「年も押し詰まった12月29日、雨降る夜。 所轄の刑事・工藤(岡田准...」最後まで行く りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
年も押し詰まった12月29日、雨降る夜。 所轄の刑事・工藤(岡田准...
年も押し詰まった12月29日、雨降る夜。
所轄の刑事・工藤(岡田准一)は、危篤の母のもとに向かうため、自動車を飛ばしていた。
妻からは催促の電話が入る。
さらに刑事課課長からは、裏金問題で監理官の査察が入る、至急署に戻れとの催促が入る。
突然、工藤の車の前に若い女性が飛び出し、間一髪避けたが、続いて青年がふらつきながら飛び出してくるのは避けきれなかった。
青年が死んでいることで混乱した工藤は、青年の遺体を後部トランクに詰め込んで発車させるが、運悪く、年末の飲酒検問に止められてしまう。
「飲みました、ちょっと飲んだけど、母が危篤、急いでいる」と振り払おうとしたが、工藤と反りが合わない交通課の巡査は工藤を解放しない。
そこへ現れたのは、県警本部の監察官・矢崎(綾野剛)。
事情を察した矢崎は、署に折り返し戻ることを約束させたうえで、工藤を母親が入院している病院へ向かわせるが・・・
といったところからはじまる物語で、ブラックユーモア風味のクライムサスペンスとして中盤までは快調。
工藤のやること、すぐに露見するんじゃない?なんて思いながらも、であるけれど。
で、前半は工藤の視点、中盤は矢崎の視点で、両面から事件を描くのだが、この手の作品だと一度見せられたことをもう一回見る羽目になるので、結構まだるっこく感じられることが多いのだけれど、本作ではギリギリのところでうまく処理できている。
クライマックスは工藤vs.矢崎となり、事件の絵図を引いた輩がいることも判明する。
が、終盤は腰砕け。
クライマックスの工藤vs.矢崎の死闘はやりすぎで、一歩手前でしゃれた幕引きが欲しかった。
また、事件の絵図を引いた輩も、やっぱり、こいつね、という感じで、そこを描くのは蛇足。
中盤までの快調さとは裏腹に、後半は残念、やりすぎ。
スパイスの効いたカレーの上に、牛丼の具と鳥の唐揚げと、黄金のタレで味付けした焼き肉を乗せたようで、ちょっと胸やけ気味になりました。