「クズばっかり」最後まで行く キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
クズばっかり
韓国版は観ずに観賞しました。
岡田准一演ずる主人公工藤がオープニングから見事な小悪党で、まったく同情の余地がない…というのが、この映画全体に私をライドさせてくれた。
「大丈夫?」と主人公を心配してドキドキする感覚がある一方で「ざまーみろ」「バチが当たれ」という思いが並走する。
そう、この映画は、主人公が上手く行っても失敗しても、心のどこかでは快楽を感じることができるという万能装置。
そして登場する綾野剛演ずる矢崎がまた哀れな小悪党で、この二人がどんどんそもそも望んでもいない大事に巻き込まれていく。
「いかにも」すぎる演出が気になる箇所もあるけど、全体がコメディに寄り過ぎないバランスとの相性の良さで気にならないし、個人的にはこういう登場人物中の「クズ」率の高い映画は大好きなので、満足度は高め。
クライマックスの対決バトルシーンは、後半が要らなかったかな。室内だけで十分楽しめた。
そして、お涙エンディングかと思わせての「そうはさせるか!」ラストの気持ち良さ。
観客にちゃんと「よし、最後まで行け!」と思わせて終わる粋なエンディング。
出てくるほとんどが犯罪者で、起きているのはその騙し合いだし、暴力がかなり描かれるのに、結局気持ちよく劇場を後にできる。
役者陣もみんな良い芝居してました。
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