて観る人は違う印象なのかもしれない。それこそ、この作品が国外に出た時に真価が判明するようにも思う。
もうのっけから詰んでる。
ずっと土俵際で、ずっと綱渡りで28日に戻るまではハラハラしっぱなしだ。
シリアス一辺倒のシーンになりがちなのに、コミカルな部分を挿入する感じも韓国脚本らしくて好きだ。
県警の上司の役の人良かったなぁー。
綾野氏の足を踏みつけながら怒ってるシーンは凄い良くて怖かった。綾野氏に同情してしまった。
最終的には上には上がいる的な落とし所で、欲に駆られてもがいてみても、中途半端じゃ使い捨てにされるだけみたいな事ではあったのだけど…問題なのは綾野氏のターミネーター感だ。
いや…しつこい。
彼の執念の源がちょっとよく分からない。
死なば諸共なのか、お前だけ逃さないなのか…その根拠がよくは分からず…ただただ不気味な感じで。恐怖の具象化であるなら分からなくもなく、どんだけ理不尽だろうが理解は及ばないであろう。
ラストの並走が、もはや事切れた後だとすると、彼らは無限地獄にでも突き落とされたのであろう。未来永劫、争う事をやめないのだ。
現実の時間軸だとするなら、ちょいと分からない事もあるのだけれど、岡田氏の嬌声、アレは生物としての本能が目覚めたのかもしれないと思った。
人も獣なのだ、所詮。
柄本さんは理性と知性を持ってても獣に見える時があるからやっぱり凄ぇぇ。
皆さん、殴られ方上手かったなぁ。特にオマケの時の磯村氏の殴られ方、好きだわあー。
総体的には佳作であり良作な印象。
岡田氏がもっとみすぼらしければと、そんな感想。