「目の前にいる人への対峙と自分の心への対峙」対峙 mayuoct14さんの映画レビュー(感想・評価)
目の前にいる人への対峙と自分の心への対峙
銃の乱射事件で息子を殺された親と、自殺した犯人の親が対峙するところから始まる物語です。
説明がほぼない、読み取る力が必要な映画だと思うので、万人向きではありません。
会話劇なのですが、お互いに腹を割るまでのプロセスも描いているため、特に前半は、「何が言いたいんだろう」と正直少しイライラしながら見ていました。
後半、まず息子を殺された側の母親に訪れた転換点(そのトリガーが何だったのかはかなり分かりにくい)、連動してその夫の心の壁も崩壊が訪れます。
それで、めでたしなのか…うーん、ちょっとなあ…と思っていると、ラスト直前に大きな大きな物語の転換点がもう一つ待っています。
そこに至るには、当事者同士がしっかりと対峙し始めたこと、そして都合が悪いことに蓋をして来た自分の心にも対峙することができたからです。
ストーリーは分かりづらいですが、テーマの当て方はとてもわかりやすい、そういう映画でした。
緊迫感というより、脳内で登場人物の気持ちを少しずつ紐解いていくのに疲れました。
そこが、自分の好みでないので少し減点ですが、なかなか見応えはある映画でした。
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