ミステリと言う勿れのレビュー・感想・評価
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原作もTVシリーズも未見でも楽しめた
原作を読んでおらず、テレビシリーズも観ていなかった状態で鑑賞したのだけど、とても面白かった。主人公のキャラクターが何といっても魅力だった。見た目にもインパクトがあるが、やや潔癖症で人間不信ぽいのかなと思ったら、そういうわけではなく、どんどん鋭い観察眼を発揮したかと思えば、人生の深い教訓みたいなことも言ってくれる。人間不信どころかかなりのお人よしで、結構正義感に溢れてるっぽい。更に、割と強い信念を持っていそうで頑固そうな部分がある。菅田将暉は上手いなあと改めて思った。
物語も魅力的で、ドロドロした昭和感の残るミステリを堪能した。中盤に出てくる舞台劇の朗読劇には、心の芯に迫る恐怖があった。表面的なおどかしの恐怖じゃないというか、内側から嫌なものが迫ってくるような。
広島がロケ地であるのが効いている。広島の市内は絵になる場所がたくさんあって良いなと思った。あの屋敷も良かったし、実写化ならではの魅力的な見せ方ができていたんじゃないだろうか。後から原作も読んでみたのだけど、実際の広島でロケしたのはかなり効果を上げているなと思った。
事件の解決だけが目標ではなく、シリアスの中にユーモアも多い、ありそうで無かった新感覚ミステリー映画。
本作の面白さは、主人公の「久能整」(くのう・ととのう)という風変わりな大学生の存在が、かなり大きな役割を担っています。
感情をあまり表に出さずに、マイペースな会話で的確に「本質」に辿り着くのですが、いわゆる「論理的な思考」の最高峰レベルなのです。
そのため、事件に遭遇すると、かなり精度の良い結論を導き出すことができます。
ただ、主人公は事件だけに関心を持つわけでもなく、あらゆる情報にアンテナを張っていて、何気ない会話を聞き、引っかかれば、その場で持論を展開していきます。
これが事件とは関係がない場合も散見されるのが独特で、本作では「登場人物らが抱える状況」に対するアドバイスもすることで「登場人物の問題」を解きほぐすのも面白さになっています。
その結果、会話で「事件の謎」にとどまらず「登場人物の問題」をも解決に導いていくのが新感覚ミステリーという所以です。
加えて、ミステリー作品は論理を駆使するのでシリアスなシーンで構成される場合が多くなりますが、本作では主人公のマイペースな言動によって自然と笑いを誘うシーンも多く、これも魅力の1つ。
これらの要素を映画の尺の中でこなすには膨大な量の会話をしなければならなくなりますが、主演の菅田将暉が、話すスピードや「間」も絶妙にこなし、文字通り菅田将暉の当たり役となっています。
今回の遺産相続事件における内容の入り組み具合は1本の映画に相応しく、連ドラの内容を全く知らなくても十分に理解できるようになっています。
その一方で連ドラのファンであれば、最初と最後のシーンに反応できたりと、上手い作りになっていて、まだまだ「久能整」の物語は続きそうです。
独特な空気を纏う繊細青年「整くん」が映画で帰ってきた!
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は広島を訪れていた。突然、ある女子高生に「バイトしない?」と話しかけられ、本人の意思が固まらないうちに遺産相続の問題に巻き込まれていく。
この遺産相続には隠された真実と、一族の闇と秘密があり、久能整の探究心と、とことん考え抜く性格が高じて、どんどん「謎」が解けていく。
しゃべるスピード(速い)も長さも心地いいのは、事件解決の糸を手繰り寄せるだけでなく「人の心を読み解く」といった別の視点を常に持ち続けているからだろう。
連ドラの際の第1話で 「真実はひとつではない。真実は人の数だけある、ひとつなのは事件だけ」という言葉が、単純に物事を提示するのではなく、キチンと現実と向かい合うこの作品の立ち位置を示している。
これは、今回の事件にもぴったりな視点だ。
さらに、整くんはマイルールが多いため、いじられキャラになってしまうのか、断っても断れきれずに巻き込まれていくという不思議な力があり、友達がいないはずの彼には色々な人が寄ってくる点も面白い。
本作は、連ドラを見ていない人にも楽しめるように作られているので、是非とも劇場版も見て心を潤してほしい。エンドロールが流れても物語は続くので座席を立たないようにしましょう。
65点
映画評価:65点
《原作の広島編とドラマ版は視聴済みです》
この作品の魅力は、
ミステリーパートだけではなく、
それ以外のパートにもちりばめられています。
今回で言えば、
『女の幸せ』について
整くん(主人公)が語っているシーンがありますが、
毎度ハッとさせられるし、
整くんらしさを醸し出すのに
素晴らしい演出だなと感心します。
ミステリーパートは元々知っていた事もあり、
新しい驚きはなかったですけど、
原作(漫画版)より解りやすかったと思います。
原作でも最序盤のシナリオなので、
ドラマ版見ていなくても
全然問題なく見れますし
無知な方こそ、
オススメですので見てみて下さい!
【2025.1.13観賞】
これでいいのだ
やはり、漫画の実写でしたか~
単純な面白さがあっていいんじゃないと思った。
我路のことがまったく意味不明だったので調べざるを得なかった。
つまりこの作品は、我路が妹の死の真相を探るところから派生しているようだ。
この際妹の友人だった汐路が我路と知り合うことで、冒頭のシーンに繋がり、かつ久能に繋がったことが理解できた。
最後の警察署のシーンがこの物語の奥行きを演出している。
さて、
久能くん本人も言っていたが、まったく犬神家の一族。
金田一同様、身なりやこだわりが強く、特質したキャラを作っている。
そして犬神家同様に複雑な人間関係が明らかになって行く。
相続法やDNAなど、現実的にはあり得ない設定だが、内容が詰まっていて面白かった。
しかし、
警察には言えないし相談できないことというのが重要な点で、まずはそこに接地しているのは正解だった。
当主幸長の遺言と、絶対服従できない弁護士と税理士一族の関係も面白かった。
先祖が何者だったのかというのは、今の当人たちには関係ないように思うが、それでは済まされないという心情設定も見事だった。
この無視できないことと、表沙汰にしては困るという勢力も面白い。
当主幸長がそれを受け継いだ時、彼は死ぬまで悩んだ末にそれを息子たちに託したことになるが、そこだけが卑怯だと思った部分。
本気で反省と贖罪と今後の繁栄を望むなら、別の方法があったはずだが、そうしてしまうと物語にならなくなる。
でもこれを指摘するのはご法度
この作品はこれでいいのでしょう。
整勲を
ちょこちょこ走るノイズ
出来はともかくとして、シンプルに「好きじゃない」と感じる作品。
主人公の「常々疑問におもっているのですが…」はいつもピントがズレた話になることばかりなのに、このエピソードではそれが特にヒドイ。
一般論に対して例外を取り出してそれを一般化するという論理的な思考ができない話ばかりだし、注意のつもりで変な例え話を始めるせいでその真意が対象に伝わらないなど、主人公の能力に疑問が湧く。
ついでに不必要な登場人物多すぎない?
まぁそれは原作からなので映画のせいじゃないのだけど。
映画での問題点は、まぁまぁ筋の通った展開にミステリーとしての出来は悪くはないものの、常にどこか緊張感に欠けてること。
基本的に演出が拙く、制作側の都合であって物語のためのものではないと感じるとこも多い。
ココ一番で流れる感動のBGM「カメレオン」は個人的には不安定な不協和音に聞こえる部分もあり、あまり好きではないのだけど、作中での使われ方が雑過ぎてかわいそうに感じるほど。
どう考えてもそれぞれのプレゼントを受け取るシーンで流すべきなのに、主人公のゴミのような感想を聞くシーンで流すのは正気を疑うレベルで意味が分からなかった。
特筆すべきは松嶋菜々子の包み込むような存在感と品。
エンディングをまとめるにふさわしい演技が非常に良かった。
文句なしの映像化。
ミステリと言うしかない
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整は、広島で開催される美術展を訪れるため同地にやってくるが、そこで犬童我路の知人だという女子高生・狩集汐路と出会い、あるバイトを持ちかけられる。
それは、狩集家の莫大な遺産相続に関するものだった。
当主の孫にあたる汐路ら4人の相続候補者は、遺言書に記されたお題に従って謎を解いていく。
やがて彼らは、時に死者さえ出るという狩集家の遺産相続に隠された衝撃の真実にたどり着く(解説より)
当方、漫画原作を読んだことがあったが、全くもって結末を覚えていなかった。
感想すべてがネタバレに繋がってしまう気がするため、ストーリーについての話は上記の解説の抜粋のみ。
なんとも複雑であるものの、最後は清々しさも感じた。
新時代の名探偵誕生、か?。
初見
ありそうでない遺産相続事件
誰にでもある固まる前の記憶…
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