「最後まで行け〜!」最後まで行く shironさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで行け〜!
見たことのない顔!顔!顔!
岡田准一さんがダメダメなおっさんにしか見えない。笑
他の役者さんも全員がキャリア史上最高の顔を見せてくれます!
(あくまでも個人の主観ですが、ここは力強く断言したい!)
綾野剛さんはこれまでも様々な難役をこなしてきたけど、過去一ヤバイ。
広末涼子さんのくたびれ加減もひどい。よくOKしたなと思うほど。
ベテランの柄本明さんまで、最高の笑顔を見せてくれます。
山田真歩さんは声でわかったけど、いつもとは違う役どころで驚きました。このキャスティングは嬉しい。
そして、とにかくストーリーが面白い。
矢継ぎ早に降りかかってくる災難。
ピンチの連続にドキドキハラハラする……だけではない!思わぬ展開が待ち受けています。
2時間に満たない映画とは思えない濃厚さ。
これはリメイクしたくなる筈です。
印象的な音楽が更に緊張感を増してきます。
そもそも韓国映画の、社会派でもきっちりエンタメに落とし込んでくるスタンスが大好きなのですが、
藤井道人監督×スターサンズよりもエンタメ寄りです。
タイトルは『最後まで行く』ですが「最後まで行け〜!」と応援したくなる。
決してそんなシチュエーションではないのに。
爽快だけど悲しく、希望があるようでどん詰まりで、真剣だけど滑稽。
主観と客観が入り混じって感覚がバグる、不思議な高揚感に包まれること間違いなし。
序盤に、主人公が車のフロントガラス越しに前方を見ているカットだと思ってたら、そのままパーンして運転席の主人公を捉えるシーンがあって、視線が変わる違和感にドキッとしました。
普通ならカットを割るところなのに。主観的な目線だと思っていたら客観的な目線だった。。。
さだまさしが「自分の人生の中では誰もがみな主人公♪」と歌っていて、今まで確かにそうだと思っていましたが、この映画を見て「自分の人生だと思っていても、他人が書いたシナリオの登場人物の1人になっている場合もあるな。」と感じました。
全体像が見えていない立場からの主観で描くと、謎が謎を呼びそれだけで良質なミステリになるのか。
一線を越える者はみな、何かに追い詰められているから一線を越える。
トカゲのシッポ切りの要領で、黒幕は決してシッポを掴ませない。
藤井道人監督は『ヤクザと家族』で行き場のない若者の居場所を描いていたと思いますが、この映画では闇バイトで搾取される若者が浮かび上がりました。
誰かのシナリオに乗っかるのは楽だけど、自分で書いたシナリオで「最後まで生きろ〜!」
自分でも感覚がバグっている自覚がありますが、そんなメッセージを感じました。
Mさん、コメントありがとうございます
この、ごちゃ混ぜになる感覚が気持ち良かったので、後から韓国の『最後まで行く』を観て少し物足りなく感じてしまいました。
個人的には、むしろここからが見所だったので。笑