「「やればできる」は、誰かがいたから」愛のこむらがえり seiko_iさんの映画レビュー(感想・評価)
「やればできる」は、誰かがいたから
「実は力はあるのになぜか上手くいかないヤツ」
誰もがそんな不甲斐ない人を、友人、知人、あるいは家族・親族の中にひとりは知っているのでは。
主人公の浩平はまさにそういう男。
「お前さぁ、本気出せば意外といけるんじゃね!?」
この映画を見た人はきっと、そんな思いで彼を眺めるはず。
しかし同業の先輩や、恋人である香織、そうした身近な人達の言葉と思いを受けて浩平の目の色が変わる時、あなたは自分の中にも一本の筋が通ったような感覚を味わうはず……。
浩平のシナリオを映画化するまでは山あり谷あり。
二人の夢を実現するため、香織も奔走する。そしてその奔走は、見ていて清々しい。
なぜか怪しい登場人物も次々と現れ(笑)、巻き込まれ、巻き込み、人が人の心を動かし、その動かされた心が、また次なる人の心を突き動かしていく――。
『愛のこむらがえり』という映画には、夢を共に追うという体験だけでなく、「人ってそうやって生きてるよね」という深い洞察を与えてもらった。
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