劇場公開日 2023年2月10日

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対峙のレビュー・感想・評価

全105件中、1~20件目を表示

5.0「赦し」とは何か

2023年2月28日
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鑑賞方法:映画館

これはすごい。今年を代表する一本だ。教会の簡素な部屋で、銃乱射事件で子どもを殺された両親と加害者の両親が4人で語り合う。最初はぎこちない挨拶と日常会話から始まり、だれもが何を話すべきか、どこまで踏み込んでいいのかわからないといった雰囲気の中、死んだ息子の過去の話となってからは、心を削られるような、魂のぶつかり合う対話が全編続いていく。 被害者の両親は、なぜこんな事件が起きたのかを知りたいと訴える。しかし、親だからといって子どもの全てを知っているわけではない。心の闇に気が付けなかったことが悔恨として重くのしかかっている加害者の両親、それでも息子を愛する気持ちは捨てられない。 銃乱射事件が物語の発端になるが、銃規制の是非はテーマにしていない。それでよかったと思う。銃以外でも殺人は起きる。理不尽に命を奪われた両親の悲しみや怒りは、銃でなくても同様だろうから。 回想シーンも音楽もなく、部屋は質素な飾り付けがあるのみ。この複雑な感情を表現するのはもっぱら4人の役者だ。これほど高次元のアンサンブル演技はそうそうお目にかかれない。赦しとは何かを深く探求した傑作。

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杉本穂高

4.0事前情報がない方がより味わい深いスリリングな会話劇

2023年2月15日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

舞台はアメリカのどこか郊外らしき土地にある小さな教会。子供たちが合唱の練習をしているが、初めて訪れた女性司祭がピリピリした雰囲気を醸しながら会談場所の部屋を事前にチェックし、椅子の配置などを整える。やがて一組の中年夫婦が緊張した面持ちで到着し、少し遅れて別の中年夫婦がやってくる。司祭はほどなく去り、部屋には2組の夫婦が対峙する――。 貴重なお金と時間を費やして映画を観るなら、自分の好みから外れたものを選ばないよう予告編などで事前情報を仕入れてから鑑賞するのはもちろん真っ当なこと。だが、緊張感に満ちた会話劇が好きな人なら、2組の夫婦にどんな関係性があり、何の目的で会談を行うのかを知らないまま臨むことで、秀逸な脚本によりそうした事情が言葉のやり取りだけで少しずつ明らかになっていく過程をよりスリリングに味わえるだろう。 本編の9割方がこの室内だけでリアルタイムに進行し、回想シーンなどを一切挟まない構成なので、舞台劇の映画化だろうかと想像したが違った。俳優でキャリアを築いてきたフラン・クランツによる初脚本・初監督作で、ドキュメンタリー映画などで知った事実から着想したという。つまり、このような“対話”が創作ではなく、現実に行われてきたということ。 異なる立場の者同士が直接対峙して言葉を交わすことの困難さと、それを敢えて行うことの尊さが、SNS全盛で他者を容易に攻撃できてしまう現代だからこそ、観客の心に一層深く突き刺さるのかもしれない。

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高森 郁哉

5.0修復的司法 置き去りにされてきた犯罪被害者と死刑制度

2024年12月2日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

知的

欧州諸国などでは70年代ごろから続けられてきた修復的司法制度。いわゆる従来の報復的司法とは異なり、刑事司法手続きにおいて置き去りにされてきた犯罪被害者の支援に重きを置いた制度である。そしてそれが犯罪者の更生や犯罪によって壊されてしまったコミュニティの修復にも役立っている。 今までの刑事司法手続きにおいては被害者は常に蚊帳の外であり、加害者との接触も禁じられ、ただ判決により刑罰が下されてそれで終わりだった。 残された被害者や遺族は傷ついた心の修復にその後の人生を費やさなければならなかった。 同じく70年代、ストックホルム宣言を皮切りに欧州先進諸国を中心に死刑制度が次々と廃止されていった。 この死刑制度廃止に対する根強い反対意見としては被害者感情の尊重というものがある。確かに死刑廃止は被害者にとっては受け入れがたいものだろう。自分の愛する家族を奪った加害者を極刑にしてほしいと望むのはごく自然なことだと私を含む多くの人がそう考えてきた。しかし、この「被害者感情」なるものが死刑制度存廃の議論において常に独り歩きをしていなかったか。本当にそれが実際の個々の被害者感情を代弁していたものだったと言えるのだろうか。被害者の中には死刑制度に反対する人々もいる。加害者には生きて償ってほしいのだとして。 十把一絡げに「被害者感情」とひとくくりにして第三者が被害者感情を画一的に解釈することはこれもまた個々の被害者を置き去りにした議論と言わざるを得ないのではないか。 中には死刑を望まない被害者遺族に対して被害者のくせに加害者を庇うとは何事かというバッシングまでなされることもあるという。 確かに自分がもし被害者になればきっと加害者の死刑を望むだろうから他の人も同じだと思いたいのだろう。しかし、自分が死刑を望むのだからあなたも死刑を望むべきだというのは同調圧力ではないだろうか。本当に個々の被害者の気持ちに寄り添っていると言えるのか今一度考え直す必要はあるだろう。被害者の数だけそれぞれ被害者感情があるのであり、当事者でもない第三者が自分の想像だけで被害者感情を理解した気になるのは尚早だろう。 その点でこの修復的司法制度は個々の被害者に寄り添った制度だと言える。被害者は置き去りのままで判決が下ればその後は加害者と話す機会もない。なぜ自分や、あるいは家族がこんな目に合わなければならなかったのか、どうしてこのような事件が起きたのか。被害者はできることなら事件が起きる前の生活に戻りたい。そのためには少しでも疑問を解消し自分を納得させたいのである。 そして納得した上でそれから加害者を憎み続けるのか、あるいは加害者を赦して肩の荷を下ろし、事件のことを忘れて残りの人生を全うするかを決めたいのである。 犯罪被害者側と加害者側という相対立する両者が冷静にひざを突き合わせて自分たちの思いを互いにぶつけ合う、納得がいくまで。そうして両者が今まで抱え込んできた様々な思い、疑念や恨みの感情、罪悪感、そういった負の感情から心を解き放ち肩の荷を下ろすことができるのであればその後の両者の人生は幾分、いや、かなり楽に生きられるようになるはずである。 現在この制度の利用者の実に八割が満足を得られる結果だという。こういった被害者への精神的経済的ケアがなされているからこそこれらの国々では死刑制度廃止も受け入れられてきたのだろう。 憎しみをただ募らせて厳罰化に向かう国もあれば、憎しみという重荷から解放し厳罰化を緩和し犯罪率低下につなげている国々もある。 修復的司法により今まで置き去りにされてきた犯罪被害者の被害者感情が癒されてきたこととこの死刑廃止の潮流は無関係とはいえないだろう。 被害者感情を考えろと声高々に叫ぶ国に本当に被害者に寄り添った政策が出来ていたであろうか。憎しみをただ募らせてそれで被害者が残りの人生を幸せに生きられるだろうか。あるいは加害者を死刑にすることでそれで正義は全うされたとしてそのまま被害者はやはり置き去りにしていいのだろうか。 犯罪被害者は加害者が死刑になろうがなるまいがその後も人生を生き続ける。その残りの人生を苦しみ続けるよりもいかに幸せに生きられるか考えていくことこそが被害者への一番のケアにつながるのだろう。 死刑よりも優先されるのは被害者へのケアであるはずがそういう政策をしないことの理由として死刑制度が利用されることがあってはならない。 袴田氏の無罪判決が確定して、これで戦後だけでも五件の死刑囚への無罪判決が出た。戦前に至っては何件無実の人間が死刑になったかもはや定かではない。もちろん戦後無実の疑いがあるまま死刑にされた件も合わせればかなりの数に及ぶ。 今回の無罪判決で再び死刑制度の是非をめぐる議論が熱を帯びてくることだろう。国は死刑を密室で行ってきた。まるで国民的議論が巻き起こるのを避けるかのように。 同じ先進国のアメリカでは一部の州でのみ死刑は行われているがその執行は常に公開されている。 今こそ死刑制度に関する国民的議論がなされるべき時ではないだろうか。そしてこの修復的司法制度が日本でも根付いてくれることを期待したい。

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レント

2.5タイトル通り

2024年11月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

ずっと対峙、さすがに辛かった。被害者と加害者、それぞれに苦しみはあるし、あの2時間は視聴者にどちらが本当の被害者か?判定をくだしてくださいと言っているように思えた。描写はどちらに肩をもつ感じでもなく、ある意味公平でした。最後に被害者の赦すが出る前までは加害者家族に同情しましたが、あの言葉で皆んな可哀想にと思えた。

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ノブ様

3.0赦すって言葉と感情がよく理解できてない

2024年11月24日
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難しい

キリスト教の元だと辿り着ける心境? 日本だとどうだろう

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ぎょうざ

3.5「赦します」

2024年11月11日
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鑑賞方法:VOD
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HY

4.0お見事

2024年11月10日
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冒頭道徳の授業中に見せられるビデオのような画質画角にこれはムリかもと思ったけど、四人の俳優たちが揃った途端空気が変わる。マーサ・プリンプトン売れっ子子役の頃から謎の仏頂面で何で売れるんだろうと不思議だったけど、その顔が全面的に生きている。リンダは悪意はないんだろうけど空気読めてない行動が多すぎ、リチャードは言い訳が多すぎて自分も被害者だと思ってるのか?ジェイこの人だけはまともなのかなと思ったらやっぱり結構直情的で、そう言わないほうがいいよっていう方に流れていってしまう。こういう立場に立ったことがないから分からないけど、みんなベストじゃない言動ばっかりする。それがとてと自然なので、やきもきさせられながらも引き込まれる。ラストも良い。途中ダレるのでもっと短くても良いのかなと思ったけど、観客にもこの話し合いラチがあかないよ!と思わせるためにも必要なダレと流さなのかもと思うと、スゴイ計算だなと思う。これを経たからこそのラストだよね確かに。

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三毛猫泣太郎

4.0わかり合えない家族

2024年11月5日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

銃乱射事件は単なる暴力ではなく、その背景には政治的な問題がある。銃規制に反対して銃の所持の権利を掲げている保守派の政治家や国民は、キリスト教の保守グループと密接に結びついている。 この映画の舞台となっている教会は聖公会のものであるが、この教派は、キリスト教の中では、比較的保守ではない、公民権運動やLGBTQ、中絶などにも寛容な姿勢を示す立場を取っているグループである。 つまり、その教会で対話するということは、保守的な政治思想とは距離を置くということであり、それがこの映画の政治的スタンスとなっている。 監督は、実在する銃乱射事件に着想を得て、その中で銃撃犯の両親と犠牲者の両親が会談を行ったという事実を知り、脚本を書き上げたそうだ。ドキュメンタリーではなくフィクションであるこの映画では、演技でその張り詰めた空気を表現している。 「あなたの息子が私の息子を殺したからよ」被害者家族の妻ゲイルの言葉とともに会話が弾け飛び、悲痛な沈黙が訪れた瞬間が忘れられない。 この対峙は、被害者家族にとっては、相手から「息子が死んだ原因」や「息子の人生の意味」への回答を求める場であり、加害者家族にとっては、相手から「許し」を求め、「孤独」を理解してもらう場である。 被害者家族は加害者である息子の幼少期まで遡り、原因を究明しようとする。 「前兆はなかったのか」「あなた達の教育に問題はなかったのか」「防げたのはないか」「親として気づけたはずだ」「あなたたちの息子が邪悪だったんだ」 加害者家族も被害者家族と同様に息子を失った親である。 「自身の教育が間違っていたのか」「自身の罪ではなく、息子の罪をどう贖えばいいのか」「二人目は望んでいなかった」「自分たちは子育てに失敗した」「私は人殺しを育てた」 絶対にわかり合えないであろうこの4人が対話を通じて何かをつかもうとしている、その姿勢に胸を打たれる。 そして、ラスト10分、意外な展開が訪れる。

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ミカエル

4.0赦す事の難しさ

2024年10月31日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

教会の一室で高校銃乱射事件の 被害者の両親と加害者の両親が只々対話するだけの会話劇 最初はぎこちなく軽い世間話から始まるが、 次第に感情がこみ上げていき・・・ とにかく重い。一言一言が重い。 どっちも違う苦悩を抱えている。 どっちの気持ちも分かる。分かるから痛い。 観る前は会話劇なので途中で飽きないかな?と心配だったが 全くそんな事はなく、圧倒されてあっという間でした。 相手を赦す事で相手も自分も開放されると思うが もし自分が同じ立場だったらどうだろう? 果たして相手を赦せるだろうか? とても難しい問題えある。

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おじ

4.0赦しと贖罪

2024年10月29日
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鑑賞方法:VOD

赦しとは、そして贖罪とはっていうお話。 遠い外国の話ではあるけれど、 ニュースで○人と言われた犠牲者・加害者の奥には これだけの地獄が広がっているのだと再認識させられた。 限りなくドキュメンタリーに近い内容らしく、 観る側にもメンタル的な持久力が求められる。 ひとりの親として、なぜあの結論に至れたのか または至らざるを得なかったのかっていう部分が どうしてもこの短い上映時間では腑に落ちないところではあった。 ただ、映像作品として共有してくれたことに感謝したい。

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mar

4.5体力の半分もってかれます。

2024年10月22日
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鑑賞方法:VOD

体力の半分もってかれます。

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EizoG

3.5すごい内容ではあったけど、 加害者の親と被害者の親をセラピーとして...

2024年10月9日
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鑑賞方法:VOD

すごい内容ではあったけど、 加害者の親と被害者の親をセラピーとして会わせるというのは本当にあることなんだろうか。 ドキュメンタリーでもないし事実に基づく話でもなさそうだし、これは作り手の理想というかおとぎ話だろうかとふと思い直す瞬間も多少あった

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zzzzz

5.0罪と赦し

2024年10月5日
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鑑賞方法:その他

泣ける

悲しい

知的

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コノフ

2.0無理筋。こんなもんじゃないだろ。

2024年9月29日
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非支持。 こんな修羅場でも皆が順に一度は激昂して一時間足らずでスンナリ収まる非現実的な無理筋に拍子抜けした。 それなりの知的レベルなら神様の仲介で大丈夫って、ホンマかいな。 そりゃこれが綺麗な理想だろうけども。 こんなもんじゃないだろ。 無理がある。 三宅隆太氏推薦作だが。

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きねまっきい

4.5後悔と、、、

2024年9月29日
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鑑賞方法:VOD

私の高校の後輩はアメリカで射殺された 私はヨシくんの代わりに生きることはできないが、彼の死という大きなマイナスをプラスにできなくとも、できる限り小さなマイナスにできれば思いながら生きてきたつもりだ あの事件がなければ、今の私はいないと断言できる この映画が実際に起こった事件をモデルにしているのか、完全にフィクションなのかはわからない しかし、このような事件の関係者が、なんとか前に進むことを願っています You DO NOT know. I know. この映画ではないが、ある台詞を思い出した You don't know about real loss, cause that only occurs when you love something more than you love yourself.

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がい

4.0観ているのが辛く胸が張り裂けそうな作品

2024年9月26日
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銃乱射事件の加害者と被害者の両親が顔を合わせて対話するストーリー。 観ているのが辛く胸が張り裂けそうな作品。 加害者も被害者も親にとってはどちらも大事な息子。 ずっと平行線のままだと思いました。 平行線どころか殴りかけてもおかしくない感情になります。 被害者は加害者がなぜこんな事件を起こしたのか知りたいし 加害者は被害者に赦しをもらいたいと思うし。 やっぱりまともな感情にはいられないでしょう。

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tom

4.5ずっと苦しい

2024年9月24日
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ティム2

4.5話せなかったこと

2024年9月17日
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知的

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ムーン

4.0映画も音楽も聖歌も、前進するためにある。

2024年9月16日
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本作は、深刻な事象に光を当て、 登場人物たちの心の奥底を克明に描き出す、 心理劇の傑作である。 オープニングシーンから、 机の配置、イスの角度、ティッシュの置き場所、 といった細部の描写が観客の注意を一点に集める。 これは、単なる写実的な描写にとどまらず、 これから始まる緊迫した状況への予兆として機能している。 カメラは、登場人物たちの表情をクローズアップで捉え、 彼らの心の揺れ動きを正確に映し出す。 眼球の動きや目線の交差といった、 微細な表情の変化は、 言葉を超えたコミュニケーションとして機能し、 観客にステマのようにシグナルを送り続ける。 これは、キャストたちが経験と訓練によって培った、 非言語コミュニケーションの高度な技術である。 登場人物たちの心理戦が、言葉は最低限の分量で、 身体表現によって繰り広げられる。 限られた空間の中で、 彼らは姿勢、頭の角度、呼吸といった身体の細かな動きで、 defenseのアクション、retaliationのリアクション、 互いの心理状態を探り、間、タイミングをコントロールし、 駆け引きを行う。 物語は、4人の人間関係が複雑に絡み合い、 徐々に破綻していく様を描き出す。 それぞれの立場や価値観を持ち、 互いに衝突し、そして理解しようとする。 この過程で、 人間の心の奥底にある醜い部分や、脆い部分が露呈していき、 感情と感情が対峙する時に論理的思考は不毛だという事もあからさまになる。 最後に、 見事なエンターテインメント作品にとどまらず、 人間の心理に関する深い洞察を提供する。 特に、感情をコントロールすることの難しさ、 そしてその重要性が浮き彫りになる。 感情に任せて演技をすることは、時に危険な状況をもたらす。 そのため、俳優は、感情をコントロールし、 役柄に没入するための高度な技術を身につける必要がある。 昨今、スポーツ界でもメンタルトレーナーが重要視されつつあり、 NPBでも2球団が専属トレーナーを起用している。 映画界でもインディマシー・コーディネーターが話題になっているが、 メンタルトレーナーの起用と、 演技の理論と実践を体系的に教習するシステム導入も急務である。

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蛇足軒妖瀬布

3.0サイコには神の声は届かない

2024年8月6日
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フラン・クランツという新人監督さんが撮った本作の英語原題は“MASS”。英語で“ミサ”を意味するらしい。プロテスタントとカソリックのちょうど中間に位置する“聖公会”教会?の一室で、これからなにやら重た~い雰囲気のミーティングが行われるらしいのだが、表れた2組の夫婦がなんのために呼び出されたのか、観客になかなかわからない演出がとられている。 トランプ政権時代、アメリカ内に広まった“分断”にインスピレーションを得たと語っていた監督さんではあるが、元々あった格差を極大化したのは何を隠そうあのオバマ元大統領なのだ。LGBTQなど人権的な差別に米国民の目をむけさせ、肝心要の貧富格差を裏でこっそり極大化させたのは、リベラルの代名詞このバラク・オバマなのである。現大統領のバイデンはそのオバマの操り人形といっても過言ではないだろう。 そんな民主党政権が、他国の戦争をけしかけるくせに自国ではなぜか銃規制を強化する。その矛盾がアメリカ人の子供たちに良い影響を及ぼす筈もなく、銃乱射事件の犯人を子にもつ老夫婦と、その犠牲になった子供の父母が対面し、事件後一応の和解をするまでを描いた問題作なのである。歳をとってから授かった子供のため家庭でも孤立、人殺しゲームCODにはまったあげく、お手製のパイプ爆弾を製造して警察沙汰に、今回(名ばかりの)友人の銃を借りて事に及んだことが次第にわかってくる。 誰がどうみても“サイコ”にまちがいないガキんちょを野放しにした甘々の夫婦を、話し合いの最中に激昂糾弾に及ぶ殺された子供の父親(ジェイソン・アイザックス)。その奥さんは「あなたたちを赦すことは、あの子を忘れること」と言って、老夫婦を睨み付ける。「幸せになんかなりたくない。学校の成績なんかどうでもいい!」と自分の部屋にとじこもっていった次男をどうすることもできなかった、と老夫婦はただ不毛な言い訳を繰り返す。 済んだことを蒸し返してああだこうだと口論しても、満足いく解決に結び付かないことは映画中盤にしてもはや明らか。そこでこの若き監督はその解決策として、“信仰”による結びつきを無理やりラストにもってくるのである。確かに日曜日に教会に通う人が多い地域では、凄惨な事件の発生率はすくないという話しをどこかで聞いたことがあるが、本作のエンディングはハッキリいって強引すきて映画らしくないのである。 泉にこんこんとわき出る湧水や、騎士とチェスをたしなむ死神、壁に写り込む水面の輝きをもってして“神”を顕在化させようとしたベルイマンの演出に比べると、あまりにも安易すぎやしないか。魂から神が逃げ出してしまったような脱け殻人間に、信仰による安らぎを思い出させるにはどうすればよいのか。バラセンに巻きつけられたテープの揺れごときで、それが表現できるとはとても思えないのであるが....

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かなり悪いオヤジ